四元康祐のレビュー一覧

  • 偽詩人の世にも奇妙な栄光
    ⚫︎受け取ったメッセージ
    何かを生み出すとは?
    何もないところからは何も生まれない。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    吉本昭洋は中学2年の時、詩に出会った。教科書に載っていた中原中也の詩だった。以来彼は、詩を愛するようになり、生活の大半を詩に捧げるようになった。しかし、彼は詩を作らなかった。いや、...続きを読む
  • 偽詩人の世にも奇妙な栄光
    リズム、リズム、リズム。訥々、緩急、強弱、シンコペーション…言葉の波のリズムに襲われるような文章。
    自虐と自嘲と自戒のぐるぐる巻き。
  • 偽詩人の世にも奇妙な栄光
    中学時の明けても暮れても中原中也から、ヨーロッパ、古典、古今東西の詩への遍歴。詩への深い洞察を得ながらも自分では書けない。商社に就職、世界を渡り歩くうち、各地の詩祭に参加するようになる。帰国後、即興詩合戦、ネタは自由に創造的に翻訳した詩祭の詩集。

    オリジナルであるかどうかの判断にこそ問われる、知識...続きを読む
  • 偽詩人の世にも奇妙な栄光
     小説なのではあるが、詩論として、詩とはなにか、という問いに対する答えとして読むと一定の納得が得られる。
     主人公は若い時から詩を読むことが好きだけれども自分の筆としてものすことが出来なかったが、翻訳を通じて自分の筆に乗せることが出来るようになった、というくだりが感動的である。が、のちにポエトリーリ...続きを読む