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Posted by ブクログ
ウィットに富んだ小気味いい文章を書く方だなと思った。著者の他の本も読んでみたい。
東アフリカからアラビア、ヨーロッパをめぐり、植民地支配やファシズムを経て自由資本主義時代の現代にいたるまで黒い血液として世界を巡ってきたコーヒー。世界史の中でその歴史や性質をひもといていくと、コーヒーがどれだけこの世界に直接的にも間接的にも影響を与えてきたのかがうかがえる。今自分がコーヒーを飲む時も、そのアロマの中に歴史の重み、人類の儚さや愚かさを感じずにはいられない。
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初めて読んだのは大学の時。
日常的に何となく飲んでいるものを入り口として世界史が学べる、という驚きと感動を感じた本だった。
その後も近代について考えを巡らせるときには何となく読み返すようになっている。
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生徒にコーヒーを教えようと単純に読んだ本。
非常に勉強になった。
近代市民社会の中に大きく入っていくコーヒーという嗜好品が戦争にまで関与するとは…
一度は読んで欲しい著作。
Posted by ブクログ
だいたい、コーヒーというのは奇体な飲み物である。そもそも体に悪い。飲むと興奮する。眠れない。食欲がなくなる。痩せる。しかしそのコーヒーのネガティブな特性を丸ごとポジティヴに受け入れて、世界への伝播に力を貸したのがスーフィーたちであった。
(p.14)
海外活動は危険が伴う。保険が必要だ。しかしこれもない。どこかで始めなければならない。コーヒー・ハウス。正確かつ迅速な情報と遠隔地交易にまつわる事故の補償とは時代の要請であった。
(p.62)
プロイセンは男らしい国であった 。その昔、マールブルクのエリーザベト教会のステンド・グラスに変描いたアダムとイヴの絵で、アダムを誘惑するイヴが女であったという事実に耐えられず、イヴまで男として描いたドイツ騎士団以来の強引な男っぽさが魅力であった。その中でもひときわ男らしく、大王の名に値する傑物がフリードリッヒ大王である。男の中の男といっても並ではない。女人統治時代の男の中の男である。
(p.146)
しかし、たまに密輸品のコーヒーが市場に現れたとしても、フリードリッヒ大王の昔と同じようにふたたび庶民には手の出ない高値をつけていた。庶民の手元に残ったのはふたたび、あの「君たちがいなくても、健康に、豊かに」とまるで負け惜しみの権化が国家ピューリタニズムを着飾ったような「ドイツのコーヒー」だったのである。なんでもいい。一つとして持続的に飲まれない以上、次から次へ発明と開発の手が加えられた。キク芋、ダリヤの球根、タンポポの根、ゴボウ、菊の種、アーモンド、エンドウ豆、ヒヨコ豆、カラスノエンドウ、イナゴ豆、トチの実、アスパラガスの種と茎、シダ、小判草の根、飼料用カブラ、トショウの実、アシの根、レンズ豆、ヨシの穂軸、野生のスモモ、ナナカマドの実。まだまだある。ヘビノボラズ、サンザシの実、クワの実、西洋ヒイラギの実、焼いてみて多少、褐色の焦げ目がつけば何でもいい。文字通り焼け糞である。カボチャの種、きゅうりの本体、ひまわりの種。これですべてではない。しかしもういいであろう。いかにもドイツらしいのを一つだけ付け加えておけば、ビールのホップからコーヒーを作る試みもある 。大地の糧が、というよりは、大地そのものがコーヒーを名乗りかねないような勢いである。 ドイツ語ではこうした代用コーヒーを「 ムッケフック(Muckefuck)」といい、おおよその語源的意味は「朽ち果てた褐色の大地」である。赤面したくなる。しかし赤面してはいけない。この程度で赤面していては、この国と付き合ってはいけないのだ。
(p.151-152)
作者がノリノリで書いた本は、多少筆が滑っていたとしても総じて読み物として面白い。
第一章では比較的抑揚をおさえた文章も、頁を重ねるにつれてどんどん饒舌になっていく。
