竹内信夫のレビュー一覧

  • 空海入門 ──弘仁のモダニスト

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    本書は「弘仁のモダニスト」という副題がつけられていますが、なるほどこういう見方で空海を捉えることもできるのか、という新しい発見がありました。まず空海が生きていた時代は唐の文化や制度を積極的に取り込んでいた時代であるということ。そのため漢学全盛期であり、仏教だけではなく文化全般において、良くも悪くも「唐」かぶれの時代だったということです。

     そのような時代に仮に私自身が生活していたとして、空海がどう見えるか、ということですが、まさに竹内氏が本書で主張しているように、おそらく当時の人からしたら空海は最新のものを色々と日本に持ち込んだ人、という印象があったことでしょう。梵字で真言を唱えるという仏教

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    2023年04月27日
  • 空海の思想

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    「弘法大師」としていわば神話的な存在として語られがちな「空海」を、一人の人間として捉え、どのようなことを考えていたのかを見ていく本。
    後世の僧が付け足したと思われる文言や言葉を出来るだけ取り除き、唐から帰ってきたばかりの空海が書いた願文から即身成仏の指すところや声字実相の真言(マントラ)とは何か、そして「虚空尽、衆生尽、涅槃尽、我願尽」で有名な万灯万花会の願文まで盛りだくさん。

    少し漢字が多く、一回読んですぐ理解できるとは到底言えない内容だが、それだけ新書にしては濃く、内容も含め、菩薩仏教における密教等々をわかりやすく解説してくれてる。

    「突き詰めていけばいくほど空海とはどういう人物かわか

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    2015年06月10日
  • 空海の思想

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    フランス文学の研究者である著者が、空海の思想の内奥にせまる本です。前著『空海入門―弘仁のモダニスト』(ちくま学芸文庫)より、さらに踏み込んだ考察が展開されています。

    著者は空海の思想のうちに生命論的な発想を見いだし、ベルクソンに通じるものがあると考えています。空海の思想をある種の生命論とみなす解釈は梅原猛にもありますし、著者とおなじくベルクソンの哲学に造詣の深い美学者の篠原資明にも『空海と日本思想』(2012年、岩波新書)という著作があるので、そうしたとらえかたは一般の読書家たちのあいだでは、ある程度受け入れられているのではないかと思います。

    その一方で著者は、真言宗の宗乗にとらわれること

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    2023年03月27日
  • 空海の思想

    購入済み

    密教についてはさわりのみ

    宗教テクストとしての空海ではなく人間空間に焦点を定めている本。
    密教についてはさわりのみ。

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    2017年06月19日