山口栄一のレビュー一覧
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以前から物理学者とか数学者に関連する場所を尋ねることが多く、ボーアの生まれた家とかアインシュタインがベルンで住んでいた家などを
尋ねたことがあるが、墓を尋ねることは珍しかった。唯一の例外はウェストミニスター寺院とモスクワのランダウの墓。
しかし、この本を読んでこれからは積極的に偉人の墓を訪ね...続きを読む -
硬軟織り交ぜた読ませる内容。リーゼ・マイトナーの章にはくるものがあった。氏の存在すら知らなかった・・。また、多磨霊園に訪れたくなった。湯川氏のエッセイは非常に面白い、というので何か探して読んでみたくもなった(授業は難解だったそうだが)。
20世紀初頭の物理学の各種革命により、世界観は変わった。量...続きを読むPosted by ブクログ -
イノベーションですっかり遅れをとってしまった日本、その原因を色々な切り口から分析しています。終始一貫しているのは、日本でイノベーションの機運が衰退しているのは、日本人のメンタリティや日本企業の文化などよりも、構造的・制度的な点を強調して指摘している点。シャープが生産技術至上主義&基礎研究軽視によりい...続きを読むPosted by ブクログ
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SBIR制度の話を聞いて,米国の税金の使い方が巧みであることが分かったが,日本で同様な制度を構築するのは各方面からの抵抗が大きいと予測される.特に大企業から.馬の骨のような奴に国の予算を配分するといった芸当はできないだろう.官僚たちの天下り先がなくなるのだから.やる気のある若者がサイエンス型ベンチャ...続きを読むPosted by ブクログ
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物理学者が物理学者の墓を訪ねる。すごくわかるような、なんでそういう人でも墓なの、というか。ともかく学問の先達に対する敬意がゆっくりと伝わってくる。物理が好きじゃない私にも。Posted by ブクログ
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日本発信の科学技術のイノベーションが少なくなって久しい。その理由を最近のシャープなどの事例や科学技術がどのようにして発展するかの持論を展開している本。
1章では、中央研究所崩壊からイノベーションをするような場が日本から消えてしまった、「目利き」の存在がいないことを理由としている。
2章では、元は...続きを読むPosted by ブクログ -
第5章まで読んできて、第6章のイノベーション・ダイヤグラムを見た.5つの物理学を演繹、帰納、創発、(deduction, induction, abduction)でまとめているが、非常に素晴らしい.創発の重要性が良く分かった.文科省の政策は演繹ばかりにこだわって、当面のアウトプットだけを考えている...続きを読むPosted by ブクログ
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クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の対論としての位置づけもあり、その視点で注目されているが、元々の論拠に大変納得ができる点が多い。
実際にこの本を書かれたのは少し前だが、政権交代を迎えた現在の日本の問題点を予測したかのような問題提起もされている。しかも理系的で緻密な視点で。
是非とも日...続きを読むPosted by ブクログ -
イノベーションを目指す会社は大きくなってはいけない。
それでも大きくなりたいならフラットな組織が前提になるが、会社組織運営は時代の要請でどんどん複雑化し、もはやフラットではいられない。
会社の枠を飛び越えた活動こそ、イノベーションを生み出す。Posted by ブクログ -
著者の書きたかったことは、最後の第6章「科学はいかにして創られたか」の部分。第6章まで読み進むと、第5章までは、著者考案の”イノベーション・ダイアグラム”を説明するための、事例集だったことに気が付く。本の構成として?
とは言え、第5章までの内容は十分楽しめる。
完成された物理学を知識として知っている...続きを読むPosted by ブクログ -
イノベーションと盛んに叫ばれるが、日本から失われてしまった科学的な思考とそれを育てて発揮する場をどうにかせんことには、上っ面の見えてる技術をこね回したところで仕方ない。
・シャープの没落から見る登った山から降りられない既存知識に頼った組織の弱さ
・米国SBIRの成功という科学見識の高い政府組織の価値...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルは仰々しいが、物理史(というか科学史)を語っただけの一冊。ただ…タイトル負けは全然してない。
物理学の重要分野を作った(と言ってもいい)人物に注目し、物理学を語る。このコンセプト自体は最近の教科書でも一般的な流れで特筆する必要はない。
この本の面白いところは、そんな注目すべき人物がポジテ...続きを読むPosted by ブクログ -
万有引力の法則、ボルツマンの統計力学、プランクのエネルギー量子仮説、相対性理論、量子力学
これら5つについての解説本かと思いきや、内容はそれに留まらず。
記述の内容は、当時の歴史的背景や、偉人たちの生い立ちにまで及びます。
最後の第6章「科学はいかにして創られたか」の部分では、イノベーションに関して...続きを読むPosted by ブクログ -
日本社会、企業が科学技術をどうみなし関わってきたかが分かりやすく解説されている。アメリカとの制度的、およびその背景にある考え方の違いが興味深い。学問の関わりを示す「分野地図」は覚えておきたいと思う図。原発事故等の個別の案件からの詳しい掘り下げも。Posted by ブクログ
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今後の日本の技術衰退(予想)が具体的にどこに問題があって起こりうるのか、非常に興味深く読むことができた。Posted by ブクログ
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日本のイノベーションが途絶えた理由を具体的な事例検証も交えながら分析し、どうしていくべきかの提言までをまとめた一冊。表に見えている特定ジャンルの知の進化に邁進するだけではだめ。土壌の中で常に知の探索を進めていくことが重要。また、探索を探索で終わらせず、具体的な形にしていく支援の仕組みをもっと作ってい...続きを読むPosted by ブクログ
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『イノベーションはなぜ途絶えたか』というタイトルで、電機メーカーの世界的地位の凋落やインターネットの世界で日本発のイノベーションがほとんど見られなかったことについての分析と今後に対する著者からの提言をまとめたものである。著者は、東大で物理学の博士号を取得し、NTT基礎研究所に20年ほど勤務した後にフ...続きを読むPosted by ブクログ
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日本の大学、企業の学術論文数は90年代後半から激減。
特に物理学分野で顕著。
アメリカSBIR(スモール・ビジネス・イノベーション開発法)
政府の外部委託研究費の一定割合を拠出の法令化。
応募して採択されると3段階に賞金を授与される。
1.可能性の探索競争:15万ドル
2.具体的にビジ...続きを読むPosted by ブクログ -
科学者が、日本の技術の衰退の原因を説く。シャープのこと、原発のこともこういう科学者の視点でみればよく分かる。Posted by ブクログ