ドライブ感のある講義を聞かされているようで、最後まで持っていかれました。
Posted by ブクログ
欧州中心の歴史に加え、コーヒー誕生のストーリーが著者の粋な文章で、楽しく読めた。たださすがに歴史を理解するのは難しいので、欧州の歴史についてもっと知りたい。
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コーヒーと世界史の組み合わせに、興味を引き付けられて購入。
アラビアで生まれたコーヒーは宗教と溶け込み、ヨーロッパでは、喫茶店の様なコーヒーハウスが政治的、社会的な議論の場となる。イギリスで、コーヒーではなく、紅茶が流行ったのは、女性に受け入れられなかったからとか。
嗜好品としてのコーヒーから日常のコーヒーへ。当たり前のようにコーヒが飲める世の中は、平和の象徴みたいなものなんですね。
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日頃何気なく愉しむ「一杯の珈琲」には、“現在”の“普通”へ通じるまでに至った夥しい人達の営みが凝縮されている…凄く考えさせられる内容だった!!或いは「珈琲カップを手に語る世界史」とでも呼ぶべき内容でお勧めだ!!
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イスラム教の禁欲主義、現世否定の一派が寝ずに祈るためにコーヒーを飲み始めたこと、
コーヒー栽培が資本や労働力を必要とし、それゆえヨーロッパ諸国が生産に乗り出したとき、植民地主義の拡大の担い手となったことなど、興味深い世界史とコーヒーの関係が書かれていて面白かった。
また、
筆がすべるというか、筆が踊るような軽妙な文章が織り交ぜてあって、読みやすかった。
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最初は戦国時代の茶の湯によって
当時の政治や経済が回っていく様と
イメージを重ねて読んでいた
だんだんNHK特番の
「映像の世紀」を観ているような
感覚すらしてきた
頭の中であのテーマソングが流れてきた
思っていた以上に面白い本だった
市リユース文庫にて取得
Posted by ブクログ
コーヒーにそれ程思い入れはないが、日常的に飲んでいるものの世界的動きが分かって勉強になった。イエメン、ジャワ、西インド、ブラジル、アフリカそしてイスラムとユーロ。何気なく知っていた、モカ、キリマンジャロ、グアテマラといったコーヒー豆の名前の由来がよく分かりました。
悲喜こもごもな世界史とリンクされたストーリーが面白く感じられました。
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歴史という壮大な物語をひとつの視点で見る面白さよ。
珈琲が、
禁酒のイスラム社会でどう生まれ
17世紀の「市民」社会の形成にどう関わり、
さらには第1,2次世界大戦の裏でどう各国に影響したのか。
まさに”近代市民社会の黒い血液"!
Posted by ブクログ
中公新書で、私の大好きな「食べて飲んで世界を知る」シリーズの1巻。今まで、茶、ジャガイモ、チョコレートと読み、「コーヒー」まで来ました。本書はイエメンで15世紀に生まれたコーヒーが世界史の中で、どんな役割を果たして来たかを描きます。カフェイン中毒者の私には楽しい本でした。
近東で、イスラム修行者が禁欲的生活を送る上で、「飲むと眠れなくなる」コーヒーが流行りました。人々が眠っているときに祈りを捧げることが美徳とされていたからです。しかし、コーヒーの語源である「カフワ」はイスラム教の中では白ワインも意味していて、神学論争を引き起こします。結局、コーヒーは認められ、近東に「コーヒーの家」が乱立し、コーヒーは爆発的な勢いで普及します。これが英国に伝わって、自由闊達な議論の場を提供し、近代市民社会の土台を作り、パリで発生したカフェでは「自由・平等・博愛」の思想が生まれます。
著者の臼井隆一郎さんはドイツ語学の研究者。そのためか、かなりのページ数を使いドイツの東アフリカ植民地経営の失敗を述べています。その失敗はドイツに人種差別という癒し難い禍根を残し、ナチズム発生の要因となってしまいました。
