山下一仁のレビュー一覧
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本書の著者はBSのニュース番組で知った。
番組での印象と異なり、緻密、冷静に議論を組み立てていて説得力に富む。
著者の主張(と前提)は、
・昨年からのコメ不足の原因は半世紀以上続く減反政策。単に昨夏の猛暑の影響で収量不足だった
・(台湾有事などで)シーレーンが維持できなければ穀物、飼料、燃料を輸入に依存する日本には飢餓の危険が実際問題としてある
・減反は百害あって一利なし。減反を止めれば食料自給率は改善(余剰分を輸出すれば100%超も。裏作の麦と二毛作にすればさらに効果大)、食料安保にも寄与し、国庫負担も軽減でき、米価も下がる
・同時に補助金を欧州と同じ農家への直接支払いに切り替えるべき。現 -
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 食料とは何か?
第2章 貿易から見える世界の食料事情
第3章 真実をゆがめられた日本の農業
第4章 ”食料自給率”というまやかし
第5章 持続可能な日本の水田農業
第6章 食料危機を作る農政トライアングル
第7章 食料危機説の不都合な真実
第8章 日本が飢える~餓死者6000万人
<内容>
戦後の日本の農業のおかしさを、農林省にいた評論家が指摘した本。前半のデータを使っての分析、後半のJA批判と、なかなか面白い。「減反政策」の怪しさを感じていたクチなので、内容的にも腑に落ちた。第8章などはややオーバーな記述だが、ウクライナ紛争を見ていると、台湾海峡 -
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都市の周縁部では、相当程度豊かな農家と、給与がある程度高い勤め人の家が混在している場合が多い。
給与がある程度高い勤め人の多くは、生涯で最も高い買い物である土地を買い求め、周縁部で暮らす。
その買い求めた土地はもともと誰のものだったのかといえば、多くは地元農家のもの。
そして、地元農家の多くは、その土地を農地解放で、濡れ手に粟で、手に入れた。
こんな不公平があっていいものだろうかと思う。
孫正義なら「正義感がむくむくと胸の中で湧き上がる」と表現するのかもしれないが、多分、私の場合は嫉妬心が原因。
日本の農業に興味を持つ理由はそんな下卑たものではあるが、この本を手に取った。
JAに関する -
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ネタバレメモ中心として、残す。
農家も兼業の時代だ。地域間でのやり取りは希薄になり、就農する人も高齢者ばかりの動向。それなのに、日本政府は農家へ多大な補助を行っていると主著する。
私は30歳で農家に就く。
野菜の苗や種の価格、使用する農材や農機具、農薬や肥料の価格は3割増も当たり前の中、野菜の販売価格は上昇していない。
非常に苦しいのが現実であると、私は考えている。
そのような中で補助金等を減額していくとすれば、この本の主題である窮地での飢えは本当になくなるのか?疑問である。(農業をする戸数が減るのではないか?)
・農家は豊かになったか?
農家のステレオタイプである、「貧困で苦しい」状態でない -
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酪農家は朝夕は忙しいが昼間は暇。地元の役職が多い。
牛乳には低温保持殺菌と超高温瞬間殺菌がある。
牛乳は生乳からつくられるものだけ。乳脂肪分3%以上。
低脂肪は0.5~1.5%、無脂肪は0.5%未満。
成分調整牛乳とは、成分の一部を除いたもの、という規定があるだけ。
加工乳はバターと脱脂粉乳など乳製品からつくられる。生乳以外の乳製品が入れば加工乳。
生乳の価格は飲料向けと生クリーム等向けでは違う。
牛乳をバターと脱脂粉乳に加工したのち、水を加えると牛乳に戻る=加工乳。
以前は生乳の3.2%以上の脂肪からバターを作っていた。
その後乳脂肪の基準が3.5%になり濃厚になったため売れ行きが延