松井彰彦のレビュー一覧

  • 高校生からのゲーム理論

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    ネタバレ

    ゲーム理論を現実世界の事例を用いてわかりやすく面白く説明している。
    恋愛・PK戦・きつねの手袋・いじめなど多岐に渡ったジャンルが述べられており、事実や筆者の考え、理論からの解説、全てが面白かった!


    <世の妻が口うるさいのも全く同じ原理だ。結婚前はあんなにお淑やかだったのに、と嘆く貴兄は男女の戦略的関係がわかっていない。離婚のコストは高いが、恋人なら「ごめんなさい」の一言で別れられる。恋人が口うるさくないのは「退出」というオプションを持っているからなのである。>(P.112)

    <序章の最後で、自分が当事者でありつつも、外から見る目を養うことがゲーム理論を学ぶうえでの第一原則だと述べた。しかし、人生の目的が幸せを追い求めることにあるとすれば、ゲーム理論を活かす上での第一原理は、相手のことを思うことであると言っても過言ではない。>(P.172)

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    2023年09月29日
  • 市場って何だろう ──自立と依存の経済学

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    ゲームの理論の第一人者が「市場」について平易に語る1冊。前半では我々の生活の根幹に存在する市場について、具体的かつ総論的な記載があり、後半では、差別や障害者と市場と言ったテーマが語られます。後半はあまり考えたことがなかった視点で、新鮮でした。

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    2019年09月27日
  • 高校生からのゲーム理論

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    タイトルに「高校生からの」とあるが、「ナッシュ均衡」や「囚人のジレンマ」はP18~27のたった10ページで説明されており、全く知らない人がゲーム理論を体系的に知るのに適しているとは言えない。
    ただしジョークを交えた文体で、読み物としては読みやすい。

    一方、本書のほとんどはゲーム理論の社会への応用で占められている。
    それはまえがきの「恋愛」から始まり、「戦略編」「歴史編」「市場編」「社会編」からなっており、経済はもちろん、サッカーのPK、デートの待ち合わせ、共働き、格安航空会社の破綻、サラミスの海戦(ペルシアと古代ギリシアの海戦)、三国志、法規制といった多様な現象にゲーム理論を当てはめていく。

    ところが、最後の「未来編」では、突如としてソクラテス、プラトン、アダム・スミス、デイヴィッド・ヒューム、デカルト、ルソー、カント、アインシュタインといった人々が登場する。
    そこで書かれているのは「科学哲学としてのゲーム理論」と言えるようなものだ。

    本書は「ゲーム理論の理解によってより良い社会を作ることができる」という思想に基づいていて、そのための手引きを若い世代に託したい、という著者の思いが、文章全体、特にこの「未来編」から伝わってくる。

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    2016年01月28日
  • 高校生からのゲーム理論

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     いろいろな事例をゲーム理論で考えてみるとどうなるかというのを記しながら、ゲーム理論の基礎の基礎について述べた本。専門用語もそれほど取り上げておらず、ゲーム理論自体についての概説本というよりも、ゲーム理論からいろいろなことを考えてみるもので、この本でゲーム理論の全体像が分かるものではない。
     しかしながら、実際にどのようにゲーム理論が実際の世の中に当てはめて考えることができるのかを、平易な文章で分かりやすい内容で伝えているので、非常に読みやすい。また、著者の個人的な話と絡めていじめの話を取り上げているので、とても興味深く読めた。

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    2013年01月27日
  • 高校生からのゲーム理論

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    「高校生からの」と言うくらいやさしいゲーム理論の入門書です。とは言え、数学的な話とかは何にも出て来ません。これだけでゲーム理論がわかったりはしません。そうした意味のゲーム理論の入門書は、他にたくさんあります。
    でも、この本のいいところは、人と人の相互的な行為として営まれる社会現象をゲームとしてモデル化して解析しようとするゲーム理論の根本みたいなところを、丁寧に示してくれるところにあると思います。ですから、ゲーム理論入門にトライをかける前に、入門のそのまた一歩手前みたいなところで読んでおくとよい、お薦めな本です。

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    2012年11月05日
  • 市場って何だろう ──自立と依存の経済学

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    とらえにくい内容もわかりやすい例えで話されててなるほどなあーと。書いた人頭いいんだろな…
    後半はちょっと退屈だったかも。比較優位の話が面白かった。同じ仕事をしているのに日本にいるから高い賃金がもらえる、ってのは確かに不自然な状況で、今後それが是正されたら結果的に日本人の暮らしは苦しくなるのかなあ…

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    2023年08月06日
  • 高校生からのゲーム理論

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    ゲーム理論に関する本を読んだのも、本作で3冊目となります。まったく数式も出てこないので一番分かりやすくゲーム理論って何?といったところでは理解しやすかったです。

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    2022年05月01日
  • 高校生からのゲーム理論

