ジョージ・アカロフのレビュー一覧

  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    (いま流行りの)行動経済学の本です。ところで、書名にもなっているアニマルスピリットとは、安心、公平さ、腐敗、貨幣錯覚、物語だそうです。で、こういったアニマルスピリットが、時として、人を(経済)非合理的に振舞わせることになる源泉になるのです。

    で、コンキチがこの本を読んで最も印象に残ったアニマルスピリットのファクターは、ズバリ、貨幣錯覚です。

    大衆はインフレ率をちゃんと織り込むことができないということです。

    つまり、「実質」ではなく「名目」しか眼中にないということ。物価スライド制とかそんなの関係ねぇって感じです。

    ちなみにコンキチは、そういった大衆の盲目性を目の当たりにしたことがあります。それは、小泉政権初期のデフレ経済下、(コンキチの大嫌いな)労組の職場会で、次節の要求を話しあうことになりました。コンキチは、所謂ベア(ベースアップ)とは、賃金におけるインフレ調整機能だと考えていたので(実際には全くそうなっていないが)、ベースダウンすることを主張しました。デフレ下で、要求する側自らがベースダウンを切り出せば、ベアのインフレ調整機能としての役割は確固たる地位を築くことになる、そう考えたのです。そして、景気浮揚時にはなんの問題もなく、システマティックにベースアップが実行に移され、結果、実質賃金(購買力)の安定に寄与するという至極あたり前な主張をしました。しかしながら、120%歯牙にもかけられませんでした。

    ま、そんなもんなんでしょうね。時の政府も、貸金業規制法改正とか、派遣規制とかの愚策にご執心(とまではいかないか)であったようだし。物事の表層しか見ていないのだ。

    皆さんも本書を読んで、アニマルスピリットを学んでみませんか?大衆の非合理性を理解することができるかもしれませんよ♥

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    2010年02月21日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    アニマルスピリットの存在がケインズ経済学の中に触れられていたということに驚きました。経済を理解することは、人の本性・アニマルスピリットの影響を理解することでもあると。その5つの視点は、安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、そして物語。私は特に、安心に取りつかれる人間の心理と、貨幣錯覚、そして人生の物語と絡み合っているという見方が、画期的で、人と経済の関係を新しい目で見るきっかけになっています。

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    2016年09月09日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    人々は一般的な経済学が想定しているように完全に合理的な行動をするわけではない。アニマルスピリットによって突き動かされているのだ。

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    2012年11月11日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    ネタバレ

    マクロ経済上の問題を考える時になぜ、人々が経済的なイベントを発生させる行動をとったのかを考えるうえで役に立つ。

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    2012年09月26日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    経済の仕組みと、それを管理して繁栄する方法を理解するには、人々の考え方や感情を律する思考パターン、つまりアニマルスピリットに注目しなければならない。アニマルスピリットとは、経済の中の不穏で首尾一貫しない要素をさしている。それには下記の5つの側面がある。

    1.理論の礎となるのは安心であり、安心と経済のフィードバック機構である。この機構は不穏さを拡大する。
    2.賃金や価格の決定は公平さに大きく左右される。
    3.腐敗と配信行動への誘惑も認識するし、それが経済でどんな役割を果たすかも考慮する。
    4.貨幣錯覚も理論のもうひとつの礎石。インフレ、デフレで混乱し、その影響について理詰めで考えない。
    5.自分が何者で何をやっているかという現実感覚は自分や他人の人生のストーリーと絡み合っている。そうした物語の総和が国の物語や国際的な物語となって、経済で重要な役割を果たすようになる。

    これらを元に、不況、中央銀行、失業、インフレ、貯蓄、不動産価格、黒人の貧困等を読み解く。
    本当の具体的な具体策は述べられていないが、これらのヒントは今後為政者や金融監督機関にとって重要な示唆を与えるであろう。

    ジャックウェルチの引用が面白かった。
    彼が重視しているのは「死んだ本」の知識や書類ではなく、議論に掛ける情熱であったことと、投資回収分析のOHPにバッテンをつけて無限という言葉をなぐり書きし投資に対する収益が永遠に続くのだという事を強調した事。

