あめのんのレビュー一覧
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今回はシリアスなお話でした。
裕福な子女が通う女学校が舞台。
明治らしく華族や旧家だけでなく一代で財を成した子も通っていました。
でも旧家じゃないからと差別されていて今でもこういうことはありそうだな、と思いました。
しかも家のためと好きでも望んでもいない相手に嫁がなきゃいけない。
自分にやりたいことや夢があっても「女には学問も夢もいらない。家に尽くし子を産み守ればいい」と押し付けられる。
そこから始まる悲劇。
悲しいと同時に「人形」を辞める決意をした人間は強いなぁ。
その1人の愛さんの過去が判明。
まさかでした。
おそらくフランス語も話せなかっただろうに。 -
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明治時代の雰囲気とかファッションとかが好きで買いました。
横浜を舞台にしてそれぞれ役者、発明家、画家を目指すも定職につかない3人の若者が活躍する話。
ミステリー要素はそんなに深くはないのですがテンポがよくサクサク読めました。
それに出て来るキャラクターに嫌味がないという意味で癖があってそこが楽しめる点かな。
しかもいいとこのボンボンで跡継ぎ争いなどとは無関係な様子。
最初はどうして寅太郎は演技力はあるみたいなのにそこまで上がり症なんだろう?って思ったら最後まで読んでようやくわかりました。
あんな兄妹いたらそりゃそーなるわ(苦笑)
それにしても洋菓子屋の愛さんは飄々としすぎているくらいだけ -
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明治横浜れとろ奇譚シリーズ第2弾。
今回は菓子店ルゥ・ド・アムルの女主人の愛の過去に関わる話。
今回は水谷巡査はあまり出てこなかった。残念。
まぁ舞台が女学校じゃ仕方ないか。
人身売買でかどわかされる少女達が、SNSで犯罪に巻き込まれる子供達に重なる。
ほんの好奇心と、息苦しい環境から自由になるという思いで行動したのに、こんなことになるなんて…。
花田先生は、最初はこういう被害や不幸な結婚から守ってあげたいという気持ちから、私の言うとおりにしなさいという意識に変わっていったのだろうか。
しきたりや昔の慣習、子女たるもの、を押し付けて、成り上がりの美都を嘲る女学校の人間たちに息苦しさと不快 -
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役者、絵師、学者と非常にその時代における華やかな(?)職業のようで、けれどただの無職とは惹きつける要素がてんこ盛りで面白かったです。
疾走感があって読んでいて飽きさせなかったですね。大正の頃の横浜は知らないけれど非常に詳しく魅力的に書いているのがよいと思いました。
ミステリとしてはやはり、ですよねーという展開でしたが主人公の家族構成があれなので他の二人も予想だにしない何かを秘めているのかなという楽しみがあって次巻が気になります。
個人的なポイントとしては、上がり症な主人公が、舞台以外ではガラスの仮面ばりに役に入り込むところがギャップがあって最高でした。 -
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ネタバレ近代にも夢を志すフリーターはいたのだろうか?という質問を具現化したような作品。
明治末期、第一次世界大戦前の社会情勢を忠実に表現していると思う。
舞台は明治、1910年5月19日にハレー彗星の尾の中を地球が通過する噂が広まる横浜から始まる。
当時は彗星の正体は小型の天体であることは分かっていたが成分は不明で、尾には毒ガスが含まれているらしいという噂で「この世の終わりになる」のではという社会不安が広がっていた。
(2000年のノストラダムスの予言の噂話みたいw)
そんな中、前島寅太郎は、大勢にみられると緊張して演技できなくなるという致命的な欠点をもちつつ役者を目指し、東京から横浜まで身一つで -
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ハリー彗星がやってきて、世界は滅亡、という騒動が。
その片隅で、やりたい事だけをやり続ける3人+1人。
自分のしたい事だけをする、という発想が出てくる時点で
いい所のお坊ちゃんだろう、とは思ってました。
周囲に集まってきてしまった人達も、変人とはいえ
同じ事を言っているという事は…でしたし。
こういう場合、一人真面目なのが迷惑を被るという現実。
一応手に職(?)を付けている人も出てきますが
まさかの展開、でした。
そこに繋がるのか! というのもありましたが
温和そうに笑っているのが一番…という
分かりやすい図式。
確かに、救いはあるやもしれません。 -
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ネタバレ良くも悪くも素直な、まさしくキャラクター文芸です。
表紙や帯に書かれている「三人のフリーター」のキャラが際立っているし、それぞれ特徴が異なり、台詞も特に説明を要することなく誰がどのことばを発しているかわかるあたり、キャラクターの造形は魅力的。個人的には浪漫研究家の有坂さんがすごく好きです。若い子から大人まで楽しめそうな、わりと王道のお話。
ただ、ミステリとして読むのなら、内容・展開はわりとありきたりだと感じます。のっけの登場からこいつクソ怪しいな~~と思っていたらその通りの黒幕で、それが冒頭の良くも「悪くも」素直な話だと感じた理由です。もっとも、ミステリという枠組みで無かったら申し訳ないのです -
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えっと…。
一途を通り越して、ストーカーの年下ワンコ攻めのお話。健気は健気だけど…。展開が急なのはこの際置いとくとしても、登場人物の心情がわからずついていけないまま終わった。