島宗理のレビュー一覧
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ネタバレ・行動分析学の創始者:B・F・スキナー(1904~1990)
・人の「心」の問題を理解したり、解決策を考えたりするためには、
-実は「心」以外の事柄に注目して分析すべきこと
-そのためには視考術という方法で、さまざまな要因を広く、深く考えること
・言い換えれば、「心」の概念(属性、性格)の概念を使わずに人の「行動のなぜ」を読み解く方法を学ぶこと
・人は映画を観て「勇気」や「友情」に感動する。しかし、「勇気」や「友情」はあくまで解釈であり、実際には観客がそのような解釈や感情をもつように、ひとつひとつのシーンやストーリー展開、演技や大道具・小道具を組み立てなくてはならない。プロの仕事は、感動や -
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タイトルから惹かれてしまった一冊。
ミスにつながらないようにするための心がけを説くだけでなく、その行動や思考の前後に、その原因をとらえ、その行動変容につながる仕組みの必要性を解説する、興味深い内容でした。
そのために、行動分析学に基づく、思考術という手法により、行動を視える化することで原因を探っていきます。具体的には、約束の時間に遅れる、血液型による性格判断、傘の置き忘れ、ケータイマナーを取り上げ、図解しながら問題点を探っていく内容は非常に面白い。
▼人や人の行動の問題の原因を、私たちは人の中にある「何か」(心、感情、認知、性格、脳、遺伝子など)に求める傾向がある。行動分析学の面白さは、人 -
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行動分析学の類書(新書の入門書)と比較すると、題材や応用例を教育(特に発達障害)に絞っていないため取っ付きやすい。タイトルにもある「人は、なぜ約束の時間に遅れるのか」もその一つ。サラリーマンが仕事に応用しやすいのも本書。読みながら「トヨタ流のなぜなぜ分析に行動分析学、心理学の側面から妥当性裏付けを与えている」と感じた。
一方で、独自の概念化が必ずしも分かりやすさにつながっていない。特に「視考術」は、思考ツールとして分かりにくい上に、メソッドとして固まっていないためにダメな分析のまま考察を進めても本人が気づいて直す手がかりがない。
著者による分析事例はなるほど見事だが、いざ自分でやろうとすると手 -
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行動分析学入門。ABCをより自由に描くことにより人間の行動と随伴する環境との環境を可視化し(本書では視考術と読んでいる),行動の原因を内的で測定が難しいもの以外にもあるという考え方を紹介する。個人攻撃の罠から脱する批判的思考につながる。
成績がいいのはあの人が優秀だから
部屋がきれいなのはあの人が几帳面な性格だから
人の名前を覚えるのが苦手なのはもともと記憶力が低いから
よく使うもっともらしい原因が本当に原因なのかを考察する。
P.219自分とは行動を決める主体ではない。なぜなら,行動を決めるのは,遺伝的要因も含んだ過去と現在の随伴性だからだ。
P.221行動が消去されると攻撃行動が -
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行動分析学
視考術
行動の原因を「県民性」や「国民性」のような「心」の概念ではなく、行動と先行事象や後続事象との関係性から説明すること
行動随伴性
行動と環境との相互的、機能的な関係性を表す(スキナー)
「〜のとき(先行事象)〜すれば(行動)〜になる(後続事象)」という関係性
行動のなぜを考えるとき。この行動随伴性を視覚化していく
強化・弱化
人が同じ過ちを繰り返す理由は、そこにそのような随伴性があるからと考える
般化
ある場面で学習した行動を、他の似た場面でも自発するようになること
問題の原因のすべてをひっくるめて「道徳心の崩壊」のせいにしている限りはなかなか見えてこない。「行動