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    2010年07月13日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    いわゆる経済学と思っていたやつからの変化が多角的に理解できた気がする。明日からの新聞ニュースの見方が変わるかも。最近の政策をイメージしながら読んだ。
    P14,33,45,49,103,141,171,186,190,239,263

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    2010年04月13日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    アニマルスピリットの重要性に関して、非常に説得力がある。
    マクロ経済学に行動経済学を加えたモデルを提供してくれると思いきや、具体的な施策やモデルについては触れていなかった点が残念。
    マクロ経済学の不完全さを語っているので、マクロ経済学を知る上でも参考になる。

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    2010年02月07日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    アニマルスピリットとは 安心、公正、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語

         合理的 非合理的
    経済的   ?   ?
    非経済的  ?   ?

    既存の経済学…?の状況でしか使えない
    アニマルスピリット…???の状況で使える
    既存の経済学が適応できる標準化された世界(合理的、経済的)はとても狭い
    我々が生きる広い現実世界はとても不条理で予測不能でそこではアニマルスピリットがとても重要な役割を果たしている

    資本主義は公正なルールと適切な管理者がいてこそ正常に機能する ルールがない(もしくは変化する現実(例えば複雑化する金融商品)にルールが追いつけなくなると)屑商品が出回り、一般市民は(投信や401K経由で)資産をカモられ仲介の金融業者が私腹を肥やす そして市場に対する安心感は奪われ深刻な不況になる

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    2013年11月24日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    「貨幣錯覚」について改めて考えるにはうってつけの啓蒙書。
    ミクロ経済学寄りな行動経済学をよみたい方にはおすすめできないけれど,マクロ経済学のミクロ的基礎付け的な方面の行動経済学に興味ある方には,興味深い書物ではないでしょうか。

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    2009年11月23日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    ケインズの用いたアニマルスピリットとは異なり、本書では行動経済学的なアプローチでこの語を用いていることに、途中でようやく気づいた。おかしいなと思ったら、1ページ目の最初の行に書かれていたことを見事に読み落としていた。

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    2025年09月10日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    タイトルでもある「アニマルスピリット」という言葉は、書中に何度も出てくるが、訳者によればケインズの「一般理論」において出てくる言葉であるという。元々の邦訳では「血気」と訳されていたようであるが、本書においては、経済的合理性だけで行動することができない人間の意味で使われているため、言葉の持つ印象と乖離することからそのまま、「アニマルスピリット」としてそのまま引用されている。

    さて、そのアニマルスピリットであるが、基本的に5つに分類されている。

    1.安心
    2. 公平さ
    3.腐敗と背信
    4. 貨幣錯覚
    5. 物語

    こうした要素が人々の合理的な判断を限定的なものにし、ときに非合理的な行動をもたらすという。

    本書は、著者が書中でも述べているようにマクロ経済学の本であり、行動経済学が主たるテーマとして書かれているわけではない。したがって、R/セイラーのような、実験に基づく人々の非合理的行動のケーススタディはあまりなく、非合理行動をより一般化したものである。それだけに抽象的で難解である。それだけに、読者が投資や実務などの実社会での活動にここで書かれていることを直接役立てるようなことは期待すべきではない、極めて理論的な内容である。

    基本的は、フィリップス曲線やインフレなどのマクロ経済の基礎知識がないと理解が難しいであろう。

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    2018年10月08日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    タイトルがわかりやすくてよい。
    行動経済学の核となっている要素を一言で言い表している。
    旧来の経済学が合理的な人間を想定して組み立てられているのに対し、現実にはアニマルスピリットを考慮せずには成立しないと言うこと。

    安心、公平さ、腐敗と配信、貨幣錯覚、物語。

    個人的には、なかでも公平さに関心を寄せられた。

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    2021年08月08日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    ケインズ理論とヒックスの乗数効果
    安心乗数=安心感の変化がパニックを引き起こす
    衡平理論

