寒川猫持のレビュー一覧

  • 猫とみれんと 猫持秀歌集

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    ネタバレ

    「猫とみれんと」という大阪のけったいな歌人の歌集。
    著者の寒川猫持さんは、バツイチで中年の目医者、大阪のオッさんである。愛妻にバイバイされて女性にモテず、唯一相思相愛の猫と暮らしている。歌集は3冊も大手出版社から出ておりいちおう歌人(本人は「歌詠み」と称している)であるが、彼の短歌は他に比べるものがないほど阿呆らしくて情けなくて笑えるのである。

    たとえば、
    ・尻舐めた舌でわが口舐める猫好意謝するに余りあれど
    ・四十のやもめとなりて道をゆく犬なら棒に当たるとこだが
    ・おーいお茶、風呂に入るぞ飯食うぞぼちぼち寝るか谺(こだま)しており
    ・チョンガーの胸のうちなどわかるまい服着てひとり脱いでもひと

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    2018年05月31日
  • 猫とみれんと 猫持秀歌集

    Posted by ブクログ

    【本の内容】
    面白いのである。

    面白いだけでなくやがて哀しいのである、と山本夏彦氏が絶賛した異色歌集。

    「尻舐めた舌でわが口舐める猫好意謝するに余りあれども」「出前なし話し相手はさらになしもういくつ寝れば来るお正月」…。

    自称「目医者、うた詠み」、妻に逃げられ、猫と暮らす著者が、過ぎし日々と飼い猫にゃん吉への愛を諧謔に託して詠んだ全380首。

    [ 目次 ]
    にゃん吉くん
    バツイチのうた
    ダメの人
    映画百年
    猫じゃ猫じゃ
    ワーク・ソング
    恋に似たもの
    中年エレジー
    ドリフターズ・メドレー
    日本外史〔ほか〕

    [ POP ]
    好きだなあ、この歌集。文庫になる前からとても気に入っていて、ジャ

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    2014年08月26日