あらすじ
未来は本当に脱・資本主義にあるのか。
ミクロな視点から資本主義の壮大な歴史と最前線を読み解く!
資本主義の歴史を通じて空間・時間・生産の領域で広がってきたフロンティアは最早消滅しつつある。しかし、資本主義の本質は直線的な時間感覚と計算可能性に根付いた未来志向なのである。いま資本主義で起こっているのは内へと向かう発展であり、その最終段階として、ついに〈アイデア資本主義〉の時代を迎えた。
―――目次―――
第1部 資本主義のフロンティアの消滅
1. 資本主義の歴史の紐解きかた
2. 空間のフロンティアとその消滅
3. 時間のフロンティアとその消滅
4. 生産=消費のフロンティアとその消滅
5. 伝統的なフロンティアは消滅した
第2部 アイデア資本主義の到来
1. インボリューション:内へ向かう発展
2. アイデアの時代へ
3. アイデア資本主義で起こること
4. 資本主義のこれから
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何となくみんなが感じていたことを、明確に説明してくれた気持ち良さが本書にはあります。
常に進出するフロンティアを見つけて来た私達。フロンティアが見つからないことが今の閉塞感の原因の1つのように思えます。
そんな時どうすべきか。
著者は文化人類学の概念でインボルーションを提唱しています。内へ向かう発展です。もとはジャワ島の農業発展の特徴を表したものです。
そしてインボルーションを加速させた時に最終的にたどり着いたのが「アイデア」。今のところAIでは不可能な人類だけのものです。
この財産は、新たなフロンティアが見つかった時にはもっともっと活かされると思います。きっと物凄いROIになるはずです。
Posted by ブクログ
行き過ぎた資本主義といわれ共産主義が良いのかというとそうでもない。インボリューションと言われるアイディア資本主義は確かに良いと思う。直線的な時間感覚と計算可能性を欠いた状態では資本主義は成立し得ない、ゴーインゴコンサーン、Discount Cash Flow法、うちに向かう発展、将来のより多い富のために現在の消費を抑制し投資しようとする心的傾向、資本主義というものを今一度考えてみたい。
Posted by ブクログ
資本主義とはどんなシステムなのかが非常に分かり易き整理されている、アイデア資本主義という言葉に引かれて読んでみたが資本主義の教科書として十分な本である。
Posted by ブクログ
この本の初めの方にあった、「本書では、資本主義を(中略)「将来のより多い富のために現在の消費を抑制し投資しようとする心的傾向」と定義します。」がとてもしっくりくる定義だった。どんどん読めた。
Posted by ブクログ
ポスト資本主義としての打倒資本主義に対抗する根拠がしっくりきた。
その根拠が説明されているのがこの本の前半部分なのだが、いかんせん重複しているところがおおく、根拠は理解できるがページ数に対して内容が少し薄いように感じた。
さらにアイデア資本主義自体は文章中に明確な根拠がすくない後付け感があり、そのパラダイムも永続的なもの、もしくは巨大なものにはなり得ないのでは無いかと思った。
Posted by ブクログ
書名から想像する内容と読後感が微妙に違うが、切り口はそれなりに興味深かった。
「将来のより多い富のために現在の消費を抑制し投資しようとする」ことができる人は、ある意味いくばくかの富と冷静な論理思考を持っている恵まれた人だろう。残念ながら自分自身を含め、大多数が不安で仕方がないので、やむをえず現在の消費を抑制し、なけなしの金を貯め込んでしまうのが実情かと感じてしまった。
しかし、経済を回しているのは「将来のより多い富のために現在の消費を抑制し投資しようとする」少数の勝ち組なので、大多数の搾取される側の人々はあまり関係ないというか誤差の範囲なのだろう。
Posted by ブクログ
アイデアの時代だが、以前は何を必要としたのかという事実から、今何を必要としているかがわかったような気がする。資本主義は、人間の一部になっているから、なくなりはしずに、変化していくのだと。