著者うのさんは、福島市に住んでいました。
2010年3月に、すでにプルサーマルの受入れに反対し始めていたのです。
2010年6月に、福島原発で現地抗議行動をした時、
震度5弱の地震を経験したそうです。
そしてその4日後に
福島原発で電源が落ちる事故が起きていたのです。
(この過去の事故の経験を3・11でちゃんと活かせなかった東電!?)
2010年11月、うのさんは、
「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」を
立ち上げて活動をし始めましたが
2011年3・11の震災となりました。
その日は、避難先で幸運にも電源を得ることができたそうです。
パソコンを使ってインターネットで情報収集していた友人が
東電の「燃料棒溶解の予測時間」を発見。
都合の悪いことはいつも言わない東電、その東電の出した
この情報を見て・・・
『これはよほどのことだ』と判断。
すぐに吹雪の山を越えて避難したそうです。
うのさんが、思い切って避難行動することができたのは、
その前から、原発の危険性を知っていたからなのだと思います。
もちろん情報を見つけることができたことも幸運ですが、
まず知識がなければ、情報を見ても的確な判断をすることはできません。
正しい情報とそれを得るためのネット環境はもちろん大切ですが
日頃の知識の積み重ねがないとだめなのですねぇ。
このブックレットはとても薄いのに
読者に大きな力を与えてくれます。
ストレートに心に入ってくる言葉です。
よく「避難するも地獄 残るも地獄」と言われます。
この本の中には、
天空へ伸びる「くもの糸」のような輝く言葉が連なります。
地獄の中で辛くなったら 何度も読み返してみましょう。
いくつかのすばらしい言葉を抜粋します。
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目を凝らしましょう
いま、いのちを削りながら
必死の作業を続けている
ひとたちがいます
・・・
愛する息子が
きょうも原発事故の現場へと
家を出て行くのを
たまらない気持ちで
見送る母親がいます・・・
・・・
わたしたちは涙を恐れません
わたしたちが恐れるのは
嘘です
幻想の上に
町を建設することです
ひとびとが被ばくし続けることです
・・・
科学も数値もすべて
私たちのいのちのために
奉仕するべきであって
逆ではありません
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チェロの調弦をしている少年の絵
素敵な表紙です。