コーヒーの世界史への関わりを豊富な逸話、資料を用いて描いた面白い本。ただし、文章は格調高く、趣味に合わない人は読みにくいかもしれません。
「ドイツが東アフリカ植民地に傾けた努力は結局、第一次世界大戦の結果、無に帰した。しかし、人の世の営みの一切が時とともに水泡に帰し、虚空に切々と諸行無常の響きでも鳴り渡らせるならば、この世はむしろ安泰かもしれない」
この本は、まとまった時間が取れた日に喫茶店で読むのに相応しい味わい深い本と思います。私みたいに毎日4杯コーヒーを飲む人間には必読です。
Posted by ブクログ
山羊飼いカルディて有名、東アフリカ原産。
アルコールが禁じられているアラビアのイスラム教アラビアで発展しイエメンモカ産に対抗するため
蘭ジャワ、仏ハイチ植民地で栽培が主な産業に。
コーヒーハウスは英国ではロイズ保険誕生させ
仏では革命の舞台に。
独ではナポレオンの輸入制限を受けその後
国民は本物志向へ、
そしてポルトガル植民地ブラジルは独立して
コーヒー世界市場制覇したが
大恐慌によりSL燃料として廃棄活用
コーヒー豆を巡る歴史はなかなかに黒かったです。
Posted by ブクログ
普段何気なくとっているこの黒い不思議な飲み物。
そのルーツはイスラムの世界からでした。
ただしこの飲料が定着するには
数多くの困難と、数多くの革命、
歴史を変える出来事、
さらに負の歴史が重なっていました。
負の歴史に関しては…今もでしょう。
そう、そういうところの国は今でも
決して恵まれた環境ではないのですから。
で、かの国は…
2回も過ちを犯していたとは!!
(ある名前を言ってはいけないあの方状態の人が
出てきます)
Posted by ブクログ
仕事でコーヒーに関わるようになったこと、もともとコーヒー好き、さらに歴史好きなことから手に取ってみたこの本。コーヒーの起源から、コーヒーと共に動いた歴史を面白く紹介している。
まず、コーヒーはイスラム教徒であるスーフィーが「眠気」と戦うために飲み始めたのが起源で、この不思議な「黒い液体」は聖水として重宝された。
やがてコーヒーはヨーロッパへと伝播し、生産地もジャワへ、ブラジルへと広まっていく。ヨーロッパでは、イギリスやフランスでカフェ文化として花開き、特にフランスでは「カフェ・プロコプ(1689)」など、政治的議論が活発なカフェが誕生し、やがてフランス革命へ。
ドイツの独立、第一次世界大戦下でのドイツとコーヒーの関わり、やブラジル等植民地のコーヒー生産事情にも詳しい。
この本を読んで、嗜好品であるコーヒーがここまで世界で親しまれている理由がわかる気がした。一方、嗜好品であるがゆえに、コーヒーを生産し輸出する国々が、輸入国に対して強い立場で交渉に臨めないというのも分かった。必需品じゃないから。
仕事でコーヒーにかかわることが増えたので、このような予備知識も生かして日々頑張りたいと思った。
Posted by ブクログ
コーヒーの起源から始まり、コーヒーと激動の世界の中におけるコーヒーの持った役割、影響を述べる。
コーヒーと世界史を結びつけた点が面白かった。
コーヒーという嗜好品から見るヨーロッパと世界の関係史という意味合いが強い。
西洋諸国の都合により、生産地はどんどん人工的に拡散していき、世界の資本主義に翻弄されていくコーヒー。
Posted by ブクログ
コーヒーの期限、歴史も興味深いが、時折作者がビジネス上の真理を端的に書ききる所が面白い。実際にビジネスマンとして商売に関わった事は無いはずだが。。。。引用しておく。
