小倉貞男のレビュー一覧
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歴史的な疑問。
ベトナム戦争とは何だったのだろう。
これを知りたくて、この本を手に取る。
紀元前から始まる物語は長期で
登場人物も多いし
土地の名称や地理も
馴染みがないので、苦戦する。
読む前はなんとなくヴェトナムに
良いイメージが無い。
それと何故かホ・チ・ミン氏に悪い
イメージを持っていた。
今まで見たり聞いたりした
メディアの情報のせいだろうか。
随分誤解していた。
ベトナム戦争について知りたかったのに
残念ながら、その前で本書は終わる。
でも、それ以前の事を知っておかなければ
これから起こる戦争の
理解が不足することを読んで分かった。
中国との関係。周辺諸国との争い。
数々の -
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ベトナムの歴史を改めて学びなおすために再読。
重要人物を中心にベトナムの歴史を誕生から現代まで横断的な勉強できます(ベトナム戦争は割愛されてます)
ベトナム人の歴史人物はホーチミンぐらいしか、日本人は知らないと思うので、結構苦戦するかもしれません…
ただ、出張や駐在で現地に行っている方は、ベトナムの道によく使われている人物が沢山出てきますので、馴染みのある名前の活躍を読める楽しさがあるかと思います。
私は人物名を覚えることは諦め、各国との関係性や出来事に意識を向けて読んでいました。
中国はもちろん、ラオやチャンパ(今のカンボジア)とも戦いが続く歴史は、今のベトナム人の精神を形作ってい -
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歴史といえば、日本史と世界史で。その世界史も勉強するほとんどが西洋史ですので、東南アジアの歴史なんてものは世界大戦あたりから、それもほんの少し、それも悪いイメージで認識しているといった状態でした。本書はその一つであるヴェトナムの歴史を、フランス以前に中国によって支配されてきた時代から、ゆっくりと語られています。その複雑な中国との関係。その複雑な縦長の国土とそれぞれの地域の歴史の関係。その複雑なフランス統治時代の他の植民地と一緒くたにされた関係。とにかく複雑な歴史を持っている国だということが分かりました。この歴史を知ることにより、今のヴェトナムが社会主義国であり共産党が主導する国家であるにもかか
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フランスの植民地になった頃からヴェトナム戦争までの時代は知って
いた。なかでもインドシナ戦争からヴェトナム戦争にかけては少なく
ない量の書籍を読んで来た。
だが、それだけではヴェトナムの歴史を知ったことにはならない。なので、
古代からホー・チ・ミンの死去までを扱った本書は良い教科書になった。
抵抗に次ぐ、抵抗の歴史だ。その昔、ヴェトナムは1000年に渡り中国に
支配されていた。だが、ただ属国に甘んじていたのではない。
「世に皇帝を名乗るのは中国の皇帝のみ」なんだけれど、表向きは
恭順を示しながらも国内では「皇帝」を名乗っている。しかも、定期的
に抵抗運動が頻発する。
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ネタバレ[ 内容 ]
ヴェトナムは一億人の国になろうとしている。
ヴェトナム戦争では大きな犠性を払いながら独立を堅持、経済成長のダイナミズムは二十一世紀のヴェトナムの発展を約束している。
このエネルギーはどこから生まれるのだろうか。
ヴェトナム人のこころ、民族の象徴として親しまれている建国の王フンヴォン(雄王)から、独立の指導者ホ・チ・ミンに至る歴史群像を語り、あくなき抵抗と独立の戦いに勝ち抜いてきた逞しい国民性の根源を探る。
[ 目次 ]
序章 ヴェトナムとインドシナ
第1章 中国支配の時代
第2章 独立そして国のかたち
第3章 南進の時代・国際社会との出会い
第4章 フランス植民地時代
[ P -
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中国、フランス、日本に翻弄されながらも、たくましく生きる人々に感動を覚えた。日本を含むアジアの国の一つとして、政治的、思想的に中国の影響が大きく、日本との共通点と相違点を同時に感じる。
近代についてはフランス軍から受けた仕打ちを考えると、そのようなことが日本でもおこっても不思議ではなかったのではないかと思える。
アジアの中で近代化に成功した日本ではあるが、他のアジアを助ける余裕が無かったのか、覇者となろうとしていたのかはこの本では言及していないが、ヴェトナムについては若干の影響はあったが
あまりよいものでは無いようである。
ヴェトナムは幾多の戦火をくぐり抜け、明るくたくましく、したたかに生き -
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建国神話から1945年の独立宣言まで。
肝心のインドシナ、ヴェトナム戦争は別著に譲り、中国、フランスとの戦いに焦点をあてたヴェトナムの独立記。
構成は大きく分けて4つ。紀元前から1000年続く中国支配の時代、独立を維持し国家を造る時代、ラオス・カンボジア・チャンパ王国に攻め入る勢力拡大の時代、そしてフランス植民地時代。
政権と戦争の話がメインであるものの、当時の文化・風俗についても多く語られ、誠実で詳しくはあるのだが、時系列が行ったり来たり、時々の主役以外の人物像も希薄で、物語として受け取るのは難しい。
約400ページと新書にしては分厚いが、ヴェトナムの2000年間を一望できる一冊。 -
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ヴェトナムの北属南進の歴史をつづっている。中国との関係、周辺のアジア諸国との関係を同時並行に捉えるのがヴェトナムをつかむには必要とこの本が語る。中を読み進めると、平和な時代が少なく、反乱の時代に道満ちているという印象。しかし、統治する人が善政をすれば、すぐに反乱が収まるというのは納得。支配者が強欲でなければ、みな平和に暮らしていけるのだなと、再確認。
ヴェトナムは100年に及ぶフランス支配を受けるが、その際に日本も候補に入っていたらしい。占領する価値を見いだせなかったのだろうが、日本はラッキーだったのかもしれない。
ヴェトナム戦争を乗り切り、ようやく今の統一国家と平和を得ることができたのは、ひ -
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ヴェトナム旅行の計画があり、その前の事前教養として本書を拝読。ヴェトナムという国の成り立ちがどのように作れれてきたかという大枠に骨格は理解できました。が、他の人が指摘しているように物語という割にはそれほど物語性もなく繰り返される権力者の隆盛、腐敗、革命といった流れや覚えにくい登場人物の名前なども相まって到底記憶できませんでした。また、ヴェトナム戦争に以降の近現代についての内容はほぼ省略されておりその点についても期待していただけに肩透かしにあった印象でした。近現代に限って言えば、池上彰氏の「そうだったのか!現代史」を読んだほうがよほど役立ちます。
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東南アジア史に関しては岩波書店の岩波講座東南アジア史シリーズなどその関係書物は確実に増えてますが、当該地域にある一国の通史はほとんどありません。そもそもこの地域は河川やジャングル、島嶼などで地域が分断され、少数民族がまとまらず各地で独自の文化を形成しているため(といっても広い地域でインドの影響が強く見られるが)特定の地域を切り取ってその通史を書くのは困難です。そもそも、“東南アジア”という地域概念すら第2次大戦で連合国軍が戦略上必要に迫られて作ったものですから・・・。そうした中で北部は中国の影響を強く受け、南部はインドの影響の強いヴェトナムを扱う場合、どのようなものになるか逆に楽しみでした。で