■組織開発視点でみた感想
2部リーグのチームの選手だったクロップが、その後、なぜ欧州No.1のクラブチーム監督になれたのかを解き明かす本。
詳細な取材データから、まるでクロップが死んで偲ばれているかと思うような、豊富な証言の数々によりクロップがどれだけ愛されているかがわかって、素直にこういう人になり
...続きを読むたいなと思う。
クロップは選手と対等な立場、目線で会話することを良しとして、
選手の間に垣根をつくらずコミュニケーションをとる。選手が腐らないようにいつもどおりコミュニケーションを続ける。
誰に対してもフレンドリーでリスペクトをし、常に選手と同じ目線で対話ができることを重要視している。だからこそ、選手個人に、チームに、自分に「全力」を求める。
それにより、徐々に若手が成長し、必要以上のプレッシャーがかかる場合は選手を下げて守ることで、安心してプレーできる環境もつくっている。
トップダウンで、こうしろ!これでいくぞ!とりあえずやれ!っていうスタイルの監督はもはや通用しない。なぜならば、いまの若手選手は「まず説明を受けて、まず理解したいと考える」という傾向があるから。
そういう意味では、サッカーもビジネスもあんま変わらんなと思った。
結局、どういうビジョンをもっているか、それをどう実現しようとするかを話し、
共感できればそれに向けてやりブラッシュアップし、共感できなければ、どういう選択肢がありうるかを対話する
そういうことが非常に重要なのだろうと思う。
必要なことは「人の成長のためにできることはなにか」という観点での「観察」で、一挙手一投足を把握するための管理ではないということなんだと改めて感じた
サッカーをやっていた一個人的な観点でいうと
クロップがなぜ2部チームの監督からスタートできたか
何度も昇格やタイトルがかかった試合を落としてきたがへこたれない心
CLのハーフタイム、ロッカールームでのクロップのスピーチ
など、サッカー本編でも楽しく興味深い話がたくさんあり、ロッカールームの熱気が思い浮かんだりと楽しくイメージしながら読める。気になる人は手にとって損はないと思う。