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    経済学者 松井彰彦氏がゲーム理論について解説した2010年の著作。ゲーム理論の対象は自分の利得が自分の行動の他、他者の行動にも依存する状況を意味し、経済学を始め、経営学、政治学、法学、社会学、人類学、心理学、生物学、工学、コンピュータ科学などのさまざまな学問分野に見られます。本書では、具体例を挙げながらゲーム理論を解説しています。まずは実際にどんな事例があるのかを学んでから、理論を学びたいと思う人向けの入門書です。

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    2020年07月17日
  • 市場って何だろう ──自立と依存の経済学

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    市場は依存先=選択肢を与えるところ。自立につながる。

    所属型と契約型。芸能界のような所属型は競争環境=市場が存在しない。村八分は、村から出るコストがかかる場合にのみ有効な手段。小林幸子やスマップは、インターネットで既存のシステムを揺るがした。

    眼鏡の増永の社是「良い眼鏡を作る。出来れば利益を得たいが、損をしてもよい眼鏡を作る。」

    要素価格均等化定理=労働や資本などの価格は国際価格に均等化する。国内の外国人労働者を帰したとしても、輸入が増えるから賃金は上がらない。

    「大脱出」平均寿命はGDPよりも社会平均の豊かさを表す。一人当たりGDPとの相関が高い。

    和辻哲郎「風土」

    ゲーム理論は個人対個人、と市場理論は市場対個人。
    石油製品の規制緩和議論=チキンゲーム。ナッシュ均衡が二つ存在する。

    インフレ率を民間の予測より少し高くするのが望ましい。中央銀行を独立させているのはインフレの鎮静化に役立っている。

    有期雇用の無期転換制度は、空白期間を設けることでリセットされる。
    正規と非正規の扱いを米国のようにするか、欧米のようにするか。再雇用市場がないと成り立たない。欧米のようにすると若年失業率が増大する。

    独裁者の一人勝ちもパレード効率的。公平性の概念を持たない。所得の再配分で補うしか方法がない。

    ドイツは開業医を定員制にしているので、医師の偏在が問題にならない。教師や警察官と同じ。
    マッチング制度が有用。

    宮沢賢治「洞熊学校を卒業した三人」「なめとこ山の熊」「猫の事務所」

    サッカーは引き分けの利点を減らすため、勝ったときの勝ち点を2から3にした。

    ディミアントンプソン「依存症ビジネス」依存症の罠に気づくこと。
    「銀行は裸の王様である」総資本に対して20~30%の自己資本を持つように義務づける。
    マクミラン「市場を創る」周波数オークションで市場ができた。入札は勝者への呪いが起きる。

    談合は短期的には利益があるが、長期的には参入が増えて談合に頼らざるを得なくなる。

    新日鉄と住金の合併は、国内シェアではなく海外シェアを見ると独占力はないから。規模の経済性の追及を許した。

    難病の患者の医療費は患者数が少ないので割合は低い。慢性疾患のほうが患者数が多いので多い。

    ゲイリーベッカーは差別的行動をとれば市場から駆逐されるので、偏見はあっても差別はない偽善者になるので差別はなくなる、とした。
    ケネスアローは、統計的差別によって差別が継続するとした。

    少数派は分断の恐怖ゆえに弱体化と互いの不信感を呼び起こすことになる。
    専業主婦、長期雇用は継続したほうが有利という限られた経験のなせる業である。

    自立は依存の対極。市場がないと自立できない。

    二宮尊徳「道徳なき経済は犯罪であり、経済無き道徳は寝言である」

    内館牧子「終わった人」

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    2019年01月15日
  • 市場って何だろう ──自立と依存の経済学

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    わかりやすくてえらい。「社会学者の上野千鶴子さんに、「あなたって、経済学帝国主義でしょう」と言われたとき、「はい」と即答した。人間の科学としての経済学を発展させることで人間の営みを貫く社会の理を追い求めたい。そう考えれば、当然の回答だった。」p.42

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    2021年01月05日
  • 高校生からのゲーム理論

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    ゲーム理論を分かりやすい例で解説する。人間関係を分析する手段としてゲーム理論を使う。まずは理想的な簡略化を行って、自分の手を相手もいることを考えて考えることにする。

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    2018年10月20日
  • 高校生からのゲーム理論

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    とてもおもしろかった。
    囚人のジレンマなど、ゲーム理論でよく知られた話が、もちろん出ているのだけれど、さまざまなケース、さまざまな角度から説かれているのだ。
    例えば歴史上の有名な戦いを、ゲーム理論で読み解いたりするのも、そういう見方があるのか、と興味をそそられる。

    個人的な偏見かもしれないけれど…
    ゲーム理論というと、金融工学とか、何かそういった生臭い興味で語られることがあるように思う。
    著者、松井さんは、ゲーム理論は「人間の科学」を志向するものだ、つまり人と人との関係を解明するものだ、と言っているのが、とても新鮮だった。
    そういう方向で活用されるのならいいな、と思う。

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    2015年05月26日
  • 高校生からのゲーム理論

