Naffyのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
Naffyさんの、ちょっとクールでバランス感覚が独特な、美しい絵を見たくて借りた本書であったが、読んでいく内に、犬のかけがえのない素晴らしさを知ることができた、吉田桃子さんの物語も、少女の成長とともに印象深いものがありました。
物語の主人公「斎藤美咲」は、その両親と兄も含め、家族みんなに愛されていた、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの、「レオン」が亡くなったことが、一年経った今も忘れられず、いわゆるペットロスのような喪失感に苛まれていたが、彼女に関しては、それだけではなく、幼少期から声が出ない、精神的な苦しみも抱えていたことから、その辛さは尚のことであり、学校ではひとりぼっち -
Posted by ブクログ
ネタバレいつの頃からかの猫ブームに押されて脇道に追いやられている犬本。犬派かつスパニエル推しの私にはどストライクな表紙に惹かれて読み始めました。
自分の思いをうまく言葉にできない小5の女の子、美咲。
日常生活はもちろん、卒業式での6年生を送る言葉の自分のパートでも声が出ない。これも物語の中で美咲の成長を表すための、わかりやすい縦軸バロメーターですよね。
そして美咲が生まれたときから寄り添って生きてきたキャバリアのレオンの死。
冒頭からレオンは骨壷に入った存在。でも美咲にとっては、たとえその状態でも、大きすぎて受け止められない喪失感を癒す存在なんですよね。
4・5年生くらいから読めるやさしい文章 -
Posted by ブクログ
小さい頃から、自分の思いをうまく言葉にして発することができない小5の美咲。
愛犬の死をきっかけに、より言葉が出なくなってしまう。
言葉が喉に詰まってしまうもどかしい思いと、愛犬の死を受け入れられない思いが、切々と語られる。
自分だけが辛い気持ちを抱えている、と思っていた美咲だが、徐々に周囲の人々が抱える辛い気持ちに気付き始め、発語と愛犬の死という二つの困難に向き合い、前を向いて乗り越えようとしていく。
主人公の美咲の言葉が出ない様子を、
言葉はいっぱい自分の中にあふれているのに、喉にビー玉が詰まってしまったようで、出てこない、
というような表現で書かれている。
症状についての詳しい説明はな