織田淳太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者は、ノンフィクション作家。バセドー氏病の症状がひどくなったため、友人に勧められたG病院という精神病院に「任意入院」する。そこは開放病棟とは名ばかりの閉鎖病棟だった。
バセドー氏病で精神病院に入院する必要はないから、著者は取材のために「潜入した」のだろう。
そのG病院で出会ったのが、40年近くも入院している「一郎(仮名)さん」だった。その「一郎さん」を通して、患者を「固定資産」として長期にわたって入院させる日本の精神医療施設の恐るべき実体が明らかにされる。
2009年現在の世界の精神科病床数は推定で200万床だと言われるが、そのうち日本には35万床と6分の1もあり、入院患者数31万3000人と突出している。また、日本の精神科における患者1人当たりの平均入院日数は310日に及び、欧米の平均入院日数1~2週間に比べて異常な事態になっている。
さらに、人口1万人あたりの精神科病床数は日本の28床に対して、欧米は2~10床であり、ここでも日本の精神医療の異常さが目立つ。
日本の「異常」は精神障害者を「社会から隔離する」という目的のため制度的に認められていることであるが、その制度自体も世界の趨勢からは大きく遅れている。
イギリスでは、1954年に保健省が「今後10年間で10万床の精神病床を削減する」と発表し、さらに1971年には人口10万人に対するベッド数を5床とするという長期計画を打ち出している。その結果、1955年の33床が1990年には12床となり、現在は10床を下回り、目標の5床に近づいているという。
また、イタリアではもっとラディカルな改革が行われている。1978年に効率精神病院への入院を禁止する「180号法案」が交付され、国を挙げて精神病院の廃絶に動き出している。このイタリアでの精神医療改革が多くの国のモデルとなって、精神病者に対する法律の廃絶や長期入院を禁止する国が増えているのである。
日本でもグループホームや授産所などの一般社会に受け入れる仕組みを作れば、退院させられる「患者」ですら病院の収入確保のための「固定資産」として長期入院させられているというのが現状なのだ。
ところが、多くの国では精神病院は公立だが、日本では民間病院に頼っている。そのため、簡単には長期入院を禁止したり、精神病院そのものの廃絶は簡単には進まないという。精神病院廃絶の世界的な流れに、精神病院経営者や精神科医たちが反対しているからだ。
しかも、本書の冒頭で東日本大震災時に明らかになった双葉病院での遺体置き去り事件のように、患者の高齢化による入院者数の減少を補うために、民間の精神病院は認知症の老人たちを取り込んでいるという。しかも、精神病院に入院した老人たちは短期間に寝たきりになり、認知症の改善は望めない場合が多いという。
日本の精神病院は、これらの「社会的入院」が存在する中世の監獄のような場所なのである。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
無能な指導者、間違ったトレーニング理論によって、どれほどの煌めく才能がつぶされ、スポーツ界から去っていったことか。
「ウサギ跳び」「丸刈り」「水分補給の禁止」「ダラダラ長時間続く練習」「シゴキ」「三年天皇、一年奴隷」「自分の成功体験の押しつけ」「恣意的な選手起用」「ただヒステリックにわめきちらすコーチ」「不勉強」「思いこみ」―日本のスポーツを語る言葉は、あまりに貧しく、絶望的である。
いや、見方を変えれば、これはスポーツ界だけでなく、日本の一般社会にも共通することかもしれない。
本書は、現在のスポーツ界に風穴を開けようと日々奮闘する監督やコーチ、トレーナーへ取材を重ね、その最先端の理論を紹介するものである。
[ 目次 ]
第1章 “頑張らない”ことが潜在能力を引き出す
第2章 間違いだらけのコーチング
第3章 日本人が捨てた究極の“走り方”
第4章 メンタルトレーニングの真贋
第5章 誰も教えてくれないバッティング常識の嘘
第6章 やる気を引き出すコーチング
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]