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幸福なアラビア、イエメンから禁欲的なイスラム教スーフィ派によって広められたコーヒー。理性のアルコール、理性のリキュールと呼ばれヨーロッパ中に輸出される。啓蒙思想と人権と市民社会の成熟の流れの中でコーヒーは大きな影響を与える。イギリスでは清教徒革命の頃に広まり、カフェは市民の議論の場となり、保険、郵便など近代市民社会を準備した。しかし女性の反対運動で衰退していく。フランスはハプスブルグ家との対向からオスマン帝国と同盟を結び、コーヒー文化がもたらされた為、王や貴婦人によって先導された。女性ありきのコーヒー文化が根付く。また体に悪いという説を克服する為に体にいい牛乳と混ぜるカフェオレが生まれた。カフェは身分を超えた議論の場を提供してフランス革命の発信源になった。またオスマン帝国から送られた三本のコーヒーの木を新大陸に持ち込み栽培することに成功し、大量のプランテーションと黒人奴隷を生んだ。タヒチでの反乱、キリスト教とアフリカの原始宗教とコーヒー文化の奇妙な混合文化のブードゥ教の誕生。海外に植民地を持たなかったドイツは代用コーヒーの開発に力を入れる。また西アフリカに植民地をえるが支配に失敗、キリマンジャロの山麓を他国と一緒に開墾する。またその豆をアラビアのモカから輸出する。ナポレオン戦争でポルトガル王家は南アメリカの植民地に移動。戦後ポルトガルに王は戻るが王子は残り、独立してブラジルを建国する。ただの嗜好品であるコーヒーが石油に次ぐ世界第2位の交易品という不思議。禁欲の為に広まったはずが、資本主義的商品の権化になっている皮肉。
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コーヒーから見えてくる世界史。商人の活躍、コーヒーの家、植民地支配。“コーヒー”という単語が頻出してくるので、無性にコーヒーを飲みたくなる。イスラム神秘主義の修道僧が飲み始めたのが起源とされるコーヒー。宗教色が強く必ずしも美味とはいえない黒い液体が、商品資本主義と結びついて世界中に拡散していく。フランス革命以降は著者の得意分野なのか、途中から文章がノリノリで面白かった。
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世界史をひさしぶりに勉強。面白いのは誰もコーヒーを「美味しい」と言わないことだろう。あるときは宗教的、あるときは政治的、あるときは生活的なコンテクストに埋め込まれ流通したコーヒー。コーヒーが体内に流れ、偉人たちが高揚を期待したように、その黒い聖水の流れが世界をも動かしたそのドラマにワクワクする。
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中東でのコーヒーの誕生、フランスにおいて市民革命を起こす基地となったカフェ、ロンドンにおいて郵便・新聞などの機能も果たしたコーヒーハウス、そしてコーヒーの普及に伴い周縁・中心に分けられたコーヒーモノカルチャーの国とコーヒー消費国 『コーヒーが廻り、世界史が廻る』という題名の通りコーヒーという嗜好品を通して世界史を学ぶ。
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大好きな食べ物の歴史。コーヒーハウスなどについての歴史については既に読んでいたが、イスラムの中でコーヒーがどう扱われてきたかとか、もう少し突っ込んだ内容が分かる本。
近代まで長い間、黒人がなぜ奴隷として働かされてしまったのかということについて、1つ考えさせられる事例があった。アフリカなどの人々は、自らが所有する豊かな土地で自給自足の生活が成り立っていたため、賃金労働というシステムに取り込むことができなかったようだ。
イギリスなどでは、土地を持っていない人々が、食べていくために働いて賃金を稼いで物を買う。一方植民地の人々は、土地を持っていて食べていくにも困らない。支配国の企業がいくら賃金を与えてその土地を耕させても、賃金が重要な意味をもっていなければ、仕事はさぼりがちになる。
現代でも、旅行に行くと、「この国の人たちは怠け者だから、時間通りに全然進まないんだよ」という話をよく聞く。私たちはお金が発生してるんだから、時間通りに仕事が進むのは当然と考えがちだが、彼らにとって一番大切なものはお金ではなく、自分の時間なのかもしれないと考えさせられた。
ここ数十年、貨幣経済とグローバル化がどんどん加速しているが、コーヒー貿易という何百年も昔のグローバル化作戦が数多くの怨恨を生んでしまったことを考えると、大変難しい課題であると感じた。
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コーヒーを軸に世界史を読み解いた本。
