朽木ゆり子のレビュー一覧

  • 消えたフェルメール(インターナショナル新書)

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    「合奏」盗難を中心に据えながら、フェルメール絵画の流転、フェルメール研究の歴史にもコンパクトに触れてある。
    入り口で読んでも、ある程度フェルメールについての知識を持った段階で読んでも、いずれも充実感の得られる好著。
    2018.10.10 第1刷 帯付き

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    2019年03月01日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    ネタバレ

    アート好きなら読んでみたいドキュメンタリー。
    明治から第二次大戦前まで、名の知られた美術商・山中定次郎と山中一族が経営する山中商会。その足跡を丹念にたどる。

    導入部の琳派屏風の左右をめぐる記述で、美的感覚にやや違和感を覚えたが(空白のある構図のほうが美しいと思うので)…読み進めると、すばらしい労作であったと感じた。

    1890年にNYに出店、以後、英国にも進出。
    ロックフェラー財団や名うての蒐集家、エリザベス1世までの御用聞きとなり、日本含む東洋美術の至宝を世界に売りさばいた豪商。義和団事変で中国美術の需要に目をつけ、美術品とは言えないようなインテリア雑貨もまぜつつ、販路拡大。しかし、192

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    2017年09月19日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    明治時代から第二次世界大戦まで、東洋美術商として世界的に有名であった山中商会。メトロポリタン美術館、ボストン美術館、フリーア美術館、大英博物館など、大規模な東アジア美術コレクションを持っている美術館へは、相当数の作品を供給していたという。二〇世紀初頭にあっという間にビジネスを拡大した山中商会は、ニューヨーク、ボストン、シカゴからロンドンまで活動範囲を広げ、英国王室からも用命を受けていたほどだ。本書は、今では知るものの少なくなった、その興亡を描いた一冊である。

    ◆本書の目次
    序章  琳派屏風の謎
    第一部 古美術商、大阪から世界へ
    第一章 「世界の山中」はなぜ消えたか
    第二章 アメリカの美術ブー

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    2011年04月11日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    再読になる。
    依然読んだときに比すれば、ぐぃっと気持ちが入り込み、速読しつつも、流れを含め政治的な社会情勢・空気が感じられた。
    このところ、観るようになったネトフリ。
    仕方なく契約したのだが、これまで見ることがなかったベネルクス3国、東欧諸国(特にポーーランド)を中心に観ている。
    育されてきた世界情勢と私なりの感覚がいかに視野狭窄だったか痛感する・・最も映画、ドラマだから差っ引いてとはいえ。

    朽木氏の論評は淡々と、それでいて論点を外さないしっかりした語り口。読んでいても頭に入りやすく、下手な感情論がないこともあり、好み。
    これまで数点を読んできたこともある。
    200年続いた山中商会(大阪八尾

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    2023年06月07日
  • 消えたフェルメール(インターナショナル新書)

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    ネタバレ

    2022/2/19 ジュンク堂三宮駅前店にて購入。
    2023/10/16〜18

    30点前後しかないフェルメール作品のうち、盗まれた「合奏」、「恋文」、「ギターを弾く女」、「手紙を書く女と召使い」に関する盗難の様子やその後がまとめられている。無事であることを祈るのみ。

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    2023年10月19日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    日本を含む東アジアの美術品の価値をヨーロッパとアメリカに広く伝え、当時の(とくにアメリカにおける)美術文化交流の要でありながら、第二次世界大戦を契機として解体させられ、消滅してしまった山中商会の興亡史。当時の社員達の気概や商魂を知る為にも興味深い一冊。
    ただし、著者が断っている通り、ヤマナカの「アメリカにおける」興亡しか追いかけていないので、ロンドンにもあったというヨーロッパでの商売についてはほとんど分からないというのが、やや画竜点睛を欠くという感じ。1920年代、ロンドンで王と王妃からそれぞれロイヤル・ワラントを賜り、その栄誉に浴していたのがイギリスの全ブランドも含めてヤマナカだけだった、と

