西和夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二畳で豊かに暮らす。そんな挑戦的な、不可能と思われるタイトルに惹かれて一読。
内田百問、漱石、子規らの住まいの考察、遍路を接待していた建物の調査、戦後の建築家によるミニマムな住居の提案など、ためになる論文を読んだ気になれた。
劣悪な住環境は、ひとを荒ませる。
でも、ただ広ければいいというものでもない。広さは快適さに影響するけれど、比例するものでもない。
自分に合った、必要かつ十分な住空間に住まうこと。そして豊かに暮らすこと。この豊か、というのは経済的な意味よりも、測れない内面的な、人間的な豊かさのこと。
それを自身も求めてゆきたい、大切なことだなと改めて思えた。読めてよかった。
子規の布団の狭 -
Posted by ブクログ
ネタバレ引越した部屋の狭さに絶望して思わず手に取った一冊。お蔭で大変心強くなりました。うん、彼らに比べたら全然マシ。
二畳。「起きて半畳、寝て一畳」とはいいますが。残り半畳は収納ですか。
たしか森見登美彦の「四畳半神話体系」には、「二畳に住んでいる強者を一人だけ知っていたが、彼は精神に異常をきたして親に実家に連れ戻された」のようなことが書いてあったと思うけれど、普通はそうなると。監獄の方が広そうだもの。そんな部屋に複数人で住む文豪達。彼らの精神はどうなってるのでしょうか。しかも文章を見る限り結構楽しげである。
文豪たる想像力を総動員して現実逃避でもしていたのでしょうか。彼らの才能の原点はそこにある