若林宣のレビュー一覧

  • B‐29の昭和史 ――爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代

    Posted by ブクログ

    筆者はあとがきにおいて「B-29を単に飛行機としてではなく、それによってもたらされた体験を表すものととらえたうえで書くことにした」としているように、B-29の開発史などは控えめで、それによって行われた空襲を経験した人々の記録や、防空対策の対象としてとらえられていたB-29、そして戦後にはアメリカという国の巨大さを表すメタファーとなったことなどを書いている。
    そしてそこに「機能美」を見いだそうとすることを、白人に勝てないアジア人という劣等感、言い換えるとアジアにおいて中国などの国を下に見ようとしがちな日本人の根強い優生思想の裏返しではないかと語る。

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    2023年11月02日
  • B‐29の昭和史 ――爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代

    Posted by ブクログ

    小さい頃読み漁った戦争漫画だとB-29の思い出が多い。恐らくは図書室に全巻揃っていた「はだしのゲン」からの広島原爆投下のイメージとインパクトが大きかったのだと思う。子供ながらに先端の網目の様に描かれたガラスの風防のイメージは良く記憶に残っている。恐らくは爆撃をある程度人の目視に頼っていた時代だからこそ、陸地が見える独特の形状になったものと思うが、記憶の中のそれはトンボの眼を思い浮かばせる。だから今でも田舎でトンボが飛んでいるのを見ると、何処となくB-29を思い出すのである。
    本書はまさにタイトル通り太平洋戦争期のアメリカの戦略爆撃機B-29を取り扱うものだが、前述の記憶から思わず本屋で手に取っ

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    2023年06月23日