大垣貴志郎のレビュー一覧
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メソアメリカ文明圏のはじまりからスペイン人に征服された時代、独立革命、レフォルマ戦争、ベニート・フアレスの時代、ポルフィリオ・ディアスの時代、を経てメキシコ革命、さらに2000年、一党独裁を続けてきた制度的革命党PRIが、国民行動党PANに敗北するまでを、他の歴史家の観点も参考にしながら概観したもの。
メキシコに旅行に行き、テオティワカンやツェツェンイツァ、ウシュマルなどの遺跡を見てきたので、興味を持って読んでみたが、古代文明の部分は1章だけだった。あとはスペイン人がやってきてから植民地時代の話も興味深く、ラス・カサス神父の『インディアスの破壊についての簡潔な報告』も、岩波文庫でたまたま見 -
Posted by ブクログ
「太陽の国」「仮面をかぶった国」と陽気な顔とそれに似合わぬ混沌と混乱の歴史をたどった国メキシコの通史です。メソアメリカの諸文化からコルテスによる「征服」、イダルゴらによる独立運動から「建国の父」フアレスらによる保守派と自由主義派の抗争「デフォルマ戦争」、夢想家マクシミリアン1世による空しき帝政、再びフアレス政権、そしてディアスの独裁、「象に戦いを挑んだ細菌」マデロ、メキシコ革命を駆け抜けたパンチョ=ビリャやサパタ、そしてカランサ、カルディナスと、さまざまな英傑達がちりばめられてます。一般向けのメキシコ通史がほとんど無いためこういった本は重宝しますが、ただちょっと個々人の動きが分かりにくいような