吉本由美のレビュー一覧
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3人組の紀行文です。それで東京するめクラブ、メンバーは村上春樹さんを隊長として伝説のスタイリストと言われる吉本由美さんとアートデザインの編集の鬼才、都築響一さん。 題名がずっこけているので想像するに難くありませんが、するめクラブの名前の由来は「大したもんじゃないけどくちゃくちゃ噛んでいるうちにそれなりに味が出てくるのでは・・」という趣意です。
さて彼らの行先は名古屋や熱海、江ノ島、海外なら ハワイやサハリンであるから何故?がつきまといます。 普通の観光名所巡りではなく、彼らなりに面白い変なところを選んで見て歩くのです。 名物の食べ物やお店などの紹介がところどころ写真入りで載っているから行った -
Posted by ブクログ
なかなか良かった かつて、「スタイリスト」としての吉本由美さんのお名前を雑誌でよく拝見していた。
いつも見る名前だなぁと思っていた。
それが突然、スタイリストとしての名が消え、文章を書かれるようになり、若かった私は非常に傲慢に「面白くなさそう」と決めつけた。
あれから何十年経ったのだろうか。
吉本さんも歳をとり、私もまた歳を取った。
彼女の、東京での暮らしと熊本に帰ってからの暮らしを綴ったこの半自伝的エッセイは非常に面白く、共感し、なるほどと深く頷くことになる。
吉本さん、面白くなさそうなんで決めつけてすみませんでした。
これから御著をたくさん読みます!! -
Posted by ブクログ
文春文庫 東京するめクラブ 「 地球のはぐれ方 」 村上春樹 吉本由美 都築響一
村上春樹のサハリン旅行記は 文学者の目線で とても面白い。完成度が高いが、何かの作品の材料になったのか?
「初期のサハリンは〜ワイルドな場所〜ロシア人にとって物理的な辺境であるばかりでなく、心理的な辺境でもあった」
「北海道が艱難辛苦を乗り越えて発展した屯田兵的性格を残した開拓地だとしたら、サハリンは荒々しさと絶望に彩られた流刑地的性格を残した開拓地と言える」
「そこはとても素敵な世界の端っこである〜自分の身体の中のスイッチみたいなものを切り、その静けさの中心に心を溶け込ませる。そこはとても安らかな -
Posted by ブクログ
18歳から東京に出て
がむしゃらに働いて、素敵なインテリアや人に囲まれて暮らしていたのだろうなぁたいうことを想像した。
羨ましかった。
でも、そこから帰郷してふるさと熊本での暮らし。
華やかな世界からのんびりと。しかも、60になってから。その勇気に感銘を受けた。
私もいくつになっても新しいとこに行き、そこで暮らし、生活を楽しめるかなぁって思った。
老後の一人暮らしについて書かれていた
豊かというまでもいかなくても、ちょっとは面白味があるものになるかは、自分の人生をどう終わらせるかを企画し、演出するかの気力によるっていう言葉が心に刺さった。
先もちょっとイメージして、今を生きられるようにしたい