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    出だしは良かった。中頃から中途半端な経済の話に。もっとゲーム理論の事例や理屈の解説が欲しいところ。でも勉強にはなる。

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    2014年07月22日
  • 高校生からのゲーム理論

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    非常に読みやすく、面白かった。高校生にもお薦めの1冊。
    最初の方は確率の話などが少しややこしいが、進むにつれて面白さを増した。
    特に最後の章は圧巻。ヒューム認識論といじめ問題とゲーム理論を組み合わせた話や、プラトンのイデア論「洞窟の影」を「経済学者とビジネスマンの関係」に喩えるとか。

    哲学の言葉は、どうしてこうも高揚させるのだろう。
    思考の根本の奥底を掴んで押さえ付けるような、えもいわれぬ美しさがある。
    もう少し手を伸ばせば触れそうな、もう少し首を伸ばせば見えそうな、もどかしさを伴う期待感を噴出させる。

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    2013年09月22日
  • 高校生からのゲーム理論

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    ゲーム理論の基礎について色んな実例を交えながら学べる一冊。
    西洋合理主義に基づくゲーム理論なだけに(本書でかじっただけの浅はかな知識ですが)
    ともすれば実利のみを追求するような議論になりがちですが
    この本はしっかりと東洋思想も組み込まれた構成になっておりバランスが取れた一冊です。

    経済的な視点だけでなく人間関係に関しても色々示唆に富んでいて
    これからはまた新たな視点で物を考えられそうな気がします。

    子供が高校生になったら是非読んで貰いたいです。

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    2013年01月14日
  • 市場って何だろう ──自立と依存の経済学

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    著者は東京大学大学院経済学研究科の松井教授。世界的な業績をあげているゲーム理論の大家である。
    本書の前半では市場の特性や市場の失敗について主にゲーム理論を用いて説明し、後半では氏の後半生のライフワークとなっている差別や障害への取り組みについて述べられている。

    本書の前半と後半でガラリと内容が変わる。後半は後半で興味深いテーマであり、最終的にはサブタイトルの「自立と依存の経済学」に繋がるものの、当初イメージしていた内容とは異なるものであった。差別や障害にかかる問題への経済学・ゲーム理論の応用についての入門書と考えて読み始めると良い。
    本書では市場の仕組みについてもう少し詳細に語っていただき、差別と障害については別書籍でじっくり読みたいと感じた。

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    2024年05月05日
  • 高校生からのゲーム理論

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    高校生からの、と謳っているだけあって非常に読みやすい。

    しかし自分に関していえば、ゲーム理論を理解できたのかどうか不安。
    もう少し別の本で学び直したい。

    歴史の挿話は非常に面白かった。

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    2022年01月21日
  • 高校生からのゲーム理論

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    高校生もわかる本ということで、学問的・ビジネス的ではなく恋愛やスポーツなどの例からゲーム理論を考察しており面白かった。
    特段、新規の発見がなかったのが残念。

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    2020年11月08日
  • 高校生からのゲーム理論

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    ゲーム理論苦手ーって意識があるまま読んで、ものすごーくわかりやすいわけでもなく、例えがなるほど、というものでもなく。
    第1章に本質がまとめてあるので、そこ読んだら十分かも。

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    2020年02月22日
  • 高校生からのゲーム理論

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    「高校生からの・・・」というタイトルに違わず、身近な例からゲーム理論の基本をわかりやすく教えてくれる本。

    ゲーム理論というと(トランプとかモノポリーとか狭い意味での)ゲームのカラクリを研究するガクモンのように思っちゃうけど、実はさにあらず。かけひき理論、とでも言った方が誤解は少ないような気がする。

    Wikipediaにもあるように、

    ・ある特定の条件下において
    ・利害が異なる複数の主体の間で生じる
    ・戦略的な相互関係

    を研究するものであり、その「特定の条件」と「相互関係」がゲーム理論をゲーム理論と呼び習わせているミソなのだろうと思われる。

    さて、この本。
    恋愛談義から始まって、サッカーに興じたり、ギリシャ故事や三国志をひもといたり、きつねの手袋に涙したり、いじめ問題と取り組んだり等々、多彩なたとえ話が楽しい。(そっちが活き活きし過ぎていて時々話の本筋が見えなくなっちゃうのはご愛敬(笑))

    まあ、「ナッシュ均衡」とか「囚人のジレンマ」といったゲーム理論ではおなじみの用語も出て来つつ、まずは簡単なところからゲーム理論の本質的な考え方を捉えてみよう、という筋になっていると思う。

    その本質とは、120ページに出てくるとおり、

    「さまざまな現象を、(感情なども加味はするが)損得計算という観点から分析しようとする。」

    ということ。

    人間や社会はなかなか理屈で割り切れるものではないけど、登場人物同士の関係性(損得利害)に話を単純化することで、ものごとのカラクリが意外に見えてくる、と。

    なかなか勉強になる本でした。

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    2019年06月17日