上田正仁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【目的】 社会において必要とされる「考える力」は後天的に身に付け、鍛えられるものとして、その方法を伝える。
【収穫】 考える力を身に付けていく中で、「捨てる」という行為が必要だということが理解でき、実行に移し始めることができた。
【概要】 本書では、物理学者である著者が自身の研究の中で深めてきた思索と学生への教育から、考える力とは何であるかを定義し、それを身に付けるための方法を伝える。
◆「考える力」の定義: 課題として与えられる知識やスキルを効率よく身に付けるための「マニュアル力」に対し、「考える力」とは、他の人が疑問に思わないような点でも考え抜いて、問題の本質を見極める力であり、その問題に対して独自の答えを編み出すための「創造する力」と表裏一体の能力である(本書では2つを「自ら考え、創造する力」として論じている)。この能力は大きく次の3つの力に分解できる。
1.「問題を見つける力」: 何が分からないかを明確にする力。換言すれば本質抽出力。「気になる」「おもしろそう」「どうしてだろう」といった問題の種の源を見つける。事実、答え、分からないことがわからないのいずれかに分類する。日々ひらめきなどをシンプルにメモする。事実とノウハウを峻別して情報を収集する。重要なのは、必要ない・理解した・解決した情報を捨てること。
2.「解く力」: 答えのない問題を解決に導く力。重要なプロセスモデルとしては「類型化→要素化→各要素の個別解決」。個別解決の段では「マニュアル力」が有効活用可能。一方で、「知ってるつもり」「わかってるつもり」を忘れて「本来どうあるべきか」を考えることも必要。キュリオシティ・ドリヴン(好奇心主導)で発想の視野を広げる。
3.「諦めない人間力」: 粘り強く考え抜き取り組み続ける力。すぐに認められる成果を出そうとしない。詰まったら一度スタート地点まで戻ってみる。成果が出ない時間はムダではなく自身の成長。何より好奇心を持つ。
【感想】 答えが出しにくい課題があるときに、自分自身の中でそれを深く考えきらずに後回しにしたり、誰かが解決してくれるだろうという諦めたりすることに気づき、それをどうすればいいのか考える中で本書を見つけた。結論から言えば、明確な答えではないが、ヒントとする上で心強いという印象。個人的に著者の語り口が押しつけがましくなく、すっと入ってくる心地よい感覚があり、できるならば大学での講義を聞いてみたいと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東大物理学者が長年、「考える」とはどうゆうことか思索を積み重ね、学生にあてはめながら試行錯誤を繰り返して得たノウハウが書かれた本。
仕事の中で「考えが浅く、上司によく指摘される」、「考えが堂々巡りしてなかなか課題を解決できない」と悩んでる人にオススメの一冊!
”自ら考え、創造する力”を本題の「考える力」と捉えられており、その手順が説明されている。
情報収集から情報の扱い方、諦めない心の作り方まで書かれている。
所々、具体性に欠けて理解しきれなかったところがあった。
自分が印象的だったところは、「収集した情報は読んだら捨てる!」こと。
はい、自分は大切に持ち続ける派でした。。。早速、明日から実践したいと思いました。 -
Posted by ブクログ
最近この手の、問題発見や問題解決系の本をまとめて読んでいる。
問いの三分類などはなるほど、と思った。
(世の中ではもう答えは出ているけれど)事実として自分が知らないだけのもの、解き方が分からないもの、そして問題だと直感できても、何がわからないのか分からないもの、の三つだ。
で、もちろん、最後のヤツが重要で…。
それについては、疑問は徹底的にメモをとること、調べたことは徹底的に読み込み、分かったら情報を捨てること、とある。
それが難しい。それができる人が少ないからこそ、筆者の希少価値があるわけだ。
また、未知の問題へのアプローチとしては、複雑な問題を要素に分解し、各要素を類型化して個別解決をして、総合する、と。
このようには理解できるのだけれど、これが実際の問題に対して適用できるかどうか。 -
Posted by ブクログ
筆者は、学力の優秀さには3段階あると考えており、高校では答えを解く「マニュアル力」、大学では問題の本質を見極めることができる「考える力」、そして大学院では、見つけた問題の本質に対して、独自の方法で解決に至るまでやり遂げられる「創造する力」を持っているそうです。このことから「考える力」とは、「自ら考え、創造する力」だと結論付けてます。
