【本の内容】
面白いのである。
面白いだけでなくやがて哀しいのである、と山本夏彦氏が絶賛した異色歌集。
「尻舐めた舌でわが口舐める猫好意謝するに余りあれども」「出前なし話し相手はさらになしもういくつ寝れば来るお正月」…。
自称「目医者、うた詠み」、妻に逃げられ、猫と暮らす著者が、過ぎし日々と飼
...続きを読むい猫にゃん吉への愛を諧謔に託して詠んだ全380首。
[ 目次 ]
にゃん吉くん
バツイチのうた
ダメの人
映画百年
猫じゃ猫じゃ
ワーク・ソング
恋に似たもの
中年エレジー
ドリフターズ・メドレー
日本外史〔ほか〕
[ POP ]
好きだなあ、この歌集。文庫になる前からとても気に入っていて、ジャンルは違えど面白さから言えば「猫~」か「サラ川」かというくらいでは、と思っている。(比べていいのか?)
寒川猫持という歌人については詳しいことは知らないが、略歴を見ても少々いわくありげで興味をひかれる。
この人の歌は最高に笑えて、なおかつ、しんみりとさせられ、わびしさ切なさも存分に感じさせてくれる。
飄々とした詠いぶりの中に、関西のお笑い精神に味付けされたユーモアと自虐がちょうど良いバランスでおさまっている。
愛して止まない飼い猫にゃん吉の歌と別れた妻への歌がやっぱりよろしいですな!
“目の中に入れても痛くない猫であるがさすがに目には入らぬ”
“「女房の風邪が伝染ってしまってね」それをイヤミというのよあんた”
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
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[ 参考となる書評 ]