あらすじ
おじいちゃんの家に預けられた男の子・シュプルは、近所に住んでいる少女アロワと一緒に立ち入りを禁止されている物置部屋へ。そこで一つの大きな木箱を見つけ出す。 「この箱はおじいちゃんの宝箱だ!」 しぼんだ風船、白い粉のはいった瓶、小さいスコップ――。おじいちゃんの宝物を手にしたシュプルがおじいちゃんに成り代わって、宝箱の中の宝物にまつわる話を、おじいちゃんに話して聞かせる新しい形の短編連作。 第10回小説大賞選考委員奨励賞受賞作。
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Posted by ブクログ
母親が仕事に行く際、おじいちゃんの家に預けられる。
どう接すればいいのか分からない相手に、本を読んで誤魔化した日々。
それは、本を読み終えてしまった時に、違う日々になっていた。
口絵カラーの部分から始まる、小さな物語。
おじいちゃんの『宝物』から想像する物語。
こんな子供が想像するには…と思うような、そんな物語。
けれど、それだけ本を読みふけっている、という証拠にもなりそうな知識。
短編の最初が、同じ仕様の部分が徐々に増えているのは
何かを狙って、の事なのでしょうか?
それから物語、それからおじいちゃんの呟き。
孫が作りあげた物語よりも、ごく普通の日常が見えるその呟きが
はっと現実に戻してくれます。
ほんわりと暖かくなる物語。
3話目の『愛のことば』が一番楽しいですが
4話目の話で、知識の凄さを思い知れます。
Posted by ブクログ
小さくて本好きの男の子シュプルと、おじいちゃんの優しい物語。
第10回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作というのと、雰囲気にひかれて買ってみました。
文章も読みやすいし、ストーリー的にもいいですが、6歳のシュプルがこのおはなしをするのは無理だろうって感じがします。
そこをぬかせば、非常に楽しめる作品なのでちょっとのミスでも気になるぜ!っていう神経質さんにはお勧めできません。
けど、読んだあとに優しい気持ちになれるとてもいいおはなし。