この「自ら考え、創造する力」を鍛えるために、3つの力が必要だということです。
1つ目は、問題を見つける力
2つ目は、解く力
3つ目は、諦めない人間力
本書では、3つの力を鍛えるために、あらゆるノウハウ、考え方を紹介しており、興味深く取り組めるないようだと感じました。
たとえば、1つめの問題を見つけるポイントは、好奇心を大切にし、疑問に思ったことを自ら調べ、要点をメモ書きして整理すること。このような作業を通じて自分自身との対話が生まれる。このように、人との対話、自分との対話の積み重ねを通じて問題意識を煮詰めていくことが大切だということです。
やはり、思考のポイントは、メモを取る癖をつけるということを改めて認識した次第ですが、メモを整理し自分なりに納得したら捨てるというのは斬新だと思いました。捨てることで、堂々巡りになることなく、新たな思考に取り組めるということです。
最後に「キュリオシティ・ドリブン」の感想を1つ。いわゆる急がば周れ的なことです。子供は好奇心あふれており、まっすぐ進まず直ぐ寄り道をします。好奇心をもって取り組むことで、思わぬ発見があるかもしれないということ、そして、広い視野と柔軟な姿勢が物事を多角的に見る目を養い、斬新な発想を生むための頭の訓練となるということです。同じように、筆者は「セレンディピティを高めるには、心に余裕をもつよう心がけ、ちょっとした疑問も大切にする。」とも言っています。
昨今は何事もスピード重視であり、意味をはき違えているのか、すぐ終わらろとか、品質よりスピードだとか言う人がいます。そうではなく、最短距離を行くには、効率的に行動し、改善し、色々な事を想像して即断即決しなければならないと思います。その中で壁に突き当たったら、周り道して違う方法を考えればいいのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
タイトルに『考える力』と書かれているので、何らかの思考法に関する本だと思い、手に取ってみました。
概略は以下の通りです。
まず、問題を解決する方法として、マニュアル的なもの(公式に当てはめて解く方法)と創造的なものの(自分自身で解決策を考える方法)の2つがあると述べている。
その上で、創造的な答えを産み出す思考方をどう鍛えればよいか述べている。
実際に読んでみて、問題発掘に重点を置かれていて、解決方法に関してはどうすればよいかということはあまり書かれていない気がした。(答えのわからない未知の問題を相手にするのだから、しょうがないことであるが)
問題発掘の方法に関しては、いかに誰も手をつけていない問題を見つけるかを筆者の経験に基づいて書かれているので、学者のやり方を知れてよかったです。ただ、この方法をビジネスでどう応用するかは読者次第だと思います。 -
Posted by ブクログ
著者は物理学者ではあるが、「考える力」の鍛え方は普遍的なものであり、文系人にも参考になる。
如何に深く考えるための考え方、方法論はビジネスシーンでもヒントになりそう。
社会人にも役に立つことが多いと思うが、特に若い人にお奨め。
幾つか登場するアンシュタインの言葉も既に知れ渡っているものではあるが、改めて読み返すと頷けるものばかり。
考える力を得るために「諦めない人間力」の養成が一番大切なような気がする。
以下引用~
・「自ら考え、創造する力」は、大きく3つの力に分解することができます。
①問題を見つける力
②解く力
③諦めない人間力
・「対話」を重んじる雰囲気づくりは、参加者が問題意識を共有し、アイデアを引き出すうえでとても有効
「問題力を見つける力」を身につける極意は、人との対話、そして、自分との対話の積み重ねを通じて問題意識を煮詰めていくことなのです。
・「何が分からないのかを明確に意識する」という過程こそが、「問題を見つける力」の最も肝心な部分です。
・複雑な問題を「要素」に分解することができれば、それぞれの要素について解決可能なものから一つ一つ解決していくことが可能です。そして最後に残った要素(問題の核心)を見つけ、それに全力をあげて取り組むのです。
・ダーウインの進化論によれば、生き残るのは「強い種」ではありません。「最も知的な種」でもありません。日々変化する「環境に対応できた種」です。この考えからいけば、この小さな島国で、破壊と創造を何度も経験していた日本人は、適応能力が際立って高い民族に違いありません。