題材が身近にあるものなので大変読みやすかった。
内容として面白かったのはコーヒーハウスがフランス革命の思想的準備の場となったこと、そして自由を掲げた革命の背後には黒人奴隷に対する自由の剥奪があったという皮肉だ。また、第一次世界大戦におけるキール港の水兵の反乱の遠因としてコーヒーの不足があったことも印象的だった。
歴史系の本は堅くて読みづらいイメージがあるが、この本は手記や小説、詩などを紹介しつつその時代、その地域の様子を紹介してくれるため、気を張ることなく読み進めることができる。
また、イスラムの教義、イギリスと茶の歴史、フランス革命期の思想、商品フェティシズム、黒人奴隷の歴史、様々なものに対して興味を喚起させられる本でもあった。
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『スターバックス再生物語』を読んだ経験と、リオの喧騒から逃げるようにロンドンのパブでビールを楽しんでいた、偉大なコーヒーテイスターと出会った経験とがリンクして、コーヒーについて学んでみようと思ったことから、手にとった一冊。
<概要>
コーヒーが社会にどのような影響を与え、またどのような役割を果たしていたのかを、紀元前から近代に至るまでの時間軸と、消費地ヨーロッパや生産国地域それぞれの文化的・地理的な横軸で比較し、その流れを分析したもの。
<感想>
1 元々カフワ(一種の興奮作用を有する物)としてその存在価値を見出され、特にスーフィー達の祈りの阻害となる睡魔を払うものとして利用されていた。このような出自であるコーヒーが、時代背景とお国柄によって、その価値を再構築していき、単なる一つのコモディティとしてだけではなく社会を動かす一因となっていく。例えば、フランスでは国民の政治的関心を高め革命にまでつながるサロンの発生
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普段何気なく飲んでいるコーヒーの歴史についての本ですね。
少し独りよがりな文章の印象で、後半は付いていくのが大変でした。
牽強付会なところもあるけど、新書だし仕方ないかな。
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学校で習う歴史とはまた違った視点で見る歴史は、とてもスリリングで面白い。
ただでさえ面白いのに、文章がうまいからより面白い。
ま、ちょっと自身の文章の流麗さに酔っている部分が散見されたりはするんだけど、それはそれで面白い。
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タイトルから推測できますが「珈琲」という物が如何にして世界の歴史(主に欧州)に影響を与えてきたのか?を主題とし、歴史的なアプローチから関係を辿っていく。といった内容になっています。 珈琲自身の発祥は勿論の事、欧州での珈琲定着の速度を爆発的に促したコーヒー・ハウスについての解説もあり、珈琲が好きな世界史好きには自信を持って勧められる1冊だと自分は思います。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
東アフリカ原産の豆を原料とし、イスラームの宗教的観念を背景に誕生したコーヒーは、近東にコーヒーの家を作り出す。
ロンドンに渡りコーヒー・ハウスとなって近代市民社会の諸制度を準備し、パリではフランス革命に立ち合あい、「自由・平等・博愛」を謳い上げる。
その一方、植民地での搾取と人種差別にかかわり、のちにドイツで市民社会の鬼っ子ファシズムを生むに至る。
コーヒーという商品の歴史を、現代文明のひとつの寓話として叙述する。
[ 目次 ]
第1章 スーフィズムのコーヒー
第2章 コーヒー文明の発生的性格
第3章 コーヒー・ハウスと市民社会
第4章 黒い革命
第5章 ナポレオンと大陸封鎖
第6章 ドイツ東アフリカ植民地
第7章 現代文化とコーヒー
終章 黒い洪水
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