村田晃嗣のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
個人的に興味あるテーマの書籍。最後までグイグイと引き込まれた。ハリウッド映画と政治(大統領制)の関連の歴史約100年を手際よく整理されていて、最新の映画「バイス」まで紹介されている。第6章における、レーガンとトランプが「アメリカを再び偉大にする」というキャッチフレーズ自体は共通しているものの、その違いがいかに大きなものであるかという解説や、終章における「反ブッシュ感情がオバマ登場の助産婦であったように、否それ以上に、オバマが体現する多様性やエリート主義への反発がトランプをホワイトハウスに招き入れた」という部分は興味深く読んだ。アメリカ政治とハリウッド映画の関係性についての入門書としてお勧め。
-
Posted by ブクログ
普通に面白かったです。
「レーガンは過去と未来と架橋しながら、平均的なアメリカ人を代表しうる包括性を持ち、その上、アメリカ社会
の矛盾や二面性を象徴していた。」というまとめにはなるほどとうなずけた。
全体を通して意外と?レーガンについて客観的に書かれていたので逆にびっくり。
村田先生こんなにバランス感覚ありましたっけ笑
もっとアメリカ&レーガン万歳本だと思っていましたが、レーガン時代のマイナス部分についても
言及されていて、且つレーガン偶像化の急先鋒である「ティーパーティ」勢力についてはかなり
厳しい点とか。
大学1回の時に授業の課題で『フォレスタル』読まされたの思い出しました。
10年前 -
Posted by ブクログ
トランプ政権をもう少し長い時間軸の中で考えたくて、読んでみた。
わかりやすくて包括的なレーガンの評伝を書いた著者の本ということで、レーガンの項目はコンパクトにその評伝をサマライズしたという感じ。そして、同じようなトーンで他の大統領もその人にフォーカスしてサマライズしてある。
人物にフォーカスがされているため、ある意味、時代の大きな流れが見えにくくなっているところもある気がして、50年を大統領を通じて振り返るというよりは、どういう人がこの50年間大統領になって、どんなことをしたか、ということは間接的に浮かび上がってくるという感触かな?
リアルタイムでは文句をいろいろ言っていたわけだが、こう -
Posted by ブクログ
ネタバレレーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書) 新書 – 2011/11/24
現代史を知る上で熟知すべき人物
2013年5月13日記述
同志社大学法学部教授村の村田晃嗣氏の著作。
朝まで生テレビ等で早口でしゃべる姿が印象的な人物。
10年以上続いた同志社大学学長の八田英二氏に変わり現在の同志社大学学長を務めている。
世も末だ。
ロナルド・レーガン元大統領に関してまとめている本書。
難点をあげるとすると少々映画が多く取り上げられすぎている。
著者の趣味ということもあるのだろうが・・・・
有名な作品ならともかくあまり知らないものを取り上げるのは難しいと思える。
飛行機 -
Posted by ブクログ
アメリカ=唯一の超大国という貧困なイメージしか持っていなかったが、外交史を通して、苦悩してきた様が垣間見えた。日本の方向性を探る上でも、示唆的な部分が多々ある。偏見を正し、歴史から学ぶ姿勢すら持てるようになった。
・アメリカの国防予算は一国だけで、世界の軍事費の40~45%を占め、2位から11位までの国の合計を上回る(2005年)
・1.ハミルトニアン:海洋国家、対外関与に積極的、国力の限界に楽観的。2.ジェファソニアン:大陸国家、選択的な対外関与、国力の限界に自覚的。3.ウィルソニアン:普遍的な理念を外交目標に。4.ジャクソニアン:国威の発揚を重視、軍事力に傾斜
・リンカーンの独裁ぶり。
-
Posted by ブクログ
生誕百周年の昨年出た評伝。中公新書は良質の評伝が多く,どれも読みごたえがあって外れが少ないが,本書も良かった。アメリカ大衆文化の変遷を体現した偉大な大統領。
