海音寺潮五郎のレビュー一覧

  • 新装版 孫子(下)

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    下巻の主人公は、上巻の主人公の孫武の子孫である孫臏。「膝きりの刑」の意味である「臏」であるが、「孫繽」が足を切られて自嘲気味に「孫臏」を名乗るという作者の設定の工夫はお見事。後半は自らの嫉妬心で孫品の足を切った龐涓への復讐譚だが、上巻の準主役である「絶対復讐するマン」伍子胥の陰湿なそれとは対照的にカラリと描かれており、クライマックスの馬陵の戦いまで手に汗握る展開であった。また、あとがきで孫武実在説を初めて知った。

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    2025年02月07日
  • 史伝 西郷隆盛

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    海音寺潮五郎は、何かで紹介される際に「1901(明治34)年 - 1977(昭和52)年」と名前の脇に付される場合さえ在る、既に「歴史上の人物」のようになっている作家だ。他界して久しいが、それでも「新しい文庫本」が未だに登場している。“古典”として読み継がれる価値が高い作品が、それだけ多く遺されているということに他ならない。本書『史伝 西郷隆盛』は、1989年に登場した文庫本の新装版である旨は巻末に記されていたが、何時頃綴られたモノなのかは明記されていなかった。少し調べた範囲では、本書は1961(昭和36)年に雑誌連載となったのが初登場で、その後何度か文庫本化されている作品であるようだ。
    生き

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    2017年03月24日
  • 加藤清正(下)

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    海音寺版『加藤清正』の下巻。
    上巻に引き続き、朝鮮出兵から。
    外征に関しては贔屓目な描かれ方をしていないので、その点はいいと思います。
    ただ、小説というより海音寺先生の講義・・・という感覚が否めないのも事実。それでも私は十分面白かったです。

    上巻でも書きましたが、一貫して誠実な人物で描かれていますので惚れます。特に規律に厳しいこと、勤勉なこと、思慮深いことなど贔屓目もあるかもしれませんが好意的に受け取れます。

    ただ、最後の方が他の本に比べて駆け足なのか、重点を置いていないのか・・・という感想も持ちます。
    全体的には高評価です。

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    2011年08月11日
  • 加藤清正(上)

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    海音寺版『加藤清正』。
    表紙も綺麗でお気に入りです。下巻と並べたいですね。

    秀吉に仕え始めた頃から描かれています。
    まずびっくりしたことは、1562年生まれ説ではないこと。桶狭間の合戦の時に2歳だったと書いてあるので、1558年生まれの様です。

    物語を通して、誠実で豊臣に忠実な人物で描かれています。
    司馬遼太郎氏の『関ヶ原』に出てくる清正に比べておとなし目です(笑)

    清正公が好きな方にはおススメします。
    ちなみに私は電車の中などで読むために結構持ち歩いてます・・・(笑)

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    2011年08月11日
  • 新装版 孫子(上)

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    田中芳樹の『銀河英雄伝説』シリーズにおいて、オーベルシュタインは戦略家であり、ヤン・ウェンリーはもっぱら戦術家である。今までこの違いというものをよく理解できていなかった。

    戦術家は勝ち筋を見つける。敵の数、配置、状態、地形、味方の状況など、情報を集めて勝つ方法を考える。または勝てるかどうか判断する。読んでいて孫武はヤンに近いのだと思っていた。学者肌で出世欲は無く出来れば表に立ちたくない。

    戦略家は勝ち方も負け方も考える。一度の戦いよりもあるひとつの目的を達する為に兵事も政事もトータルで考える。ここで勝つことでor負けることで、目的にどのように影響するのかを考える。目的のためには負けることも

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    2025年02月19日
  • 新装版 孫子(上)

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    上巻は孫武の話であるが、「死者に鞭打つ」の故事で有名な伍子胥と呉王闔廬(公子光)を中心としたストーリー。孫武は個性の強い二人に巻き込まれながら、いわゆる「孫子の兵法」を戦争で用いる。
    50年以上前に出版された小説だが、現在でも面白く読むことができた。庶民は九州弁、ガメつい妻は関西弁で表現されている。官吏などの知識層の話し言葉との違いによってリアル感があり、その工夫に感心させられた。

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    2025年02月02日
  • 加藤清正(下)

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    今まで沢山の時代小説を読んできた。
    織田信長、豊臣秀吉、徳川家康 
    関ヶ原の戦い、大阪夏の陣、冬の陣
    いつもちらっとと登場する。
    朝鮮の役での活躍が有名だが
    今まで詳しい内容の小説と出合わなかった。
    この作品はなかなか詳しい内容が
    書かれてあって面白かった。

