後藤致人のレビュー一覧

  • 内奏-天皇と政治の近現代

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    内奏と上奏の明確な線引き。そして、法的位置づけが無いが故に戦後も形式のみならずな実際の影響力を維持したまま継続された内奏。さらに、平成時代にも続く内奏。芦田均内閣で内奏が一時期廃止されるが第二次吉田茂内閣で復活したこと。佐藤栄作が岸信介よりも皇室を重んじていたことと、阪神大震災後に総理のみならず関係閣僚により頻繁に内奏が行われていた事が意外であった。できれば連立政権以後の内奏についてももう少し掘り下げて欲しかったところ。

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    2018年10月14日
  • 内奏-天皇と政治の近現代

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    愛知学院大学文学部准教授(日本近現代史)の後藤致人(1968-)による戦前・戦後を通じた臣下から天皇への内奏・御下問に絞った研究。

    【構成】
    序 章「奏」の近代化-上奏・内奏
    第1章上奏と陸海軍-帷幄上奏と最終決定
     1 帷幄上奏-天皇との直結
     2 海軍の「奏上」
     3 陸軍の上奏-南部仏印進駐と上奏・御下問
     4 上奏・御下問対策-日米開戦までの道
    第2章内奏-曖昧な慣習の姿
     1 東京裁判と「内奏」論議
     2 多彩な内奏-口頭・公文書・私文書
     3 形式と内容
    第3章権力者たちの認識-日記に登場する内奏
     1 大正期-『原敬日記』の上奏・内奏
     2 昭和戦前・戦中期-宮中と内閣の文書に

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    2013年11月24日
  • 内奏-天皇と政治の近現代

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    「奏」と呼ばれる天皇への報告と,天皇からの「御下問」の内実を分析。帝国憲法下と日本国憲法下,それぞれにおける天皇と政治のかかわりを考える本。
     帝国憲法下では,天皇には大権があり,それぞれについて臣下から「上奏」が正式な制度として行なわれた。官僚の人事関係,召集などの議会関係,外交関係,陸海統帥部関係など。その上奏の前段階の非公式な報告・説明が「内奏」とされて,本書の中心となる。
     内奏は多分に慣習として続いてきたもので,呼び方も「奏上」「伝奏」など一定しない。日記を書いた人によってもそれぞれ。このあたりをかなり綿密に解き明かそうとしているが,それはあまり意味があることのようには思えなかった。

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    2011年12月16日
  • 内奏-天皇と政治の近現代

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    内奏―臣下が天皇に対し内々に報告する行為を指す。
    明治憲法下では、正式な裁可を求める「上奏」の前に行われた。
    戦後、日本国憲法下、天皇の政治関与は否定され、上奏は廃止、内奏もその方向にあった。
    だが昭和天皇の強い希望により、首相・閣僚らによる内奏は続けられる。
    天皇は「御下問」し、それは時に政治に影響を与えた。
    本書は、「奏」という行為から、天皇と近現代日本の政治について考える試みである。

    [ 目次 ]
    序章 「奏」の近代化―上奏・内奏
    第1章 上奏と陸海軍―帷幄上奏と最終決定
    第2章 内奏―曖昧な慣習の姿
    第3章 権力者たちの認識―日記に登場する内奏
    第4章 昭和天皇の「御下

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    2011年04月06日