牧野雅彦のレビュー一覧
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ポピュリズムやアイデンティティ・ポリティクスに関する議論で言及されることの多い、カール・シュミットについての中級向け概説書。
政治思想史で扱われる、議会制や自由主義への批判、独裁論、「友−敵」論などについて、正面きって解説しないことが特徴的。
シュミットが意識していた論者や執筆時の政治情勢を取り上...続きを読むPosted by ブクログ -
非常に面白いし分かりやすい。
原本(翻訳版)が厚くて読む気がしなかったのでこちらを。
経済も元をたどれば哲学とか宗教に基づく、
というのがすっきり入ってきた。
これ読んでから日本史を勉強し直すと色々気付けそう。Posted by ブクログ -
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と言えばマックス・ウェーバー。
世界史専攻だったんで、一問一答式にこの組み合わせは覚えました。それがなんなのかは知りませんし、当時から知る気もなかったと思います。
ただ、なんか予期せぬところでこの単語と出会い、その度に、ところでこの本なんなの?と思ってま...続きを読むPosted by ブクログ -
マックス・ウェーバーの入門書。著者は「あとがき」で、本書のタイトルが岩波新書から出ている山之内靖の本と同じであることについて、「山之内氏が左を向けば右をというかたちで違った方向を追求することになり、結果としては対照的な、ところによっては正反対のウェーバー像にいきつくことになった」と述べている。山之内...続きを読むPosted by ブクログ
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やっぱり、武士道と併せて読むのはかなり面白い。武士道と封建制、プロテスタントと資本主義という対比。資本主義の行き着く先としての末人というのには、ドキッとさせられた。まさに今です。Posted by ブクログ
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[ 内容 ]
第一次世界大戦は、アメリカの参戦とドイツ帝国の崩壊を経て休戦が成立し、パリ講和会議が開かれる。
だが、「十四箇条」に基づく「公正な講和」を求めるドイツ、「国際連盟」による世界秩序の再編を目指すアメリカ大統領ウィルソン、そして英仏の連合国首脳の思惑には大きな隔たりがあった。
それまでの講...続きを読むPosted by ブクログ -
『プロ倫』をようやくの思いで読み上げて、ウェーバーについてもっと知りたくなった。
この本は、「そもそもウェーバーって何ぞや?」という点で考えをまとめるのに役立つ一冊だと思います。Posted by ブクログ -
難しい。国と国との思惑が交差する感じがすごかった。
ヴェルサイユ条約なんてうっすらとしか理解できてなかったのですが、これならかなりわかります。
けど固い。
ずっと難しく、注釈も多くて何が何やら。
一度じゃちょっと理解するのは難しいかと。Posted by ブクログ -
精読とあるものの、アーレントの言葉をアーレントの言葉で解説している(つまり解説になってない)ところが多いように感じた。また、想定する読者像や執筆の経緯、著者と『人間の条件』(以下HC)との出会いといった、本書の立ち位置についての前置きがどこにもない。そのため、HCをこれから読む/すでに読んだ一般読者...続きを読むPosted by ブクログ
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約100ページと言う制限のためか、抽象的な書き方が多く、具体例が少ないため何の事を言ってるのか分からず、読み切るのがしんどかった。先に同じテーマの「悪と全体主義(仲正昌樹)」を読んでなければ即死だった。要点はまとまっているのでしょうけど、私には、、、。頭がいい人のための入門書。Posted by ブクログ
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原著訳本と並行して読んだ.
この本の補足があったからこそ,原著訳本を読み進められた気がする…が,難しい!
高校の時以来のアレントだったが,相変わらず…理解とは程遠かった気がする…Posted by ブクログ -
「100分de名著」ならぬ、「100頁でハンナ・アーレント」という挑戦的な一冊。
ハンナ・アーレントを100頁にまとめるというのは、なかなか難儀な挑戦だが、それでも「全体主義」というキーワードを中心に据えながら、できるだけ簡潔にまとめようという著者の意図は伺えた。またこの挑戦はある程度奏功しているよ...続きを読むPosted by ブクログ -
マックス・ウェーバーの書を、その時代などの背景から解説している。なぜプロテスタントが資本主義の精神を持ち合わせていたか(救済されているという確信を持つため)については面白かった。
ニーチェとの共通点にも触れられており、個人的に嬉しかった。
前半は面白く読めたが、後半は難しく理解を諦めた箇所が多々あり...続きを読むPosted by ブクログ -
だいぶ理解できたような気にはさせてくれたけど、まだまだ難しいな。
要素、要素は分かるけど、「なぜ国民全員が良心を失ったの? 」に一言でこたえられない(一言で答える必要があるわけじゃないけど)。いろんな理由があるのは分かってきたような気はするけど、まだ相対化できないや。
だけど、この本は丁寧な書き方な...続きを読むPosted by ブクログ -
欧米人の基盤というか本質を為す環境の理解が深まる。キリスト教、ユダヤ人という存在の大きさを改めてわかった。
西洋思想、西洋史はなんとも理解しずらいとずっと思っていた。明らかに根幹が異なっており、表面的なことを教わっても本質が見えてくることは無かった。本書ではその点に資本主義、キリスト教、哲学の面から...続きを読むPosted by ブクログ -
第一次世界大戦を振り返りつつ
講和条約であるヴェルサイユ条約が受諾されるまでを、
ウェーバーの思想とともに記した一冊。
当時のドイツ国内事情に関する基礎知識を欠く自分にはいささか難しく、
また頻繁に注釈が文中に差し挟まれる文体が肌に合わないこともあって、
内容の理解は困難であった。
とはいえヴェルサ...続きを読むPosted by ブクログ -
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解説というスタンスで出版されているが、内容は濃い。
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を分解するにあたって、プロテスタントに関する歴史解釈が非常に興味深かった。
少々長いが、以下は引用。
「ローマ・カトリック教会の伝統を打破する宗教改革...続きを読むPosted by ブクログ -
ウェーバーのプロ倫かと思っていたら、その解説書だった。しかも、さほど分かりやすくもなかった…orz
資本主義の起源というより、プロテスタンティズムを中心とする宗教の話が大半だった。
ウェーバーをマルクス、ニーチェ、シュミットとの関連の中で語った部分は面白かった気がするが、あまり頭に残ってない上に、...続きを読むPosted by ブクログ -
ウェーバーそのものの思想を叙述することよりも、ウェーバーの歴史的1と意義についてわかりやすく述べた本。ウェーバーを巡る評価や研究動向を知るには最適といえるのだろう。ウェーバー入門と名のつくのにウェーバーの著作からの引用が一つもないのも特徴、著者はテキストを正確に読み込むために長い引用文を使うことが多...続きを読むPosted by ブクログ