あらすじ
「――どうやらあんたも、笑われるような身の上みたいだしな」
ダンスの練習を通して、距離を縮めていくフィーネとガーロウ。そんな二人を使用人たちが囲み、和やかな雰囲気で舞踏会当日を迎えていた。
しかし、カルスだけは、王国人であるフィーネを認めていないようで……。
破門された元大聖女×無愛想な年下辺境伯の、1000日限りの偽り婚。
後輩聖女・キリアの策略により「大聖女」の称号を剥奪されてしまったフィーネ。
突然持ち上がった婚約話に戸惑うも、相手である当主・ガーロウから「千日後に離縁したい」と告げられてしまい…。
聖書の教えと自身の信念を胸に、どんな状況でも他人に優しく接するフィーネの強さとひたむきさには、思わず心を打たれます。一方で、彼女を妬む者がいるのも人間の性とはいえ、あまりに理不尽な仕打ちを受ける彼女の姿には、歯がゆさが募ります。また、婚約初日に離縁を申し出たガーロウも、冷酷な当主かと思いきや、立場ゆえの苦悩を抱える一面が見えてきます。彼の何事にも真摯に向き合う彼を見ていると、「フィーネの優しさに気づいてほしい!」と願わずにはいられません。
果たして千日後、二人の婚約の行方は――? 最後まで目が離せません!
感情タグBEST3
冷静て思いやり深いヒロイン
理不尽な逆境にあっても、自分の信念を保ち続け、他人の気持ちを冷静に考えることができるヒロインの性格の良さに癒されます。静かに人を押し退けることなく自己主張ができるっていいですよね。彼女を陥れた大聖女も含めて、最後はみんなに幸せになって欲しいと思いながら読んでしまいます。