本書は、題名の通り「色彩心理学」について述べられている内容です。
そして、入門と書いてありますが、結構詳細な部分まで述べられています。
このような内容に対しての書評は、素人には無理だと思いますので、重要な章だけ
要約していこうかと・・・長くなりますが(笑)。
第一章:ニュートンにおける光と色
色彩
...続きを読むの研究は、ニュートンを基礎とする。「色」は「認識」の問題であり、
色自体、自然界には存在しない。色の違いとは波長の違いであり、
様々な「物」は、その物特有の波長を反射する反射率がある。
第二章:ゲーテの「色彩論」と視覚の諸現象
色彩論は主観的考察であり、ニュートンを批判。基本は古来からの二項対立法を採用し
白と黒、明と暗、光と暗黒を基本とする。
第三章:化学者とドールトンと色覚異常研究
色覚異常者は、意外と多い。そして、異常という言葉自体不適切であり、
多数が正常で、小数が異常とう事はない。色の感じ方は、人それぞれであり、
万人にとって共通に理解できる色が重要。
第四章:ヤングーヘルムホルツの三色説
色は、3つだ。赤、緑、菫(青)である。そして、それぞれを感じる神経
があり、黄色は赤と緑の神経の両方が刺激を受ける。また近年生理学から
も証明された。
第五章:へーリングの反対色説とその発展
色は6つ、赤、緑、菫、黄、白、黒で、それぞれ対にして3つの反対色感覚がある。
いずれにせよ、3つの変数を扱って「色」を説明している。また、生理学的にも
説明される。因って、最初に三色処理を行い、次に反対色処理を行うという段階説が有効。
以上が前半の各諸説ですね。このような流れによって、現在まで発展してきたと
理解できるような内容になっています。
これ以降は、数式を扱った説明が増えていきますので、深く知りたい人は、熟読し
興味のない人は、さくっと(笑)
そして最も興味のある章は、13・14章あたりですね。
つまり、「色の効果」「色の感情」です。気が早い人は、ここだけ読んでも差し支えない
でしょう。(最初、私もそうしました)
ただ、著者は、色によって受ける影響が変わらない部分と変わる部分それぞれあり、
変わる部分の方がより多い。よって、より多くの関連情報と一緒に考察しなければ
ならないという感じで締めています。
深く知りたい人、冒頭からしっかり読むべきでしょう。
影響と好みを知りたい人は、最後の方だけ読めばOKです。