    貨幣錯覚=名目金額の影響を受けること

    パニックは理性の外にある

    効率賃金理論=需要と供給で決まる賃金より実際の賃金は高い=やる気を引き出すため。サボらないように。

    貯蓄率は国ごとに違う。国富とは無関係。

    トヨタ自動車とアルゼンチンの国営自動車会社との違いは自信と自負の差による。経済学は考慮できない。

    トービンのq

    貨幣錯覚も住宅投資をすばらしいもののように思わせる一因。

    ローンを売り渡すことができるようになったことが、リーマンショックの遠因である。

    ISLM理論。

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    2015年10月31日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    過去の世界的な恐慌、日本の失われた20年、昨今の金融危機、
    これらは伝統的な経済学の理論では説明できない。
    なぜなら、伝統的な経済学は人間が合理的、つまり、
    インフレを加味した実質価値で判断でき、統計や確率の計算を間違えず、
    自制心があって貯金もできる、そんな前提に立っているが、
    人は実際には感情があって、勘違いもする。
    そういう、従来の理論で加味していなかった人間の部分を
    「アニマルスピリット」と名づけて、これが無視できない影響がある、
    という内容。

    訳者のあとがきにもあるが、
    普通の人からすると当たり前すぎて、経済学者ってそんなことも分からないの?
    と思ってしまいがちだが、分かっていないわけではなくて
    モデル化が難しいから無視してきた、ということのようである。

    きれい理論ができたことに満足して、何でもそれで説明しようとする、
    というのは自分にも思い当たるので、よい戒めとなった。

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    2014年01月09日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    行動経済学でマクロ経済現象を解き明かそうとするのは面白いが、アニマルスピリットのフレームワークである「安心、公平、腐敗・背信、貨幣錯覚、物語」はもうちょっときっちりと固めて欲しかった。第2部の各論は面白い。

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    2013年07月18日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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     山形浩生訳ってことで読もうとしたけれど挫折。
    時に動物的な野心や衝動は、社会を好まざる方向へ傾けるけど
    そのスピリットがないと社会は進まないってことです。
     
     真面目に働く人々は社会を回すことはできるけれど、社会を
    進めることはできず、アンビシャスな人は社会を進めることは
    できるけれど、社会を回す歯車には収まれない。

    まぁ大多数の人間が歯車なわけなんですが

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    2011年11月20日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    p77「根源的なプロットはたった20種類しかないー探求、冒険、追跡、救出、脱出、復讐、謎、競争、負け犬、誘惑、変身、変化、成熟、愛、禁断の愛、犠牲、発見、過剰の幸福、上昇、下降」

    アニマルスピリットの要因を、安心、公平性、腐敗、錯覚、物語の5つに分類している。
    バブルの解説と同時に、有名経済学者の考え方もわかりやすく書かれている。
    全体としてわかりやすかったが、難しい記述もあり、また質問に対する回答という形式のため、流れで通して読めるものではなかった。
    もう一度読みたい本。

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    2011年01月15日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    行動経済学の紹介の常として、合理的経済人を前提とした今までの経済学では不十分、という書き方をする。それは確かにそうだけど、それは今までの経済学が間違っている、ということじゃない。

    合理的経済人を仮定した経済学はどんどん発展しているし、たくさんの経済事象を説明できる。政策立案や制度設計の役にも立っている。ただ、それだけじゃ、全ての経済事象を説明しきれないから、もっと人らしい人を仮定して分析してみよう、ということ。そういう前提がこの本にはある。従来の経済学の成果と限界との両方を最先端でわかっている学者だからこそ書けたわけで、経済学の可能性を示した本であって、間違っても経済学批判の本じゃない。

    そういうのを知らない人がこの本を読んだなら、今までの経済学は間違ってる、役に立たない、と思いかねない。そういう勘違いが起こったなら、きっと著者たちの意図とは正反対だろうなあ。

    と思って読んでいたら、訳者あとがきでちゃんと説明してくれていた。このあとがきを読んで、ちゃんと普通の経済学も勉強してみよう、ってことになれば、それが一番いいんだろう。

