吉川節子のレビュー一覧

  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    『印象派の誕生―マネとモネ』(吉川節子、2010年、新潮新書)

    本書は、「印象派」と呼ばれる画家たちの交流から作品を分析し、またマネの作品に隠された「謎」から私たちに指し占めしていることを解説している。

    ぼくは印象派はもちろんのこと美術に関しては知識が浅いのだが、だからこその新しい発見があった。たとえば、対象から受けた印象をカンバスに描くからこそ表現できるものがある、ということ。これはマネの作品からよくわかった。(詳細は本書を参照のこと。)これは写実主義のリアリズムでは表現できない(とぼくは思った)。

    (2010年5月26日 大学院生)
    (2011年7月24日)

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    2011年07月24日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    モネの話に比重が置かれている印象を受ける。どのような作品から影響を受けたのか、どのような作家に影響を与えたのかがわかり面白い。<草上の朝食>の手の秘密は驚いた。

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    2012年10月14日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    [ 内容 ]
    華も艶もある色彩、柔らかなフォルム、具体的で親しみやすい画題。
    目にも心にも優しい印象派の作品だが、創作の根底にある「印象」とは何なのだろうか。
    ルネサンス以来の伝統に支配されてきた西洋の美意識は、マネやモネの登場によって、決定的な変化の時を迎える。
    本書では、印象派誕生に焦点をあて、その革新性に迫っていく。
    多彩な人物たちが交錯した一九世紀中葉パリの濃密な空気がここによみがえる。
    図像資料多数。

    [ 目次 ]
    第1章 印象派の成り立ちを見てみよう(“バティニョル街のアトリエ”;残りの三人 ほか)
    第2章 スキャンダルの真相(落選展の“草上の昼食”;なぜ、大スキャンダルになった

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    2011年04月06日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    素直に「おもしろかった」というべき本だ。
    印象派なんてと思いながら読み始めたら、文字通り目から鱗状態だった。途中までそんな深読みをしてもと思っていたが、絵を見ているようで、視れていなかった。マネのひねりとモネの時間の取り込みは興味深かった。

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    2010年10月11日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    印象派の画家たちに多大な影響をおよぼしたマネと、その影響のもとに独自の作品世界を追求したモネの二人をとりあげ、両者にとって「印象」とはなんだったのかということを解説している本です。

    最初の章では、印象派の画家たちがえがいた絵画において、「西洋の伝統」と「日本の影響」を統合した「新しい芸術」を示す静物トリロジーが見られることが指摘されています。

    つづいて、マネの作品がとりあげられます。《草上の昼食》や《オランピア》が、神話に登場する女神の裸体ではなく、同時代の現実のなかの裸像をえがいたことでスキャンダルを呼び起こしました。著者は、こうした現実をあるがままにえがくことを追求したマネの作品のうち

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    2015年05月22日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    タイトルのとおり、印象派がどのように生まれたのかを探る一冊。いろいろと知識を得てから見ると、絵画の奥深さが感じられてもちろんよいとおもうけど、何の知識もなく見たとしても、やっぱり感動するときには感動するのだ。だから名画は名画なんだよね。本としては、多少は印象派の知識とか絵の鑑賞歴がある人じゃないと、わかりにくいかも。

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    2014年08月06日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    マネやモネといった印象派の絵画に対する見方が変わる一冊。
    ただ、ある程度の知識が無いと読みにくいかもしれません。

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    2013年11月29日
  • 印象派の誕生 マネとモネ

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    幅広い文献を渉猟し、印象派誕生に関わった魅力的な人々を丁寧に描いています。
    全体に著者は頭で絵を観る人のようで、絵の中の人物や調度についてそれぞれの背景も含め詳述されていますが、絵の見方は人によって違うだけに読者と「本との相性」がぴったり来る場合とそうでない場合がありそうです。
    特に「草上の昼食」や「ブヴィエの壺」の記述はやや理屈っぽく断定的に感じました。
    ただ全体にはなるほどという部分が多く、本に納められた図版は130余りに及び、その中身も名作揃いで、できればカラーの大判の本で改めて読んでみたい気がしました。

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    2010年07月18日