レーニンのレビュー一覧

  • 帝国主義論

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    社会主義関係の本といえば、マルクスにしろ、エンゲルスにしろ、とても難しくて、とても読みにくい。
    用語が難解なこともあるけれども、なんだかこれらの本には、現代史上の思想的・政治的格闘による怨念がとりついているようで、おどろおどろしいところがある。

    ロシア革命の立役者であるレーニンの書物も、もちろんそんな中の一つ。
    有名な「帝国主義論」だから、読むには心してかからなければならない。

    社会主義関係の本に共通なのは、本文が始まる前の「序文」がやたらと長くて煩雑なことで、「フランス語版への序文」とか「ドイツ語版への序文」だとか、「第1版への序文」とか「第2版への序文」とか「第3版への序文」とかいっぱ

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    2017年12月09日
  • 帝国主義論

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    [なれの果てに]ロシア革命において主導的な役割を果たしたウラジーミル・レーニンが、第一次世界大戦中にチューリッヒにおいて脱稿した著作。資本主義が高度に発達すると独占が必然的に起こり、それが即ち帝国主義となることを主張し、社会主義や帝国主義を考えるに当たり大きな影響を与えた作品です。訳者は、身構えることなく本書を手に取ってもらえる訳を目指したという角田安正。


    その使用に伴っては、常に何らかの政治的意図が見え隠れしてしまう「帝国主義」という言葉/考え方ですが、レーニンが喝破したその経済的な発生の仕組みには改めて注目する価値があるように思います。ソ連の崩壊に伴い、レーニンと言うといわゆる「過去の

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    2017年01月25日
  • 帝国主義論

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    当たり前のことを、わかりやすく書いてあります。
    ただ普段分かっているようなことでも、改めて気づかされるということがあります。なるほどそうだったのか!と思わせる文言もあります。

    マルクスの「資本論」が資本主義を徹底解明しているものであると同様、レーニンの「帝国主義論」は資本主義が成熟した帝国主義を徹底解明しているという本です。

    ところどころ、レーニンの独断と偏見があるような本でもあります。
    決して偏った本ではありません。

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    2009年10月04日
  • 帝国主義論

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     近代に誕生した資本主義は、形を変えて発展し続けて今でも存在する。レーニンがこの本で説いた「帝国主義」とは、金融の影響力が強まり、企業があらゆる面で独占したり、国内で余った資本を国外に輸出する資本主義である。そのため、産業資本主義のような自由競争はなされていないと言われる。このように、資本主義は発展するたびに、異なった性質を帯びるようになるのだが、本書がマルクス『資本論』では十分に考察されなかった「植民地」の記述が特徴的である。レーニンが生きた時代、日本を含む世界列強は、アジア・アフリカ地域をめぐって国同士が競争をした時代であった。この内容は第5〜7章にかけて考察されるが、ここで語られる内容は

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    2023年04月09日
  • 帝国主義論

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    ネタバレ

    この本は今からおよそ百年前に書かれている
    はずなのに、古臭さすら感じません。

    そして、自国が富めるものになるためには
    ただひたすらに外を侵略し、
    そこから金の元を取らなければいけない時代。

    そして富むものたちは…
    そう思うとこの制度って
    今の世界と全然変わりがないじゃないですのん。
    100年近くたっているのに変化がないです。

    植民地がなくなっただけ。
    そして金の元が変わっただけ…

    資本主義…当たり前の様に浸透している
    主義だけれどもそこには
    欠点があるものですね。
    それを著者が指摘していたことに驚き。

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    2014年01月31日
  • 帝国主義論

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    帝国主義とは、資本主義の独占段階のことである。
    さらに、1.生産と資本の集中、2.金融寡占が成立、3.資本輸出、4.資本家の国際独占団体が形成、5.列強による領土分割が完了、という五つの特徴を持つ。
    これは自由競争から始まる資本主義の向かう姿であり、結果として、列強による戦争は避けられるものではない。

    今となってみれば外れた指摘もあるが、資本主義の本質をつく鋭い考察が多い。

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    2012年08月13日
  • 帝国主義論

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    ネタバレ

    【まとめ】
     1860~1870年代、自由競争の支配する資本主義が驚異的な発達を遂げた。20世紀初頭、恐慌によって自由競争的な旧来の資本主義に代わって、生産と資本の集中化が徹底的に進む帝国主義が現れる。銀行は資本集中と取引高の増加を果たし、産業資本との融合を始め、実質的に産業に対する支配を強めた。帝国主義は資本主義が高度に発展した段階であり、金融資本が支配的となった体制である。従来の資本主義では商品の輸出が行なわれたのに対し、資本主義の最高の段階としての帝国主義では資本輸出が特徴となる。そこで大衆の生活は依然苦しい。しかし独占から生まれる莫大な過剰資本は、資本家の利益のため、後進国への資本輸出

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    2012年05月06日
  • 帝国主義論

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    勝手に政治関連の話だと思って読み始めてみたら、実際は経済の話だった。当時の帝国主義や資本主義に関してよく分析してあるので中々におもしろい。

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    2011年02月03日
  • 帝国主義論

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    レーニンによる資本主義の特殊段階としての帝国主義の分析、20世紀初頭に起こった金融資本による独占と、それにともなって起こる世界分割戦争が示されている。この書物はレーニンの時代における資本主義の分析であって、その国家像は示されていない。この点に関しては『国家と革命』を読む必要がある。

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    2009年10月07日