雨宮諒のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ終わり方があんまり好きじゃなかったかな。
結局花と付き合うとかは?って感じだった。
でも花の声が聞こえるってすごく素敵な能力だと思うな。話し方とか雰囲気がブリーチのギンに似てて私の想像の中ではもう完璧にギンになってたw花の種類がわかるのもおもしろいし、そのキャラクターがでてくるのもおもしろかった。この本を読むと花を大切に扱おうと思えるし、花屋さんに行って花を買ってこようかなとも思った。
でもあやめちゃんが花の精霊って気づいたときには思わず声がでちゃった。ちょっとミステリーな要素があって話的には楽しめると思った。私も花の声を聞くことができたらいいのになってちょっと本気で考えた。 -
Posted by ブクログ
“僕は長嘆すると、諦めて口を開いた。
「いやその、僕は自分に対して梟っていうよりも――能面ってイメージを持ってるんですけど」
こんなこと、誰かに話したのは初めてだ。
だがまあ、こんな断片的な言葉で僕がずっと抱いていたモノが伝わるはずもないし、特にどうということはないだろう。
「能面?」
赤城さんは案の定、怪訝な顔をして小首を傾げた。が、それも数瞬のことだ。彼女は霧が晴れていくような顔を見せたあと、アハッと笑う。
「なるほど、能面ね!確かに梟よりよっぽど言い得て妙だし、息苦しそうな気味のイメージにぴったりね!」
赤城さんはよほど面白かったのか、お腹を抱えて開けっぴろげにアハハと笑った。その笑いは他者を蔑んだり小馬鹿にしたりとか、そういった余計な意図が一切ない純粋なものだった。こんなふうに楽しげに笑う人に初めて出会った僕は、正直なところ面食らう。
「能面だって。アハッ、やだ。可笑しい。でもさ、皆が立ってるのは言わば現代劇の舞台よ?君だけ能面つけて、いったい誰を演じる気?どんな役割を選んでも同じ。君は立つ舞台を間違えてるのよ。息苦しくだってなるわよ。――ああでもホント、能面は傑作だね。ウフフ」
彼女の言葉は、僕の全てを見透かそうとしているようで恐い。
彼女の言葉は、僕の全てを理解してくれているようで暖かい。
でも、そんな感情や感慨がどうでもよくなるほど、彼女のクスクスと笑う声が耳に心地よくて。
僕はどこか夢心地で、彼女が楽しげに笑うその姿を眺めていた――。”
夢久島に住まう人と、そこを訪れた人と。
章ごとに少しずつ話が重なって。
「海で“呪文”を唱えると本当の自分の居場所に連れて行ってくれる」という噂は、本当か否か。
“呪文”を唱えた人々に訪れた奇跡とは。
“……本当は、わかっていたのです。
ええ、わかっていたのです。
ぼくは楽園を目指したかったのではありません。この島から逃げ出したかったのです。ぼくに優しくないこの島から、とにかく逃げ出してしまいたかったのです。そこには勇気など欠片もなく、ただ、臆病なぼくがいただけだったのです。
夕日を浴びる天尽岩が、「どうするの?」と問いかけてくるようでした。
ぼくは自分の足元に視線を落とし、しばらく考え込みます。寄せては返す波の音が、ぼくの出す答えを待ち続けていました。
やがてぼくは顔を上げ、真っ直ぐに前を向きます。
――決めました。
ぼくはここで生きていきます。
あるがままに生きていきます。
ここから逃げ出した時点で、ぼくはどこへ行こうとも、再び追いやられる恐怖に怯え続けることになるのですから……。
それがあなたの答え?と、天尽岩が訊いてきます。
ええそうです。と、ぼくは答えます。
逃げ出すための呪文は、ぼくには必要ありません。
でも。”