うん、やっぱ、東村アキコ先生の『雪花の虎』とは違った、上杉謙信の魅力が、この『軍神ちゃんとよばないで』にはある
四コマ漫画で展開のテンポが早く、読みやすく、歴史の流れを理解しやすいってのも大きいが、何より、虎千代が怠惰な美少女ってのは新しイイ
「こんな歴史の真実が、もしかしたら、本当にあったかもしれ
...続きを読むない」、そう、読み手に思わせる度合いは、ある意味、こちらの方が強いと思う
東村先生のストーリーはレベルが高いと言うか、どこか、すんなり受け入れ辛い固さがあるからなぁ
この2巻では、ついに、日本史でも屈指の軍師と言っても過言じゃない、山本勘助が暗躍を始める
彼の策は、ものの見事にハマり、虎千代と晴景、兄妹の仲に亀裂が入ってしまう
このまま、最悪の兄妹喧嘩が開戦してしまうか、と思いきや、純粋に兄を慕っている虎千代の行動は、山本勘助ですら予想外だった
戦いはあっという間に終わるどころか、始まりもしなかった
そして、虎千代の思惑に反し、晴景は妹に家督を譲る決断までしてしまう
ただ、毎日、ダラダラ、適当に暮らせれば十分なのに、全く望んでいなかった覇道を着々と背中を押されながら歩いていってしまう上杉謙信虎千代
しかし、人生なんて、そんなものだ
大抵の災難は、あっちから勝手にやってきて、問答無用で巻き込んでくる
虎千代には、確かに武の才も、智の才もない。でも、ある種、群雄割拠、やらねばやられる時代を生き抜くのに、最も必要な才を兼ね備えている。彼女の天より与えられた能、それは事態を好転させるモノ、要するに幸運を引き寄せる力だ
確かに、彼女は自分で率先して動くような事はしない。楽をするための努力すらしない。なのに、虎千代を活かすように、窮地が引っ繰り返り、勝利や平和に向かって、とんとん拍子に進んでいく
そりゃ、軍神と讃えられても仕方ないよなぁ(笑)
兄・晴景との確執を避けられたと思ったら、今度は巨乳の価値を薄めちゃうほど、性格に難ありの姉・綾がしゃしゃり出てくる始末
虎千代の覇道は、まだまだ荒れそうだ
しっかし、この巻で、読み手に最も衝撃を与えたのは誰でもない、直江実綱殿だろうな
まだ誰も知らない、この時代を先取りしすぎた兜で、彼の子が有名になるなんてw
次の巻では、ついに甲斐の虎も姿を見せたりするんだろうか?
虎千代がこうだから、逆に、史実通りの性格なのかな
この台詞を引用に選んだのは、一巻で用いたのと同じく、どストレートに、虎千代の人となりを表現しきっているから。妹に慕われるなら、それはそれでイイが、こんな事を言われるくらいなら、いっそ毛嫌いされる方がマシやも