あらすじ
リチウムイオン電池開発でノーベル化学賞を受賞した著者が、科学書のロングセラー『ロウソクの科学』の魅力と、研究開発者としての道のりを語り尽くす。さらに今後世界を変える発明があるとすれば、どのようなものかを予測する。東工大学附属科学技術高校で行った特別授業をまとめた一冊。
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Posted by ブクログ
質量保存の法則とE=mc2を例に、
常識、法則、定説には必ず条件がある。
表に出てくることはないけれど、実は必ずある。
と話している部分。
本を読んでぶわぁぁぁと血液が踊り出すこの感覚。
これは読んでよかった。本当によかった。
Posted by ブクログ
ノーベル賞受賞の吉野先生が書いた本です。どこかの高校での講演会の様子を本にしたものでした。ろうそくが燃える事の科学的現象を細かく説明したものから始まり、AI社会に向けての予想などが書いてあります。理系にはたまらない1冊。
Posted by ブクログ
ファラデーの「ロウソクの科学」を読んだのは、FMの小川洋子さんの「メロディアスライブラリー」の放送が切っ掛け。ちょうどこの時期の放送だったのは、ファラデーの青少年のためのクリスマス講義が元だったため。
ちなみに吉野先生のノーベル賞受賞より前。
本書を手に取り、「あれ、こんな放送あったっけ」と思ったが、ノーベル賞の吉野先生が高校生のために行った講義をまとめたもの。
第1講でファラデーの本の魅力を語る。
第2講は、ファラデーが置いた前提を見直すこと、常識にとらわれない発想について語る。ファラデーの現代からの見直しという内容。
実は「何でロウソクの炎から水が出るの、ファラデー先生」と思っていたんだが、ロウは水素と炭素からできていますの文に恥じ入った。
核融合、核分裂の話から無重力状態での炎の姿は、と常識破りの手法を披露する。
第3講は吉野先生のリチウムイオン電池の開発史。福井謙一先生から白川英樹先生の研究の上に吉野先生と同時受賞したスタンリー・ウィティンガムさん、ジョン・グッドイナフさんの開発があっての成果と云う話は判り易く、興味深い。
第4講は、リチウム電池から広がる未来について。確かにIT革命前後で世の中は随分変わったんだな。そしてこれからの10年、20年、30年で大きな変化が現れると云う。最後にSDGsの17のゴールが掲載されている。会社でも散々見る内容だけど、じっくり読みなおしてしまった。
30年ぐらい前かな、取引先の工場で話をしていたら、「もうすぐ目的地まで運転しないで自動車が連れてってくれるようになるよ」と云われて、理系の人って凄いこと云うなあと思ったことを思い出した。本書が想定している読者は高校生ぐらいなんだろうけれど、オジサンは世の変化を楽しみにしたくなったよ。