六冬和生のレビュー一覧
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ネタバレ受験を目指す女子高生とその家庭教師の男子大学生。模試の結果をもって松本城天守閣にきた際、天守閣崩落の事故に出会い、女子高生は豊作の神様、家庭教師は松本藩士として、江戸時代初頭飢饉の松本藩にタイムスリップしてしまう…。
歴史改編と転生を繰り返す系のSF小説。転生から現代に帰ってこれるのか?ってのがメインテーマ。「君の名は」になれないのは扱っている事件の悲劇性やとおもう。飢饉と百姓一揆と打ち首獄門では「はーいリセットやり直し」は辛いよなぁ。
でも、思っていたより時間SFと歴史改編が上手くミックスしていて良作。
信州特有の方言が少々分かりにくかったのは読者側の努力不足。 -
Posted by ブクログ
主人公の巾上は信州大学の大学生。女子高生の千曲の家庭教師をしている。松本城が地震で倒壊するタイミングで江戸時代にタイムスリップ。貞享騒動の最中に放り込まれる。このようなことが起こった理由は突飛なものだが、エンタテインメント小説なので、これはこれでよかろう。タイムスリップとは別のパラレルワールドや高次元時空の世界も想像させる。細かいところを突っ込めばいろいろ言えるのだが、本作品はそんな小難しいことを気にせずに、素直に楽しむのがよい。自分が巾上になったつもりで物語にのめり込もう。残念なのは、千曲が意外と活躍していないことくらい。もっと二人の掛け合いを読みたかった。
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Posted by ブクログ
探査船に積まれたAIが、自身が人間だった頃の過食症の恋人の幻影に悩まされながら、数万年に渡り宇宙を漂うお話。他愛のない日常の記憶とハードSFな展開が交錯する様は、一人セカイ系とでも言えましょうか。システム用語や量子論的概念が何の注釈も無しに乱れ飛ぶあたり読む人を選びますが、一人称の軽妙な語り口はラノベのような敷居の低さがあり、引き込まれます。
また、主人公がヒマつぶしと称して繰り出すあれやこれやはAIや探査機の概念をとっくに凌駕していて、「そんなことやっちゃうんかい」と、翻弄されつつもツッコミを入れながら読んでしまいました。
妙な感慨深さと切なさと恐怖の入り混じった読後感は、さながら良質のホラ -
Posted by ブクログ
ネタバレみずは無間
ハードSFと恋人との日常がかわりばんこに出てくるアンバランスが特長の小説です。
再開されたハヤカワSF大賞の最初の受賞作。
透とみずはは大学院生と大学生の恋人。あらゆる場面で食い意地がはっていて、何事にも依存するみずはに透はうんざりしながらも、別れるわけでもなくだらだらと現状維持をしている。
無人探査機のAIとなった透の独り語りでみずはとの想い出が語られる一方で、壮大な宇宙空間で時間を持て余した透のAIは自分の中のある部分を抽出して、宇宙にばらまくことを考える。
自己学習するAIが強大になるって、スタートレックであったなあ・・・などと思いながら、AIはそれをはるかに超えて、多次元