横山明彦のレビュー一覧
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ネタバレスマートグリッド(スマグリ)について、2010年に出版された新書。
手元にあるのは1版5刷であり、「【2011年4月26日追記】」として、「電力不足を直接的に解決するものではなく」などといった留意事項が書かれている。
さて、はじめに定義が明確ではないものの、とりあえずの簡単な定義をあたえて、アメリカのオバマ大統領の政策、欧州の事情などから説明してゆくことで、全体的な流れがつかみやすい。
後半(205ページ以降)には、電気電力系の著者と情報通信技術関係者との対談があり、スマグリの新規プレーヤーとして、「省エネルギーに向けた効率的な電気の使い方をアドバイスするエネルギーアドバイザー(212 -
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著者の横山さんは東京大学大学院教授で、2003年頃から次世代送電網・スマートグリッドの研究を重ねてきた人物です。
本書は題名からも分かるように、その横山さんが「スマートグリッド」を一般読者向けに解説している新書です。
スマートグリッドと聞いて、何となく身構えてしまう方も居られるかも知れませんが、本書には数式などは一切出てきませんし、また、所々に図が挟まれているので読みやすい本ではないでしょうか。
勿論、この分野における基本知識があれば理解が早いとは思いますが、基本的に
・電気は需要と供給を常に合わせないといけない。それに失敗すると、供給過剰、もしくは供給不足のどちらでも停電が起こる。
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250ページの薄い新書本だが、中身は濃い。震災後、急に存在感が高まってきたスマートグリッドの全貌を掴むことができた。震災による津波の被害により、原子力発電所が何基も使えなくなり、さらに新たな建設にもブレーキがかかっている。これに対して、太陽光発電を大規模に増設すればエネルギー不足を補えるので問題ない、といった安易な意見が横行している(ように思う)。私自身、問題はエネルギーの不足にあり、コストはかかるにせよ太陽光発電を大量導入すれば問題解決可能だと思っていたのだが、この本を読んで認識を改めさせられた。電気の問題点は貯めることが難しい、ということだ。したがって、基本的にジャストインタイムで必要な時
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ネタバレスマートグリッド
2009年頃から一般的に知られるようになってきたスマートグリッドに関する本
著者は東京大学の新領域創成科学研究科教授
電力システム工学を専攻しており、スマートグリッドの研究には2003年から携わっている。
2011年の原発事故以降によく耳にするようになったスマートグリッドについて興味を持ち購入した本
全186P
1章:スマートグリッドブーム26P
2章:スマートグリッドを定義する52P
3章:欧州の取り組み22P
4章:アメリカの取り組み28P
5章:日本版スマートグリッドをとは34P
6章:中国、韓国の取り組み8P
7章:スマートグリッドの将来像と実現への課題16P
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題名で購入。
やや電気事業者側の視点かなと推測されるのと、今回の東日本大震災の前に書かれたことは注意すべき。
その上で、スマートグリッドの構想が、ドイツでは風力発電の発電量の急激な増加に耐えられずに停電したことが背景にあること、アメリカでは、むしろ大規模発電所や送電網の拡充ができなことから代わりにピークカットの手法として検討されていること、など各国の事情が異なることがわかった。
その上で、個人的には、行政、経済中枢機能の防災バックアップのための分散型発電という観点からスマートグリッドが検討できないかと思う。
①首都直下、3連動が起こったときには、東京、名古屋、大阪などの -
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東日本大震災は日本を変える。
それは、2011年3月11日朝に仙台にいた私を変えたように日本を変える。
私はすでに考え方が変わったために、3.11以前と以後で読書傾向も変わった。この本の初版は2010年3月29日。東日本大震災の1年前であるが、書かれている内容は若干楽観的なだけで今でも十分通用するものだ。こういうものこそ新書で存在する価値があるものだと思う。
スマートグリッドというのは、総合すると電力会社の電力網のみの話ではない。情報通信技術を駆使して社会をスマートにする思想だ。電力会社が家庭の外までを管理していた時代を通り越して、スマートメーターによって、家庭の中さえも制御しようとする思想だ -
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環境バブルの核部、スマートグリッドについて非常にわかり易く書かれた本です。
そもそもスマートグリッドとは何か、なぜスマートグリッドが必要なのか、それは世界共通の価値観か、なぜ、なぜ、、
と、1つ1つ順を追って説明してくれるので、環境初心者の僕でもサクサク読めました。
要は再生可能エネルギー(太陽光など)が今後更に広がった時、余るであろう電力を上手に使いましょう、てこと
そしてその過程で、新たなビジネスが次々生まれるということ、それこそITバブルのように。
ただ、何より大切なのは、
実現には一般市民の協力が不可欠だという、著者の押し付けがましくない主張。
とても好感が持てます。
あと -
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よくまとまってて分かりやすい!
スマートグリッドって定義自体曖昧なものだけど、各国の事例に照らし合わせて説明がなされてることで、包括的な理解ができた。
再生可能エネルギーなどが効率よくつかわれるために、情報通信技術を使って、エネルギーの需給を消費者側からも調整できるようなインフラを整えることが必要。それがスマートグリッド。
課題としては整備までにかかる時間やコスト。あとはセキリティの問題も。
エネルギーはこれからもビジネスにおける重大事項でありつづけ、スマートメーター関連でビジネスチャンスがあることは確実。
個人的にはグーグルの介入による広告システムが非常に興味深い。それにしてもグーグルす -
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スマートグリッド全般について、一般の人にも理解できるようわかりやすく解説してある。日米欧でのスマートグリッドに対する取り組みの違いが明確に書かれている。
・欧州
国境を越えた広範囲の電力系統を持つ。風力発電を設置している国から、様々な向きの電流が流れ込んでくるため、スマートグリッドによる管理が必要になる。
送電が焦点になるため、スマートメーターよりも、風力発電対策としていかに多くの送電線を作るか、貯蔵設備である揚水発電や圧縮空気貯蔵設備を作るかが重要。
・米国
更なる電力需要の増加が見込まれるため、対策を要する。
送電線の増設には多額の費用がかかるため、スマートグリッドを利用したピークカッ