臼井隆一郎のレビュー一覧

  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    ウィットに富んだ小気味いい文章を書く方だなと思った。著者の他の本も読んでみたい。
    東アフリカからアラビア、ヨーロッパをめぐり、植民地支配やファシズムを経て自由資本主義時代の現代にいたるまで黒い血液として世界を巡ってきたコーヒー。世界史の中でその歴史や性質をひもといていくと、コーヒーがどれだけこの世界に直接的にも間接的にも影響を与えてきたのかがうかがえる。今自分がコーヒーを飲む時も、そのアロマの中に歴史の重み、人類の儚さや愚かさを感じずにはいられない。

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    2022年11月26日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    初めて読んだのは大学の時。
    日常的に何となく飲んでいるものを入り口として世界史が学べる、という驚きと感動を感じた本だった。

    その後も近代について考えを巡らせるときには何となく読み返すようになっている。

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    2021年04月26日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    生徒にコーヒーを教えようと単純に読んだ本。
    非常に勉強になった。
    近代市民社会の中に大きく入っていくコーヒーという嗜好品が戦争にまで関与するとは…
    一度は読んで欲しい著作。

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    2020年11月10日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    だいたい、コーヒーというのは奇体な飲み物である。そもそも体に悪い。飲むと興奮する。眠れない。食欲がなくなる。痩せる。しかしそのコーヒーのネガティブな特性を丸ごとポジティヴに受け入れて、世界への伝播に力を貸したのがスーフィーたちであった。
    (p.14)

    海外活動は危険が伴う。保険が必要だ。しかしこれもない。どこかで始めなければならない。コーヒー・ハウス。正確かつ迅速な情報と遠隔地交易にまつわる事故の補償とは時代の要請であった。
    (p.62)

    プロイセンは男らしい国であった 。その昔、マールブルクのエリーザベト教会のステンド・グラスに変描いたアダムとイヴの絵で、アダムを誘惑するイヴが女であった

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    2020年02月17日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    欧州中心の歴史に加え、コーヒー誕生のストーリーが著者の粋な文章で、楽しく読めた。たださすがに歴史を理解するのは難しいので、欧州の歴史についてもっと知りたい。

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    2018年05月13日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    コーヒーと世界史の組み合わせに、興味を引き付けられて購入。
    アラビアで生まれたコーヒーは宗教と溶け込み、ヨーロッパでは、喫茶店の様なコーヒーハウスが政治的、社会的な議論の場となる。イギリスで、コーヒーではなく、紅茶が流行ったのは、女性に受け入れられなかったからとか。
    嗜好品としてのコーヒーから日常のコーヒーへ。当たり前のようにコーヒが飲める世の中は、平和の象徴みたいなものなんですね。

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    2016年07月26日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    日頃何気なく愉しむ「一杯の珈琲」には、“現在”の“普通”へ通じるまでに至った夥しい人達の営みが凝縮されている…凄く考えさせられる内容だった!!或いは「珈琲カップを手に語る世界史」とでも呼ぶべき内容でお勧めだ!!

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    2015年03月28日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    イスラム教の禁欲主義、現世否定の一派が寝ずに祈るためにコーヒーを飲み始めたこと、
    コーヒー栽培が資本や労働力を必要とし、それゆえヨーロッパ諸国が生産に乗り出したとき、植民地主義の拡大の担い手となったことなど、興味深い世界史とコーヒーの関係が書かれていて面白かった。

    また、
    筆がすべるというか、筆が踊るような軽妙な文章が織り交ぜてあって、読みやすかった。

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    2013年05月16日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    最初は戦国時代の茶の湯によって
    当時の政治や経済が回っていく様と
    イメージを重ねて読んでいた

    だんだんNHK特番の
    「映像の世紀」を観ているような
    感覚すらしてきた
    頭の中であのテーマソングが流れてきた

    思っていた以上に面白い本だった

    市リユース文庫にて取得

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    2023年10月29日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    コーヒーにそれ程思い入れはないが、日常的に飲んでいるものの世界的動きが分かって勉強になった。イエメン、ジャワ、西インド、ブラジル、アフリカそしてイスラムとユーロ。何気なく知っていた、モカ、キリマンジャロ、グアテマラといったコーヒー豆の名前の由来がよく分かりました。
    悲喜こもごもな世界史とリンクされたストーリーが面白く感じられました。

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    2023年04月01日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    歴史という壮大な物語をひとつの視点で見る面白さよ。

    珈琲が、
    禁酒のイスラム社会でどう生まれ
    17世紀の「市民」社会の形成にどう関わり、
    さらには第1,2次世界大戦の裏でどう各国に影響したのか。

    まさに”近代市民社会の黒い血液"!

