稲葉なおとのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作者の稲葉なおとさんは一級建築士であり、写真家としても活躍されている。B'Zの稲葉浩志さんのいとこにあたる方でもある。
本書は、親子のドライブと、彼らの心の交流を描いた
作品だ。
主人公の吉川士朗は写真家だ。以前、ホテルを題材にした作品で脚光を浴びたが、現在は雑誌関係の細かい仕事を淡々とこなしている。
ある日、知り合いの雑誌編集長から依頼を受け、アメリカ・フロリダの紀行写真を撮影することになる。士朗は、小学二年生の息子・登士と共に旅立つ。
旅行中、志朗は登士の言動に振り回され、写真家としての仕事に没頭できず、苛々を募らせる。そして、そんな自分をかすかに嫌悪し、反省する。
登士のほうは -
Posted by ブクログ
一言、おすすめです。
それだけじゃ読んでいただけないかと思うので
というかもっと語りたいのでやっぱり一言では終わりませんが。
写真家である父親と小学生の息子のロードストーリー。
舞台がアメリカということで、なんとなく興醒め感(ありふれてるから)がありつつ
手にとったのですが、いやはやそんなことを考えたことを反省。
この父親がね、いわゆる「普通の人間」なんですよ。
頼りになるパパ(ヒーロータイプ)でもなく、ダメダメ人間(アウトロータイプ)でもなく
仕事に対して焦りを感じ、その焦りから軽率な行動を起こすこともある
「失敗する大人」。
そして子供も「出来杉くん」でもなく「のび太」でもない