薩摩秀登のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
各「時代」から人物をピックアップし、その人生と歴史的背景を描くことで歴史を辿るというのは、ある国の歴史を謳った書籍としては珍しい試みではないか?確かにある程度チェコに関するバックグランドがないと分かりづらい所はあるかもしれないが、少なくとも人を通して活き活きと国の歴史が語られているし、チェコや周辺の大国との関係が有機的に描き出されている。
第9章『博覧会に賭けた人たち』は、特定の一人の人物ではなく、19世紀、近代化しようとする国家の中でどのように博覧会が開催されるかを描いている。ここではドイツ系チェコ人とチェコ人との間の綱引きがテーマとなっており、この後のチェコの独立、ナチス・ドイツ介入の伏 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
九世紀のモラヴィア王国の誕生以来、歴史に名を現わすチェコ。
栄華を誇った中世のチェコ王国は、そののち、ハプスブルク家に引き継がれ、さらに豊かな文化を生み出した。
二十世紀に至って、近代的な共和国として生まれ変わったのち、第二次世界大戦後の共産化によって沈滞の時代を迎えるが、ビロード革命で再出発した。
ロマンティックな景観の背後に刻印された歴史を、各時代を象徴する人物のエピソードを核に叙述する。
[ 目次 ]
第1章 幻のキリスト教国モラヴィア―キュリロスとメトディオスの遠大な計画
第2章 王家のために生きた聖女―聖人アネシュカとその時代
第3章 皇帝の住む都として―カレル四世と