島宗理のレビュー一覧
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本書も「行動分析学」の本です。行動の原因を,心や性格に求めるのではなくて,行動と環境の関係に求めていく。その学問的な捉え方を,具体例を通して解説しています。「視考術」という創作語?が,なんとなくストンと腑に落ちる。
血液型性格判断がまことしやかに語られる日本の社会だが,科学的ではないはずのそのパターン化が人をして「合っているかも」と思わせるのはなぜなのか。これを視考すると,おもしろいことが発見できる。
また夫婦げんかの元になるあの批難するような言葉遣いと,無視するような態度がどうして起きるのか。視考術を使うと,面白いものが見えてくる。
とにかく,あの人はこんな性格だから,とか,いつ -
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行動分析学の課題分析に特に焦点を当てた書物。
「視考しようとする行動の先行事象と後続事象をできるだけたくさん書き出し、それぞれが行動にどのように影響するか考えていく」、というのはふだんでもかなり使えるアイディアのように思う。
視考しようとする行動の先行事象と後続事象をできるだけたくさん書き出し、それぞれが行動にどのように影響するか考えていく。
先行事象:テーマが起こるきっかけ
行動を増やしそうな後続事象には↑を、行動を減らしそうな事象には↓を、影響しなさそうなら―をつける。見当がつかない場合は?を。
随伴性、あくまで行動と環境変化との関係である。
行動は随伴性を知っているから生 -
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表題の問いに対して「ずばら」だから、とか「B型だから」という答えを返す人、必見の一冊。
行動分析学の入門書というのではなく、「行動分析学」を行う人がどのようなアプローチで物事を考えるのかを示した内容になっている。
基本的に分析というアプローチなので、人の行動の原理つまりブラックボックスの中身を解明するような方法論は採らない。単純にインプットとアウトプットを観察することによって、どのようなインプットでどんなアウトプットが出やすいのか、を注意深く観察し、仮説を立てる。
この手法であれば、問題に対する具体的な行動を考えやすくなるというメリットがある。「性格」を変えよう、という曖昧なものではなく -
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ネタバレ行動分析学の本で最初に読んだ本。面白かった。
この本を待ち合わせの時に読んでいたら、感じが悪いと言われたww
以下、抜粋
約束の時間に遅れるのは、「だらしない」でもなく「県民性」でもなく、約束の時間を守るために必要な行動を引き起こすの先行事象や強化する環境要因が欠如しているからかもしれない
場の雰囲気に関わらず自己主張してしまうのは、「B型」「積極性」のせいでなく、自己主張が希望が叶うことで強化され、友達の表情の微妙な変化が自己主張を抑制する先行事象にならなかった学習履歴が原因かもしれな
傘を忘れてしまうのは「うっかり」「加齢」のせいでなく、雨が上がって濡れる心配がないときに、傘の存 -
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「なぜ、そのように行動するのか」
その問いに対して「あの人はそういうひとだから」という個人攻撃がなされることは、よくあることだと思う。
しかし、本書ではそれを行動分析学を基にした『視考術』を用いて、論理的に解き明かしていく。
第4章では「なぜ人は災害から逃げ遅れるのか」といった問いに答えている。先日の大地震があった今、一読しておく価値があると思う。
教育、特に授業の発問づくりで使えそうだと思ったのが「行動内在的随伴性」です。これは他者が介在せず、行動に後続事象が自動的に続く随伴性を意味します。
人は、行動内在的随伴性で行動しているとき、自分の「意志」で楽しんで取り組んでいるように感じるそう -
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なぜ血液型で性格を判断するのか、何故風評被害が起こるのか、なぜ部屋を出る時電気を消し忘れるのか、なぜ宝クジを買うのか。
哲学っぽい身近な疑問に対する理屈の一つを理路整然と片付けてくれる。
行動分析学、というと堅苦しい感じがするが、この本はそんな感じもせずわかり易く書かれていた。
一番ナルホド、と思ったのは思うだけでポインタが動くマウスの仕組み。
なるほどね、と思うだけでもよし、自分や周りの人を対象に実践してみてもよし、行動を分析する事で何となくで片付けていた事に理屈がついて新しい面が見えると思う。
人間に対して興味がわいた。
まずは自分の事を分析してみたい。 -
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人はなぜ約束の時間に遅れるのか
人はなぜ約束の時間に遅れるのか、から始まり、今まで性格や県民性という、どちらかという個人の資質で片付けていた行動性向について、その行動を環境や行動を強化するであろう要因を探る事により原因を探る事を提唱する。
個人の責任ではなく、行動を強化する要因や弱化する要因により目的の行動を目指す事を可能にしようとする。
ほとんどの人が常識的に考えている事が実は真実ではないと気づかさせてくれる内容である。
自分も、自分の行動について、自分の能力や性格を言い訳にするのでなく、目標とする行動を強化するための環境づくりを目指していきたいと思う。 -
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「マナー低下問題の解決策の一つとしては、マナー違反にキレるおじいちゃんの無作為な配置が考えられるかもしれない」
まあランダムな方がいいんだよな。
「心」や「性格」という概念の問題についてもわかりやすく説明してくれている。
「視考術」はなんか「透視術」みたいだし単純だしでダサかっこいい。しかしこれを身につけるのはいろいろと役立ちそうだ。
『ウォルデン・ツー』の世界は近いぜ。(実は読んでないけど)
モンティホール問題を行動随伴性から説明するのもよい。
「最初からすべて自分で考えさせるより、思考の例を示したほうがよい」p. 190
まあとりあえず自分の行 -
Posted by ブクログ
ネタバレ考え方はおもしろかったし行動分析学を知るという点では意義深かった。しかし、この本を読んだだけで様々な他の案件に応用するのは難しい。
それと2010年出版なので災害等の実例が古くなってしまっている。また、トンデモなことが明らかになっている「江戸しぐさ」が取り上げられていることも今となっては好ましくない。
人は、なぜ約束の時間に遅れるのか?
「だらしない」でもなく「県民性」でもなく、時間を守って良かったという成功体験の欠如だけである。著者はこれを随伴性と呼んでいる。
人は、なぜ血液型で性格を判断しようとするのか?
誤りなのに血液型と性格との間に関係があると信じている日本人が多い。
人は、な