浅井真男のレビュー一覧

  • 悲劇の誕生:あるいはギリシア精神と悲観論

    Posted by ブクログ

    『悲劇の誕生』というと岩波文庫のものが最も読まれていると思いますが、再読したいと思うぐらいに気に入ったら、絶対こっちを読んだ方が良いと思います。
    訳者(浅井真男)あとがき、解説(納富信留)ともに超コンパクトだけど、なかなか良いです。
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    ニーチェは若い頃に代表作を訳も分からずひと通り読んだものの、何度も読みたくなるのは、この『悲劇の誕生』だったりします。
    最初の著書にはその後の全てが詰め込まれているから…ではなく、まだ、やぶれかぶれじゃない感じのニーチェに会えるので。
    超人思想も良いけど、その前段階で格闘する本書のニーチェが僕は特に好きです。
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    ダイモンの「最善のことは、⋯⋯生まれなかったこと、存在しないこと、無であることだ。⋯⋯次善のことは早く死ぬことだ。」という言葉は、まるで反出生主義的の起源みたいに聞こえます。
    この絶望を克服するのがギリシア悲劇で、その起源を探究するのが『悲劇の誕生』の目的といいます。
    かの有名な「アポロ的/ディオニソス的」という構図(二元論ではないです)も、その目的から要請されたもの。
    ところで、本書の解説でもそれとなく書かれているように、「起源の探究」はそもそも不可能で、悲劇の「再誕生」(ワーグナー等)への期待に支えられた試みにしかなり得ません。
    果たしてニーチェはそれを自覚していたのか、していなかったのか、気になるところです。







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    2026年05月02日