吉野彰のレビュー一覧
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ここしばらく、STAP細胞の論文について、色々とあった。STAP細胞自体があるのかどうなのか、とても興味のあるところ。実際なかったとしたって、小保方さんがやってきたことに意味がなくなるわけではない。ちょっとした勘違いや間違いはいつでもあるもの。世の中の先端技術はそうやって進化してきた。そのような、技術の先端がこういったことで注目を浴びてしまうのはとても懸念している。
そんな中、数年前に買ったこの本を見つけて読み直した。この本の中では、何度も失敗してそれを乗り越えることによって、日本人が世界に誇るリチウムイオン電池が開発され、大活躍している。
小保方さんと同じような勘違いや間違いがあったはずだし、いくつもの障害を乗り越えている。
ただ、この本の著者の場合は、成果を発表するのは、技術が完成してからだ。それは企業だからだ。小保方さんは、理研に所属しているので論文数とか質が評価の対象になる。多少勘違いしていても、自分が正しいと思えば発表したくなる。それを否定するようなことが、まかり通ってしまうと、技術の進歩が遅くなってしまう。
この本を通じて、技術革新の過程を見直してみて欲しい。多少の失敗は許してやろう、という気持ちになるはずだ。そうなってほしい。 -
Posted by ブクログ
今では当たり前のように普及しているリチウムイオン電池。それが作られるまでの紆余曲折が、文系の人間にもわかるように書かれていた。しかも笑いあり。特にサンプルを手に入れるために行われた担当者との会話。「通常の取引単位は船一杯分ですがそれでも構わないか?」・・爆笑。あとは、部下の無謀行為とか、警察からの事情聴取とか。そういうことがあって、こうやって私たちはパソコンや携帯を当たり前のように使えているということを知った。あと悪魔のサイクルの悲劇とか、特許のコツとか勉強になった。ただ、ところどころに挿入される「ちなみにこの年のレコード大賞は〜」っていうのがわからない。何か発明品と関連があるのか?ただ作者が歌が好きなだけ?
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Posted by ブクログ
ファラデーの「ロウソクの科学」を読んだのは、FMの小川洋子さんの「メロディアスライブラリー」の放送が切っ掛け。ちょうどこの時期の放送だったのは、ファラデーの青少年のためのクリスマス講義が元だったため。
ちなみに吉野先生のノーベル賞受賞より前。
本書を手に取り、「あれ、こんな放送あったっけ」と思ったが、ノーベル賞の吉野先生が高校生のために行った講義をまとめたもの。
第1講でファラデーの本の魅力を語る。
第2講は、ファラデーが置いた前提を見直すこと、常識にとらわれない発想について語る。ファラデーの現代からの見直しという内容。
実は「何でロウソクの炎から水が出るの、ファラデー先生」と思っていたんだが、ロウは水素と炭素からできていますの文に恥じ入った。
核融合、核分裂の話から無重力状態での炎の姿は、と常識破りの手法を披露する。
第3講は吉野先生のリチウムイオン電池の開発史。福井謙一先生から白川英樹先生の研究の上に吉野先生と同時受賞したスタンリー・ウィティンガムさん、ジョン・グッドイナフさんの開発があっての成果と云う話は判り易く、興味深い。
第4講は、リチウム電池から広がる未来について。確かにIT革命前後で世の中は随分変わったんだな。そしてこれからの10年、20年、30年で大きな変化が現れると云う。最後にSDGsの17のゴールが掲載されている。会社でも散々見る内容だけど、じっくり読みなおしてしまった。
30年ぐらい前かな、取引先の工場で話をしていたら、「もうすぐ目的地まで運転しないで自動車が連れてってくれるようになるよ」と云われて、理系の人って凄いこと云うなあと思ったことを思い出した。本書が想定している読者は高校生ぐらいなんだろうけれど、オジサンは世の変化を楽しみにしたくなったよ。