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    2021年11月10日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    中公新書で、私の大好きな「食べて飲んで世界を知る」シリーズの1巻。今まで、茶、ジャガイモ、チョコレートと読み、「コーヒー」まで来ました。本書はイエメンで15世紀に生まれたコーヒーが世界史の中で、どんな役割を果たして来たかを描きます。カフェイン中毒者の私には楽しい本でした。

    近東で、イスラム修行者が禁欲的生活を送る上で、「飲むと眠れなくなる」コーヒーが流行りました。人々が眠っているときに祈りを捧げることが美徳とされていたからです。しかし、コーヒーの語源である「カフワ」はイスラム教の中では白ワインも意味していて、神学論争を引き起こします。結局、コーヒーは認められ、近東に「コーヒーの家」が乱立し、

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    2020年12月07日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    山羊飼いカルディて有名、東アフリカ原産。
    アルコールが禁じられているアラビアのイスラム教アラビアで発展しイエメンモカ産に対抗するため
    蘭ジャワ、仏ハイチ植民地で栽培が主な産業に。
    コーヒーハウスは英国ではロイズ保険誕生させ
    仏では革命の舞台に。
    独ではナポレオンの輸入制限を受けその後
    国民は本物志向へ、
    そしてポルトガル植民地ブラジルは独立して
    コーヒー世界市場制覇したが
    大恐慌によりSL燃料として廃棄活用
    コーヒー豆を巡る歴史はなかなかに黒かったです。

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    2020年10月25日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    ネタバレ

    普段何気なくとっているこの黒い不思議な飲み物。
    そのルーツはイスラムの世界からでした。

    ただしこの飲料が定着するには
    数多くの困難と、数多くの革命、
    歴史を変える出来事、
    さらに負の歴史が重なっていました。

    負の歴史に関しては…今もでしょう。
    そう、そういうところの国は今でも
    決して恵まれた環境ではないのですから。

    で、かの国は…
    2回も過ちを犯していたとは!!
    (ある名前を言ってはいけないあの方状態の人が
    出てきます)

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    2019年06月21日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    ネタバレ

    仕事でコーヒーに関わるようになったこと、もともとコーヒー好き、さらに歴史好きなことから手に取ってみたこの本。コーヒーの起源から、コーヒーと共に動いた歴史を面白く紹介している。
    まず、コーヒーはイスラム教徒であるスーフィーが「眠気」と戦うために飲み始めたのが起源で、この不思議な「黒い液体」は聖水として重宝された。
    やがてコーヒーはヨーロッパへと伝播し、生産地もジャワへ、ブラジルへと広まっていく。ヨーロッパでは、イギリスやフランスでカフェ文化として花開き、特にフランスでは「カフェ・プロコプ(1689)」など、政治的議論が活発なカフェが誕生し、やがてフランス革命へ。
    ドイツの独立、第一次世界大戦下で

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    2018年12月20日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    コーヒーの起源から始まり、コーヒーと激動の世界の中におけるコーヒーの持った役割、影響を述べる。

    コーヒーと世界史を結びつけた点が面白かった。

    コーヒーという嗜好品から見るヨーロッパと世界の関係史という意味合いが強い。

    西洋諸国の都合により、生産地はどんどん人工的に拡散していき、世界の資本主義に翻弄されていくコーヒー。

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    2016年12月09日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    コーヒーの期限、歴史も興味深いが、時折作者がビジネス上の真理を端的に書ききる所が面白い。実際にビジネスマンとして商売に関わった事は無いはずだが。。。。引用しておく。

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    2016年01月10日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    幸福なアラビア、イエメンから禁欲的なイスラム教スーフィ派によって広められたコーヒー。理性のアルコール、理性のリキュールと呼ばれヨーロッパ中に輸出される。啓蒙思想と人権と市民社会の成熟の流れの中でコーヒーは大きな影響を与える。イギリスでは清教徒革命の頃に広まり、カフェは市民の議論の場となり、保険、郵便など近代市民社会を準備した。しかし女性の反対運動で衰退していく。フランスはハプスブルグ家との対向からオスマン帝国と同盟を結び、コーヒー文化がもたらされた為、王や貴婦人によって先導された。女性ありきのコーヒー文化が根付く。また体に悪いという説を克服する為に体にいい牛乳と混ぜるカフェオレが生まれた。カフ

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    2014年11月17日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    コーヒーから見えてくる世界史。商人の活躍、コーヒーの家、植民地支配。“コーヒー”という単語が頻出してくるので、無性にコーヒーを飲みたくなる。イスラム神秘主義の修道僧が飲み始めたのが起源とされるコーヒー。宗教色が強く必ずしも美味とはいえない黒い液体が、商品資本主義と結びついて世界中に拡散していく。フランス革命以降は著者の得意分野なのか、途中から文章がノリノリで面白かった。

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    2013年10月18日
  • コーヒーが廻り世界史が廻る 近代市民社会の黒い血液

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    世界史をひさしぶりに勉強。面白いのは誰もコーヒーを「美味しい」と言わないことだろう。あるときは宗教的、あるときは政治的、あるときは生活的なコンテクストに埋め込まれ流通したコーヒー。コーヒーが体内に流れ、偉人たちが高揚を期待したように、その黒い聖水の流れが世界をも動かしたそのドラマにワクワクする。

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    2013年05月05日