    なぜ、加藤清正は人気があるのか?
    当時の人々に愛された武将だったのですね。
    石田三成との確執が、知るところだが、
    豊臣家のために仲良くしていたら
    大阪が首都であったでしょう

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    2022年07月21日
  • 加藤清正(下)

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    清正公は、郷土(熊本県)の英雄であり、神様でもある。海音寺さんの清正公は、熊本県人が思い描く、もっともスタンダードな清正公だと思う。

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    2022年05月31日
  • 新装版 孫子(下)

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    上巻の方がいわゆる孫子その人に関する小説だが、小説としては下巻の方が物語として一貫したが流れがありずっと面白かった。
    解説と上巻の前置きを改めて読んでみるとその理由が理解できるような気がする。原典に十分な記述がない孫武と、それよりは逸話が多く残っている孫臏の違いであり、歴史を大きく変えてまで小説を創作するものではないという著者の姿勢によるものであろう。
    なかには歴史的事実を顧みない歴史小説もあったりするが、個人的にはこうした姿勢の方が好感が持てる。
    さて、それはさておき、孫子の兵法の実践として面白い小説だった。

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    2022年02月27日
  • レジェンド歴史時代小説 列藩騒動録(下)

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    自分が知らなかっただけですが、上巻に比べマイナーな騒動が多く、いろいろ興味深い話が多かったです。
    なぜそんな騒動が起きるのかを系図や過去の出来事なども参考に書いていただいてるので、分かりやすかったです。

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    2021年07月24日
  • 新太閤記(一)

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    予想以上

    太閤記は本や歴史、TVで何度も読んだり、見たりしてきましたが、この本を読んで面白くてついつい目が覚めてしまい、次の日の仕事に影響してしまいました。いやはや、この本は睡眠導入剤にはなりませんのでご注意下さい。

    #感動する #アツい #深い

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    2021年04月30日
  • 明智光秀をめぐる武将列伝

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    武将列伝は既読済でしたが、大河ドラマで盛り上がってるし忘れてることもあったので、再読。
    海音寺潮五郎先生の人物評はやはり面白い。

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    2021年01月23日
  • 新装版 西郷隆盛 一

    購入済み

    海音寺流は必見の価値あり

    偉大なる昭和の歴史小説家である司馬遼太郎の先駆者であり、師ともいえる海音寺先生の歴史人物の描写は秀逸で達観しているのでよんでいるだけで博学になった気がしてくるようだ。 

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    2020年04月25日
  • 明智光秀をめぐる武将列伝

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    ・「中途半端が一番いけない、この人と見こんで属するときめたら徹底的に屈した方が所詮は得と見きわめをつけたのである」(官兵衛の秀吉への態度)

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    2019年11月17日
  • 史伝 西郷隆盛

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    2018年NHK大河ドラマ主人公・西郷隆盛の生き様を薩摩の風土、人情、そして島津家を通して描いた歴史読み物。

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    2017年10月04日
  • 新装版 西郷隆盛 四

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    維新史最大の英傑伝。2018年NHK大河ドラマの主人公の生涯が著者・海音寺潮五郎氏の細かな「時代と当時の文書等」の考証により、今まで思ったこともない事実に気付かされる。西郷の研究においては必ず見過ごすことの出来ない「敬天愛人」の哲学を更に強く感じつつ、征韓論から西南戦争へと続く西郷の「維新のやり直し」を強く求める人生哲学を理解する作品です。

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    2017年09月27日
  • 新装版 西郷隆盛 三

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    2018年大河ドラマの主人公・西郷隆盛の生涯を描く。4か月連続刊行の第三弾。薩長連合が成り、時代は動いていくが・・・。

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    2017年08月22日
  • 新装版 西郷隆盛 二

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    2018年大河ドラマの主人公の生涯を描いた、4か月連続刊行の第2弾。流石の海音寺潮五郎氏の作品だけあって歴史の場面場面とそこに存在する武士や公家等の心の内が詳細に描かれストーリーに引きずり込まれる。

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    2017年07月19日
  • 新装版 西郷隆盛 一

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    海音寺潮五郎が幕末維新史から描き出す西郷隆盛の真実。2018年大河ドラマは「西郷どん」。史伝文学の最高峰、新装版で4か月連続刊行、海音寺西郷。

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    2017年07月07日
  • 江戸開城

    購入済み

    西郷と大村がかっこよい

    海音寺先生独自の歴史観は慧眼で犀利に満ちている。西郷と大村の二大ヒーローの描写がおもしろい。ただし大村の描写は後輩の司馬遼太郎には劣る。

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    2017年06月14日