牧野雅彦のレビュー一覧

  • 精読 アレント『全体主義の起源』

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    牧野雅彦 精読 アレント 「 全体主義の起源 」 ナチズムなど 全体主義の歴史を分析した本。衝撃的で ハードな読書だった


    なかでも 衝撃的なのは、全体主義が暴力を用いずに、人間の法的人格やアイデンティティを抹殺し、死体になる前に「人間として死せる身体」となっている点


    国家利益や体制維持のために行う政治活動と異なる点で、全体主義は 国家や体制を乗り越えた現象であり、人間に対して破壊と支配を進める点で、悪の極致だと思う


    反ユダヤ主義、人種主義、帝国主義が 全体主義に結晶し、プロパガンダにより組織化された大衆により、全体主義が成立する姿を 歴史の中に見出している


    全体主義を通し

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    2022年03月02日
  • 危機の政治学 カール・シュミット入門

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    ポピュリズムやアイデンティティ・ポリティクスに関する議論で言及されることの多い、カール・シュミットについての中級向け概説書。

    政治思想史で扱われる、議会制や自由主義への批判、独裁論、「友−敵」論などについて、正面きって解説しないことが特徴的。
    シュミットが意識していた論者や執筆時の政治情勢を取り上げることで、外堀から彼の政治思想を浮き彫りにしようとする。

    シュミットの著作だけを読んでいては見えない部分を補ってくれる好著。
    著作の時代性を加味した時、一般的な概説書で描かれる彼の政治思想とはまた違った相貌が現れてくる。

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    2020年02月10日
  • はじめての政治学

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    権力とは人を動かすこと
    政治とはときには悪魔とも共存すること

    政治学とは公共の利益とかみんなの問題ってやつの定義を模索すること、答えはでていないもの。

    まだまだ勉強が必要です。

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    2012年11月26日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    非常に面白いし分かりやすい。

    原本(翻訳版)が厚くて読む気がしなかったのでこちらを。
    経済も元をたどれば哲学とか宗教に基づく、
    というのがすっきり入ってきた。

    これ読んでから日本史を勉強し直すと色々気付けそう。

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    2012年06月24日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ネタバレ

    『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と言えばマックス・ウェーバー。
    世界史専攻だったんで、一問一答式にこの組み合わせは覚えました。それがなんなのかは知りませんし、当時から知る気もなかったと思います。
    ただ、なんか予期せぬところでこの単語と出会い、その度に、ところでこの本なんなの?と思ってました。良さげなの見つけて読んでみました。


    感想。結構面白い。でも前提知識が足りず、この本について語れるほどのモノは身に付けられず。あんま宗教のこと考えたことないし。一つ教養が身に付いたかも。

    概要。
    間違ったこと書いてたらごめんなさい。あくまでも私が読み取ったことです。

    まとめると、キリスト

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    2012年01月29日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    やっぱり、武士道と併せて読むのはかなり面白い。武士道と封建制、プロテスタントと資本主義という対比。資本主義の行き着く先としての末人というのには、ドキッとさせられた。まさに今です。

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    2011年08月31日
  • ヴェルサイユ条約 マックス・ウェーバーとドイツの講和

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    第一次世界大戦は、アメリカの参戦とドイツ帝国の崩壊を経て休戦が成立し、パリ講和会議が開かれる。
    だが、「十四箇条」に基づく「公正な講和」を求めるドイツ、「国際連盟」による世界秩序の再編を目指すアメリカ大統領ウィルソン、そして英仏の連合国首脳の思惑には大きな隔たりがあった。
    それまでの講和のルールになかった「戦争責任」をドイツに求めるべきなのか。
    人類初の世界戦争の終結をめぐる息詰まる駆引を描く。

    [ 目次 ]
    序章 問題の所在
    1章 アメリカの参戦とウィルソンの講和構想
    2章 ドイツ帝国政府の講和戦略
    3章 革命から講和会議へ
    4章 講和問題とウェーバー
    5章 講和条件案の形成

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    2011年04月03日
  • マックス・ウェーバー入門

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    『プロ倫』をようやくの思いで読み上げて、ウェーバーについてもっと知りたくなった。
    この本は、「そもそもウェーバーって何ぞや?」という点で考えをまとめるのに役立つ一冊だと思います。

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    2009年10月04日
  • ヴェルサイユ条約 マックス・ウェーバーとドイツの講和

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    難しい。国と国との思惑が交差する感じがすごかった。
    ヴェルサイユ条約なんてうっすらとしか理解できてなかったのですが、これならかなりわかります。
    けど固い。
    ずっと難しく、注釈も多くて何が何やら。
    一度じゃちょっと理解するのは難しいかと。

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    2009年10月04日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ヴェーバーのもっとも有名な著作である『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の入門的解説書です。

    すでに数多く刊行されている「プロ倫」の入門書と差別化する意図もあるのかもしれませんが、ニーチェやシュミットの議論との関係に触れ、また『古代ユダヤ教』へとヴェーバーの問題意識が発展していった経緯についても、立ち入った考察がなされています。

    山之内靖の『マックス・ヴェーバー入門』(1997年、岩波新書)では、ヴェーバーが「精神なき専門人、心情なき享楽人」と述べた社会批判を、ニーチェの「末人」に対する批判とかさねることで、ポストモダンふうのヴェーバー像を提示しました。これに対して本書では、山之

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    2025年07月31日
  • 精読 アレント『人間の条件』

