ジョージ・アカロフのレビュー一覧

  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

    Posted by ブクログ

    タイトルでもある「アニマルスピリット」という言葉は、書中に何度も出てくるが、訳者によればケインズの「一般理論」において出てくる言葉であるという。元々の邦訳では「血気」と訳されていたようであるが、本書においては、経済的合理性だけで行動することができない人間の意味で使われているため、言葉の持つ印象と乖離することからそのまま、「アニマルスピリット」としてそのまま引用されている。さて、そのアニマルスピリットであるが、基本的に5つに分類されている。1.安心2. 公平さ3.腐敗と背信4. 貨幣錯覚5. 物語こうした要素が人々の合理的な判断を限定的なものにし、ときに非合理的な行動をもたらすという。本書は、著者が書中でも述べているようにマクロ経済学の本であり、行動経済学が主たるテーマとして書かれているわけではない。したがって、R/セイラーのような、実験に基づく人々の非合理的行動のケーススタディはあまりなく、非合理行動をより一般化したものである。それだけに抽象的で難解である。それだけに、読者が投資や実務などの実社会での活動にここで書かれていることを直接役立てるようなことは期待すべきではない、極めて理論的な内容である。基本的は、フィリップス曲線やインフレなどのマクロ経済の基礎知識がないと理解が難しいであろう。

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    2011年03月16日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

    Posted by ブクログ

    アニマルスピリット
     ・非経済的な動機や不合理な行動。
     ・行動への突発的な衝動。
     ・10年後の収益なんて推計できない。不確実ななか、決断を下すのはアニマルスピリット。
     ・5つの側面=安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語

    社会主義者
     ・政府は、自ら人を雇うことで失業を解消する。

    アダム・スミス
     ・「見えざる手」
     ・民間市場は政府の介入なしに自分の力で「見えざる手によるかのように」完全雇用を保証してくれる。
     ・自由市場資本主義は基本的には完璧で安定している。政府が介入する必要はまったくない。
     ・人々が、自分の経済的利益を合理的に追求すれば、「相互に有益な生産と交換」が行われ、完全雇用になる。
       合理的な労働者=自分の生産よりも低い賃金を受け入れる労働者 ← 合理的な雇用主なら、雇用し、生産を増やす。

    ジョン・メイナード・ケインズ
     ・「アニマルスピリット」
     ・『雇用・利子および貨幣の一般論』
     ・政府が借金をして消費すれば、失業者に仕事を取り戻せる。
     ・ほとんど経済活動が合理的な経済動機から生じることを認めつつも、
      多くの経済活動がアニマルスピリットに動かされていることを指摘。

    ===

    安心
     合理的な意思決定以上の行動を指す。
     ケインズ乗数
      政府支出の影響
      1+MPC+MPC^2・・・=1/(1-MPC) MPC:限界消費性向
     安心の指標・・・ミシガン大学消費者信頼感指数
     経済を完全雇用に戻すには十分な金融政策と財政政策が必要だが、安心の低下による極度の信用収縮はそれだけでは不十分。

    公平さ
     罰を下すと幸せを感じる。報酬を期待するときに活性化される背側線条体のスイッチが入る。
     衡平理論
      取引のどちら側も、投入した分と得した分が等しくなるべきだ。
      低技能者は高技能者に相談しない。感謝を述べることにより衡平にしようとする。

    腐敗と背信
     1991・・・貯蓄貸付組合(S&L)
     2001・・・エンロン
     2007・・・サブプライムローン
      物件購入者、ローン提供者、ローン証券化業者、格付け機関、不動産担保証券購入者 --すべてで均衡が成立してた。

    貨幣錯覚
     意思決定が名目金額の影響を受けるときに生じる。
     合理的なら、名目金額で市場で売買できるもの にだけ左右されるはず。
     賃金の額面カットに対する抵抗=賃金の下方硬直性

    物語
     人間は物語をもとに考えるよう作られている。
     物語の拡散は伝染病みたいに。
     物語は事実を説明するだけにとどまらず、それ自体が事実になる。

    ===

    なぜ経済は不況に陥るのか?
     「安心」の崩壊が経済的な失敗の「物語」の記憶尾関連するが、
     その物語の中には不況に先立つ年月に起きた「腐敗」増加の物語も含まれる。
     経済政策が「不公平」だという感覚が高まり、消費者物価下落の結果を
     理解できないという「貨幣錯覚」が生じる

    なぜ中央銀行は経済に対して(持つ場合には)力を持つのか?

    なぜ仕事の見つからない人がいるのか?
     効率賃金理論
      やる気への影響を考えると、最低限の水準よりも高めに賃金を支払いたいと、雇い主は考える。
      →労働の供給が需要を上回る。
      →このギャップが仕事を見つけられない人

      企業が完全には従業員を監視できない。
      →従業員は、働いてもいいし、サボってもいい。ばれるとクビになる。
      →失業がなくてあらゆる企業が同じ給料を払うなら、労働者たちには努力するインセンティブがない。
      だから、雇用主は、従業員がサボらないように給料を必要以上に払う。→労働の需給は均衡しなくなる。

     実際は、
     従業員が公平だと思うものに依存している。公平だと思う賃金は市場の捌ける賃金よりも高い。
     賃金が低くく不公平だと感じていると、従業員は職務を自分の責任だと考えにくくなる。

    なぜインフレと失業はトレードオフ関係にあるのか?
     貨幣錯覚がトレードオフを引き起こす。



    なぜ未来のための貯蓄はこれほどいい加減なのか?


    なぜ金融価格と企業投資はこんなに変動が激しいのか?


    なぜ不動産価格には周期性があるのか?


    なぜ黒人には特殊な貧困があるのか?
     

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    2009年10月04日