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    2010年07月09日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    著者の2人はともにアメリカ経済界の重鎮で、

    Robert J. Shiller はアメリカ株式市場のバブルを10年前から指摘し、
    George A. Akerlof は『情報の経済学』の始祖であり、
    レモン市場理論と限定合理性の理論を説き、
    2人ともこれまでとは違う経済理論の可能性を開拓しました。

    本稿は2部構成で、

    第一部でアニマルスピリットを説明します。
    安心・公平・腐敗/背信・貨幣錯覚・物語の5つを挙げ、
    経済学の切り口プラス、
    おもに心理学、社会学、哲学、人類学の考えを取り入れ、
    既存の経済理論を修正しています。

    第二部では、金融恐慌に対する8つの論点を解説し、解決策を提示します。


    昨年前期に大学院経済学研究科を10単位ほど、背伸びして履修しました。そこで使用したTextをこの時期に読み返したのも、売れ筋ランキング経済部門で2009トップとの記事を見たからです。


    2008年金融危機批判は、ともすれば
    『人々は合理的になりすぎてお金に目が眩んだせいだ』といったような、
    「合理性」と「目先のお金しか考えない」「弱肉強食」の話を混同した、
    支離滅裂な経済学批判になりがちですが、

    これは長期的利益やお金以外の効用を含めて説明することで、簡単にひっくり返ってしまう浅はかな批判です。

    本書はそういった批判に加担するものでなく、

    戦後60年間、地球上のすべての資本主義経済を雇用率90%以上でまわしてきたマクロ経済学理論の力を認めたうえで、
    その不備をいかに補い、いかなる攻撃にさらされても動じない完全理論に近づけるかを、新分野の行動経済学のツールを使って考察します。

    人々が完全には合理的になりきれないことを、
    心理学、社会学、哲学、人類学をメインに説明していますが、
    そういったアニマルスピリットをかつてエコノミストが採り上げなかったのは、
    彼らがそれを知らなかったからではなく、
    どう理論モデルに数学的に組み込んでいけばいいのかが皆目分からなかったからなんだと僕は思います。

    自分たちも昨年夏は、ここで一番苦労したのですが、
    本稿でそこに対する具体的ツールについて何ら触れられていないのは少し意外でした。新興分野ゆえのおもしろさ的なのがここにあります。

    裏を返せばビギナー向けです。
    経済学の盲点はどこにあって、人間の弱さを補うための社会経済政策に、既存理論の精緻化だけでなく、アニマルスピリットを加味して政策的インプリケーションにどれくらい留保をつけるべきか、今まさに中央銀行と経済官僚が模索している、その姿を見てみたい人に薦めます。

    ほんといい本でした。

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    2010年07月04日
  • アニマルスピリット―人間の心理がマクロ経済を動かす

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    人々が経済合理的に活動するという前提で構築されたマクロ経済理論に対する批判の書で、リーマンショックを含めた経済危機を説明するものとして世間でも高く評価されています。

    読む前までは、「アニマルスピリッツが必要」ということを、勝手に非合理的だが冒険的な投資行動が経済には必要だということを言うのかと思っていました。しかし、ここでの「アニマルスピリッツ」の定義はそういうものではなく、もっと広い非合理的な行動のことを指しています。
    具体的には、アニマルスピリッツ(非合理的行動)の5つの側面として、
    1)安心、2)公平さ、3)腐敗と配信、3)貨幣錯覚、4)物語、を挙げています。これが本書の主張の肝になります。後半では実際に経済分野で生じている現象にアニマルスピリッツが及ぼしてるであろう影響を例を挙げて論じていきます。

    著者らは全編を通して、合理的期待や効率的市場といったものを前提としたマクロ経済理論に、本書で挙げたアニマルスピリッツの原理を組み込まないといけないと結論付けています。ただ、その具体的方法については私の理解では曖昧にされたままです。

    山形さんの訳もいいのか悪いのか分からない出来で、世間の評価から期待が大きかっただけに、何だか読みにくいというマイナスの印象が残りました。内容や主題は悪くないのですが...

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    2010年04月04日