川人博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ過労自殺 第二版 (岩波新書) 新書 – 2014/7/19
人員と時間に余裕のある職場つくりが必要である
2015年9月19日記述
川人博さんによる著作。
我が国における過労自殺について、これほどよくまとまった本は無いと思う。
勤務問題が原因・動機と思われる自殺は年間約2500件もあるのだ。
第一章の事例から・・大変生々しい悪質な労働実態が明らかにされる。
可能ならそれぞれ亡くなった方の事を更に深く掘り下げて知りたいくらいだ。
また本章では勤務先を明らかにしている。
類似書でも肝心な企業名をぼかすものが多い中、本書の勇気を高く評価したい。
新興プランテック株式会社
株式会社富士通ソー -
Posted by ブクログ
自分の今ある労働のあり方と似た事例もあり、その生活の末に自死に至るのか、ギリギリ心身の状態で歯車となって働き続けるのか…どちらにしても本望ではなく、これから自分はどうあるべきかを考えさせられました。
仕事上の悩みは、決して家族に明かしたところで幸せな気持ちには導く話題とはならず、タブーとされることの一つであったりします。もちろん、同じ職場で戦っている同士にもなかなか言い出せません。みんな余裕がなさそうだからです。そんなことも解決できないのか、と煩わしく思われ、自分の無力を感じるだけだから、いつも深刻な心の悩みをふと口にしたところで軽く受け流されます。
もう消えたいな、消えるには後始末をひと -
Posted by ブクログ
電通の新入社員の自殺の原因が「過労」であるとされて、労基署が電通本社に調査に入っていく・・・・。最近の衝撃的な映像であった。
本書に取り上げられる「過労自殺」の幾つかの事例。化学プラント工事監督者、システムエンジニア、金融機関の総合職、旅行会社中間管理職、製薬会社社員、外科医、教員・・・これらは、「過労自殺」が決してブラックな一部に存在するのではなく、僕らの日常に構造的に存在する、ということを示す。第一に資本主義のある意味本質的なことであるし(著者は野麦峠の悲劇を例示)、だから強制的にさまざまな規制で命を守っていかなければならないということを後半では提起される。第二に、強欲な消費者やモンス