溝渕利明のレビュー一覧
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鉄筋コンクリートなしではインフラは成り立たないが高度成長期に作られた構造物が築50年を超え始めている。圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋、しかもコンクリートそのものが鉄をさびから防ぐという素晴らしい組み合わせだが、それでも老朽化は進む。最新のものでは鉄筋に錆び止めのコーティングを施し耐久性を大きく増しているそうだが既にある構造物は老朽化診断をされていないものが多い。
日本の橋梁は約15万あり内4万1千は1970年代までに作られた。東海道新幹線は東京ー大阪間515kmのうちコンクリート橋が148km、鉄橋が22km、トンネルが70kmありこれらを会わせると延長のほぼ半分に当たる。JRは -
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コンクリート工学の専門家による入門書。
現代において様々な構造物にコンクリートが使われているが、どのような材料なのか知らない事が多い。この本では、コンクリートの歴史、性質、工法などを簡潔に紹介し、現状の問題点と今後の対応について提言を行う。
コンクリートは、日本中のどこにでもある当たり前の材料で、普段はあまり気にしたことが無い。しかし、最近メンテナンス不備による事故(トンネルや橋の崩落等)や、海外での建物の倒壊の話をよく聞くようになった。鉄筋コンクリートの構造物は堅牢なイメージがあるが、実は中性化やアリカリシリカ反応、塩害などの病気がある。人間と同じく時間の経過と共に劣化していき、ある時点で壊 -
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コンクリートは永遠のものではなく、放っておいたら壊れるのだ。
笹子トンネルの天井崩落事故以降、高速道路のトンネル点検の場面にたびたび遭遇した。そう、コンクリートには点検が必要なのである。
建物・構造物が完成するまでの工事保険はあっても、人間の生命保険に相当するような保険がない。けれどコンクリートも病気になる。「塩のとりすぎ」も体に悪い。健診を怠れば、病魔は深刻なところまで進む。けれど、保険がない(資金の手当がない)から、なおせない。これが現在のコンクリート建造物の実情である。笹子トンネルの件は、大きく報じられて国が動いたが、橋やらビルやら下水管やら、コンクリートで出来た古いものは沢