松井彰彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレゲーム理論を現実世界の事例を用いてわかりやすく面白く説明している。
恋愛・PK戦・きつねの手袋・いじめなど多岐に渡ったジャンルが述べられており、事実や筆者の考え、理論からの解説、全てが面白かった!
<世の妻が口うるさいのも全く同じ原理だ。結婚前はあんなにお淑やかだったのに、と嘆く貴兄は男女の戦略的関係がわかっていない。離婚のコストは高いが、恋人なら「ごめんなさい」の一言で別れられる。恋人が口うるさくないのは「退出」というオプションを持っているからなのである。>(P.112)
<序章の最後で、自分が当事者でありつつも、外から見る目を養うことがゲーム理論を学ぶうえでの第一原則だと述べた。しか -
Posted by ブクログ
タイトルに「高校生からの」とあるが、「ナッシュ均衡」や「囚人のジレンマ」はP18~27のたった10ページで説明されており、全く知らない人がゲーム理論を体系的に知るのに適しているとは言えない。
ただしジョークを交えた文体で、読み物としては読みやすい。
一方、本書のほとんどはゲーム理論の社会への応用で占められている。
それはまえがきの「恋愛」から始まり、「戦略編」「歴史編」「市場編」「社会編」からなっており、経済はもちろん、サッカーのPK、デートの待ち合わせ、共働き、格安航空会社の破綻、サラミスの海戦(ペルシアと古代ギリシアの海戦)、三国志、法規制といった多様な現象にゲーム理論を当てはめていく。 -
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Posted by ブクログ
市場は依存先=選択肢を与えるところ。自立につながる。
所属型と契約型。芸能界のような所属型は競争環境=市場が存在しない。村八分は、村から出るコストがかかる場合にのみ有効な手段。小林幸子やスマップは、インターネットで既存のシステムを揺るがした。
眼鏡の増永の社是「良い眼鏡を作る。出来れば利益を得たいが、損をしてもよい眼鏡を作る。」
要素価格均等化定理=労働や資本などの価格は国際価格に均等化する。国内の外国人労働者を帰したとしても、輸入が増えるから賃金は上がらない。
「大脱出」平均寿命はGDPよりも社会平均の豊かさを表す。一人当たりGDPとの相関が高い。
和辻哲郎「風土」
ゲーム理論は -
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Posted by ブクログ
とてもおもしろかった。
囚人のジレンマなど、ゲーム理論でよく知られた話が、もちろん出ているのだけれど、さまざまなケース、さまざまな角度から説かれているのだ。
例えば歴史上の有名な戦いを、ゲーム理論で読み解いたりするのも、そういう見方があるのか、と興味をそそられる。
個人的な偏見かもしれないけれど…
ゲーム理論というと、金融工学とか、何かそういった生臭い興味で語られることがあるように思う。
著者、松井さんは、ゲーム理論は「人間の科学」を志向するものだ、つまり人と人との関係を解明するものだ、と言っているのが、とても新鮮だった。
そういう方向で活用されるのならいいな、と思う。 -
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Posted by ブクログ
著者は東京大学大学院経済学研究科の松井教授。世界的な業績をあげているゲーム理論の大家である。
本書の前半では市場の特性や市場の失敗について主にゲーム理論を用いて説明し、後半では氏の後半生のライフワークとなっている差別や障害への取り組みについて述べられている。
本書の前半と後半でガラリと内容が変わる。後半は後半で興味深いテーマであり、最終的にはサブタイトルの「自立と依存の経済学」に繋がるものの、当初イメージしていた内容とは異なるものであった。差別や障害にかかる問題への経済学・ゲーム理論の応用についての入門書と考えて読み始めると良い。
本書では市場の仕組みについてもう少し詳細に語っていただき、差 -
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