山田圭一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分用読書メモ
フェイクの組み合わせ
【内容】嘘をつく、ミスリードを狙う
【意図】欺くことを意図、デタラメ(真実に関心がない)
デタラメは、pv数の増加やエンタメ性を狙う意図からフェイクを発信するため、内容が嘘か本当かに関心がない。それは嘘では無いか?と追求する議論の壇上に上がらずとも、チートのように発信できるため悪質。
嘘をつく動機
政治的な意図、経済的な意図、面白いことを発信したい
情報的依存:他人経由で情報にアクセス
認識的依存:入手した情報の正誤を自分で考える力
証言を信じる要素
一致性
誠実さ
能力条件
一致性:今までこの人は信頼にあたる言動をしてきたか現実では、その上で -
Posted by ブクログ
政治家たちが互いに「フェイクだ」と罵る応酬。
あるいは「選挙開票が操作された」という主張。
対岸の火事と思っていたけど、そうも言えなさそうな昨今。
本書を通して、フェイクニュースについて、考えるヒントを得たくて読むことにした。
哲学の研究者の本は、一つ一つ前提を明らかにしてくれるので、自分としては割と好きだ。
考えていなかった視座を知ることができたりする。
本書では、対面的なコミュニケーションの場面での条件を考察して、ではネット空間ではどうか、と話が展開する。
他人の証言を信じていいのか、噂を信じてはいけないのか、専門家を信じていいのか、そのうち誰を信じていいのか、マスメディアは信用できる -
Posted by ブクログ
20250727-0813 本書は2024年9月出版だが、これを読んでいる2025年7月現在、世間はフェイクニュースが当たり前のようにあるので、むしろその言葉を一時期より聞かなくなったような気がする。筆者は従来の知的権威の失墜を「知の民主化」というよりは「知のアナーキズム」ではないかという。その傾向は強まっているのではないか。
フェイクニュースはしばしば陰謀論と結びついていることも多い。陰謀論とに対抗するには、著者は3つの対処法があるという。反芻・暴露・教育を提示しているが、この中でも教育の重要性を筆者は説いている。ここで言う「教育」は情報教育のことではなく、より根本的な知的な徳の教育である。 -
Posted by ブクログ
まず個人的な印象として、件の兵庫県知事選挙の後に読んだので、その内容に戦慄すら覚えた。
また、"陰謀論"に囚われて抜け出せない人に関する記事等もちょうど最近目にすることが多かったので、そちらも実にタイムリー。
序章から極力平易な言葉遣いで鋭い考察を飛ばしている。
決して革新的で真新しい提唱が為されているというわけではないが、私たちが日常、虚実ない交ぜとなった情報過多社会に生きる中で、なんとなく感じ取っていた曖昧模糊とした焦燥や煩悶を一つ一つ拾い上げて明瞭に言語化し、説明してくれている。
フェイクニュースという言葉自体は比較的新しいものだが、ここで展開されている論法は、例え -
Posted by ブクログ
フェイクニュースという言葉を聞いたのは、2016年の米国大統領選挙の時のトランプ候補の発言だった記憶がある。インターネット時代で、真偽が分からないニュースが飛び交うようになっていた時代だからだと思うが、考えてみれば関東大震災の時の朝鮮人虐殺がそれによるものだったし、太平洋戦争における大本営発表もそうだった。昔から行われていたものだった。それがネット時代になるとともに、大きく注目を浴びたわけだ。しかしタイトル通り、フェイクニュースとは何ものなのか?必ずしも嘘ではなくても、真偽に拘らずに流すニュースが確かにあるし、その理由もさまざま。そして信じるとはどういうことか、噂は信じて良いのか、「専門家」は