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    精読とあるものの、アーレントの言葉をアーレントの言葉で解説している(つまり解説になってない)ところが多いように感じた。また、想定する読者像や執筆の経緯、著者と『人間の条件』(以下HC)との出会いといった、本書の立ち位置についての前置きがどこにもない。そのため、HCをこれから読む/すでに読んだ一般読者むけに噛み砕いて講義する入門書というより、著者自身のための読書ノートという印象を受けた。

    一方で、HCの引用時に牧野訳と志水訳の両方の参照ページを載せているのは親切。また、志水訳の誤りの指摘・修正も参考になった。

    【action をどう訳すか問題】

    ①志水訳 action「活動」; activ

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    2023年09月08日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    約100ページと言う制限のためか、抽象的な書き方が多く、具体例が少ないため何の事を言ってるのか分からず、読み切るのがしんどかった。先に同じテーマの「悪と全体主義(仲正昌樹)」を読んでなければ即死だった。要点はまとまっているのでしょうけど、私には、、、。頭がいい人のための入門書。

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    2023年08月02日
  • 精読 アレント『人間の条件』

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    原著訳本と並行して読んだ.
    この本の補足があったからこそ,原著訳本を読み進められた気がする…が,難しい!
    高校の時以来のアレントだったが,相変わらず…理解とは程遠かった気がする…

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    2023年05月04日
  • 今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢

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    「100分de名著」ならぬ、「100頁でハンナ・アーレント」という挑戦的な一冊。
    ハンナ・アーレントを100頁にまとめるというのは、なかなか難儀な挑戦だが、それでも「全体主義」というキーワードを中心に据えながら、できるだけ簡潔にまとめようという著者の意図は伺えた。またこの挑戦はある程度奏功しているように思われた。

    ただ強いて言えば、展開される議論の全体における位置づけが不明瞭に感じられる所があったり、(これは著者の文体の癖かもしれないが)「〜ではない」といった否定語で議論を進めている箇所が散見され、これが読みにくくさせているように思われた。全体のマップを示しつつ、思い切って肯定文体で踏み込ん

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    2023年01月05日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ネタバレ

    マックス・ウェーバーの書を、その時代などの背景から解説している。なぜプロテスタントが資本主義の精神を持ち合わせていたか(救済されているという確信を持つため)については面白かった。
    ニーチェとの共通点にも触れられており、個人的に嬉しかった。
    前半は面白く読めたが、後半は難しく理解を諦めた箇所が多々あり、機会があれば再チャレンジしたい。

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    2020年09月06日
  • 精読 アレント『全体主義の起源』

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    だいぶ理解できたような気にはさせてくれたけど、まだまだ難しいな。
    要素、要素は分かるけど、「なぜ国民全員が良心を失ったの? 」に一言でこたえられない(一言で答える必要があるわけじゃないけど)。いろんな理由があるのは分かってきたような気はするけど、まだ相対化できないや。
    だけど、この本は丁寧な書き方なんだと思う。

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    2018年06月06日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    欧米人の基盤というか本質を為す環境の理解が深まる。キリスト教、ユダヤ人という存在の大きさを改めてわかった。
    西洋思想、西洋史はなんとも理解しずらいとずっと思っていた。明らかに根幹が異なっており、表面的なことを教わっても本質が見えてくることは無かった。本書ではその点に資本主義、キリスト教、哲学の面から切り込んでいる。
    特に欧米では、過去を批判し、言い換えることで歴史は進んできたが、結局は根っこは変わっていない。明らかに見た目も違う多様性を持った人達が集まる欧米では、集団の形成や離散は頻繁に起こる。その際にその理由を宗教や哲学に求めているようにも見える。
    こらまでは、その切り口についての知識がなく

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    2014年12月23日
  • ヴェルサイユ条約 マックス・ウェーバーとドイツの講和

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    第一次世界大戦を振り返りつつ
    講和条約であるヴェルサイユ条約が受諾されるまでを、
    ウェーバーの思想とともに記した一冊。
    当時のドイツ国内事情に関する基礎知識を欠く自分にはいささか難しく、
    また頻繁に注釈が文中に差し挟まれる文体が肌に合わないこともあって、
    内容の理解は困難であった。
    とはいえヴェルサイユ条約受諾までの大筋に触れ、
    また受諾に至る葛藤を知ることができ、面白かった。
    本書の趣旨とは異なるが、日本におけるポツダム宣言受諾との
    性質の差について、興味が湧いた。

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    2013年05月18日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解説というスタンスで出版されているが、内容は濃い。

    「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を分解するにあたって、プロテスタントに関する歴史解釈が非常に興味深かった。
    少々長いが、以下は引用。

    「ローマ・カトリック教会の伝統を打破する宗教改革の試みはルターに始まって、カルヴァンや禁欲諸教派の「宗教」によって徹底されて、これはやがて宗教・教会だけではなく政治体制そのものの変革に結実する。
    イギリスのピューリタン革命から名誉革命、フランスの大革命はその実現であったという理解はわれわれヨーロッパ史・世界史の常識的な理解とも対応します。
    これに

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    2012年11月03日
  • 新書で名著をモノにする 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

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    ウェーバーのプロ倫かと思っていたら、その解説書だった。しかも、さほど分かりやすくもなかった…orz

    資本主義の起源というより、プロテスタンティズムを中心とする宗教の話が大半だった。
    ウェーバーをマルクス、ニーチェ、シュミットとの関連の中で語った部分は面白かった気がするが、あまり頭に残ってない上に、他はよく分からなかった印象。
    これは本物のプロ倫を読むべきか…。

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    2012年02月22日