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    2013年06月15日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    日本と東洋の美術品を欧米に販売し、第二次大戦で解体された美術商の歴史を、米国公文書館にあった87箱もの資料ほかから読み解いた労作。索引が無いのが惜しい。

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    2012年06月11日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    明治から第二次世界大戦まで、日本の美術品の価値を知り欧米の富豪たちに仲介した美術商のお話。決して歴史の表には出て来ないけれども、大きな役割を果たした人たちがいる。労作ではあるが本書は足跡を辿るだけで終わっている。

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    2011年11月14日
  • 消えたフェルメール(インターナショナル新書)

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    ガードナー美術館からフェルメールを含む絵画数点が盗まれた事件を出発点として、類似する事件の詳細、犯人の動機などを考察し、纏めた一冊。絵画がいかにして人々を魅了し、非合法の手段を取らせるに至ったのか、その不思議な魔力の一端を垣間見ることができた。如何せん登場人物・絵画が多く、絵画のイメージを調べずに雰囲気で読み進めたので、理解できたのは半分にも満たないと思う。

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    2025年08月11日
  • 消えたフェルメール(インターナショナル新書)

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    名画盗難の話、手口やら盗難後の話やらわりと面白い。欲しいって欲は、金額的なことなのか、本当にただずっと眺めていたいからか、どっちのが多いんだろ。ああいう絵って、美術館みたいなところで見るのはいいけど、家の壁にあったら落ち着かなさそう。

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    2025年03月29日
  • 消えたフェルメール(インターナショナル新書)

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    フェルメールにはミステリーがよく似合う。過去の盗難事件を考察することで、改めてフェルメールの魅力を知ることのできる一冊。

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    2019年08月20日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    明治から第二次世界大戦までの50年間ニューヨークに店舗を構えた山中商会は戦前のアメリカでは最も有名な日本企業だった。当時の東アジア美術商としては世界最大規模でニューヨーク以外にもボストン、ロンドン、シカゴに支店を開きロンドンではイギリス国王ジョージ5世とメアリー王妃から二つの王室御用達を認定され、1917年にはNY5番街の53stと54stの間に新築されたロックフェラービルの5番街に面した1−2階にギャラリーつきの店舗を構えている。設立にロックフェラー夫人が関わった近代美術館がすぐ近くに移転して来たのは1932年のことだ。狂騒の20年代にはアメリカの美術界も活況を呈しヤマナカも大いに繁盛したが

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    2014年06月02日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    戦前アメリカにあった山中商店のお話。史料を丹念に調べ上げてあるのがすごいと思った。一般書であるが、史料の典拠が示してあり、その点が個人的には好印象。
    ただ、史料量が少し多すぎて、やや読みにくい気がする。
    今までにない側面からの視点を気づかせてくれたのがもっとも参考になった。

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    2012年01月30日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    芸術には興味はないのだが、有名な美術商の話だということで読んでみた。独自の視点というモノが理解でき楽しく読めました。

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    2012年01月25日
  • ハウス・オブ・ヤマナカ―東洋の至宝を欧米に売った美術商―

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    歴史に埋もれ、今や知る者も少なくなった美術商「山中商会」の実像を発掘してみせた執念(読んでみるとわかるけれど、これは正しく「執念」というしかない)にまずは敬服。膨大な資料を丹念に読み込み、山中商会の軌跡を再構築する作業。その果実としての本書は、それだけで一読の価値がある。ひとつだけ難を言えば、調べ上げた資料が膨大であるが故に、本来なら切り捨てても構わない部分まで書き込んでしまっている憾みはある。ま、著者の気持ちは分かるんだけど、もっと思い切って捨てるべきを捨てれば、もっと読みやすく面白くなったんじゃないかな。蛇足を連ねれば、マンハッタンに支店を構えた山中商会の取引記録が米公文書館に残されていた

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    2011年07月27日