鈴木宏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全く興味を持って来なかった領域の読書ですが、作者の語り口に魅了され一日で読み終わりました。「やまと歌は、人の心を種として、よろずの言の葉とぞなれりける」という紀貫之の言葉から「こころ」「ことば」を組み合わせて「型」つくっていく、その「型」が日本人のメンタリティを生み出していく。国文学という地道な研究だけど、実はとってもディープな論を展開しているのではないか?と感じました。AIが急速に進展する今、「こころ」があるから「かたち」があるのではなく、「かたち」があるから「こころ」が育まれる、ってことと受け取りました。とにかく、作者の論理性に関心しました。
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Posted by ブクログ
一度に全ては理解できないような高度な深い内容。
何度も再読しながら、古今集の奥深さを理解していきたい、そんな作品。
古今集は現代人の私たちにとっても、創造性に満ちた興味深いもの、と著者は言う。決して古くさくない、と。
現代日本人の季節感や人生観のベースとなっているだろう、古今集。この本と巡り合ったことをきっかけにして、古今集そのものを読んでみたい。
古今集成立について、紀貫之のはたした役割が決定的である。彼は、和歌の収集、取捨選択、分類、配列。作業を通して、和歌とは何かを分析。並行して自作歌を据えている。
古今集の歌には〈型〉が存在する。自然を把握する〈型〉が人の心にかたちを与える、そ -
Posted by ブクログ
三大勅撰歌集と言われるが、私自身が万葉・新古今に比べて、あまり親しみがなかった。おそらく百人一首には最も多い数が出てくるはずではあるが…。正岡子規は古今集をそして編者の紀貫之を酷評していたらしい。しかし、それは伝統を破ろうとしない同時代の歌人への攻撃だった!貫之も古今も実は評価していたとは子規らしい。
なお、古今集の歌には6歌仙に見られるように一つの型(パターン)があり、百人一首に選ばれた歌と似た歌が多いことは驚くとともに、成程と納得できる面も多かった。
例えば「思ふには忍ぶることぞ負けにける色には出じと思ひしものを」(よみ人しらず)
「早春賦」「夢で逢えたら」などの現代歌謡に大江千里、壬生