井上栄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◯大分コロナウイルスも落ち着いてきたと思われるが、今一度、感染症についての本を読んでみたいと思い手にする。
◯感染症対策において、我々のような普通の人たちが普段の行動を心がけることが一番重要であると再認識した。日本人の潔癖とも言える性格が、コロナウイルスの感染拡大防止に寄与していると思うと、ものは見方、考え方で変わるのだと感じる。
◯旧版の最終章が性感染症について書かれており、意外な気もしたが、著者は母子手帳についても著作がある点、母子保健の分野との関連性で捉えると納得である。
◯昨今、オンラインでのピルの処方が議論されているが、エイズの視点を持ち込んだ場合、また方向性が変わっていたかもしれな -
Posted by ブクログ
2006年に発行された同タイトルの本が、増補されたもの……お察しの通り『新型コロナウイルス』についての2020年時点での知見が端的かつ丁寧に記載されている。
本書では感染症の歴史や、その衛生による防除などがわかりやすく解説されている。時々見聞きする疫学の『コホート研究』の内容がストンと理解出来たのが良かった。
過去の歴史や経験を踏まえて、感染症に対して研究者がどう挑んでいたのか、また当局がどう対策をしてきたのかが、とてもわかりやすく書かれているので、この時代の基礎知識として必須の書だと思う。
当時危険視されていたエイズについても、細かく書かれており、ピルについての言及もされていて、なかなか面白 -
Posted by ブクログ
SARSウイルスは、咽頭で少量増殖してから、血液を介して肺や腸管へ行き、大量増殖すると考えられる。香港では、アパートを訪問したSARS患者が浴室内のトイレを使い、ウイルスが含まれていた便が排水管を落下した時に、飛沫が管内に発生した。換気扇を回していた浴室の床の排水口から飛沫が吸い出され、階段部分から上の階や他の棟へも拡散したと考えられる。この団地で、二次感染を含めて300人以上が感染した。
病原体は、長期的には人間との共生に移行すると考えられている。短期的には、病気がうつりやすい条件があれば強毒化し、うつりにくい条件では弱毒化する(イーワルド)。
リンパ球にはBとTの2種類がある。Bリンパ