海音寺潮五郎のレビュー一覧
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海音寺潮五郎は、何かで紹介される際に「1901(明治34)年 - 1977(昭和52)年」と名前の脇に付される場合さえ在る、既に「歴史上の人物」のようになっている作家だ。他界して久しいが、それでも「新しい文庫本」が未だに登場している。“古典”として読み継がれる価値が高い作品が、それだけ多く遺されているということに他ならない。本書『史伝 西郷隆盛』は、1989年に登場した文庫本の新装版である旨は巻末に記されていたが、何時頃綴られたモノなのかは明記されていなかった。少し調べた範囲では、本書は1961(昭和36)年に雑誌連載となったのが初登場で、その後何度か文庫本化されている作品であるようだ。
生き -
Posted by ブクログ
田中芳樹の『銀河英雄伝説』シリーズにおいて、オーベルシュタインは戦略家であり、ヤン・ウェンリーはもっぱら戦術家である。今までこの違いというものをよく理解できていなかった。
戦術家は勝ち筋を見つける。敵の数、配置、状態、地形、味方の状況など、情報を集めて勝つ方法を考える。または勝てるかどうか判断する。読んでいて孫武はヤンに近いのだと思っていた。学者肌で出世欲は無く出来れば表に立ちたくない。
戦略家は勝ち方も負け方も考える。一度の戦いよりもあるひとつの目的を達する為に兵事も政事もトータルで考える。ここで勝つことでor負けることで、目的にどのように影響するのかを考える。目的のためには負けることも -
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海音寺流は必見の価値あり
偉大なる昭和の歴史小説家である司馬遼太郎の先駆者であり、師ともいえる海音寺先生の歴史人物の描写は秀逸で達観しているのでよんでいるだけで博学になった気がしてくるようだ。
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購入済み
西郷と大村がかっこよい
海音寺先生独自の歴史観は慧眼で犀利に満ちている。西郷と大村の二大ヒーローの描写がおもしろい。ただし大村の描写は後輩の司馬遼太郎には劣る。