戦後のアメリカ大統領で人々の記憶にもっとも残るのが,ケネディとレーガン。二人ともアイルランド系だけど,対照的。レーガンの父は6歳で孤児となり、レーガン自身もゼロからの出発を余儀なくされる。一方,6歳年下のケネディは裕福な家庭に生まれ(父ジョセフは駐英大使),レーガンより20年も前に若き大統領となり,40年以上前に死ぬ。
ケネディは暗殺されたが,レーガンは銃撃を受けながらも生き延びる。撃たれて死ななかった大統領はレーガンだけ。しかも7 -
Posted by ブクログ
同志社大学法学部教授(アメリカ外交史)の村田晃司(1964-)による、第40代アメリカ大統領ロナルド・レーガン(Ronald Wilson Reagan; 1911-2004)の評伝。
【構成】
第1章 マーク・トウェインの世界
第2章 「心の劇場」から「夢の工場」へ
第3章 レーガン都へ行く
第4章 政治教育
第5章 ホワイトハウスへの道
第6章 「小さな政府」と「強いアメリカ」
第7章 「アメリカの朝」-醜聞と頂上会談の渦中で
終章 レーガンの遺産
本書は、著者曰く日本国内では初めてのレーガンの本格的な評伝だそうだ。その評伝の著者が村田晃嗣というのは、非常に歓迎すべきことである。博士論 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「日本初のレーガン元大統領の評伝」というのが表向きの顔。
70年~80年代のアメリカ史からレーガンの政界立志伝について具にまとめられています。
政策の評価も作者には珍しく?中立的なのも好感。
一方、裏向きの顔はレーガンから見るアメリカ文化史。
特にレーガンの出演した映画についての説明も細やかなのに驚き。
映画、ラジオ、テレビと活躍の場を徐々に移していったレーガンだからこそ、各メディアの衰勢も興味深いものだった。
家族の大切さを訴えながら、離婚歴がある。小さな政府を目指しながら、増えていった双子の赤字。国防予算を増やしながら、遂に成し遂げた冷戦終結…
矛盾した顔を持ちながら、様々な名声を得て -
Posted by ブクログ
外交に関しては、これまで関心が薄かったが、政府の外交姿勢にも、それに対する世の中の批判にも、納得がいかないので、自分の考えを整理するために、何か良い入門書が無いかと思い手に取った本。
アメリカ外交の潮流を、①北東部の利害を代表して国際通商を重視する海洋国家志向の「ハミルト二アン」、②国内の安定、発展を重視する大陸国家志向の「ジェファソニアン」、③アメリカは民主主義を世界に広める使命を持つと考える「ウィルソニアン」、④アメリカの安全と繁栄を重視し、力の外交を展開する「ジャクソニアン」の4つに分類し説明しているので、それぞれの時代のアメリカ外交の姿勢が理解しやすい。また、外交そのものを分析する上で -
Posted by ブクログ
テレビ番組にも出演する同志社大学法学研究科の村田晃嗣教授が書く、よくも悪くもお手軽な20世紀アメリカ外交史の概説である。
先に佐々木卓也編『戦後アメリカ外交史』(有斐閣アルマ)を読んでしまうと、本書の内容にはいささか不満を感じてしまう。
『戦後アメリカ外交史』は大学の教科書として書かれているのに対して、本書は一般人向けの読みやすさを考慮しているので、一概に比較するのは不当ではあるが。
本書のわかりやすい点は、アメリカの歴代大統領を、18世紀から20世紀初頭に現れた4人の大統領を典型として、ジェファソニアン、ハミルトニアン、ジャクソニアン、ウィルソニアンの4類型(とその組み合わ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「ブッシュ外交」への感情論、アメリカ「帝国」論議を超える外交・国際問題を学ぶための最良の教科書。
[ 目次 ]
第1章 アメリカ外交を見る眼
第2章 建国から大国へ
第3章 二つの世界大戦―内向的な大国
第4章 冷戦の起源と本格化―超大国の自覚化
第5章 冷戦の変容―ベトナム戦争とデタント、多極化
第6章 新冷戦から冷戦の終焉へ―カーターとレーガン
第7章 ポスト冷戦期―G.H.ブッシュとクリントン
第8章 九・一一からイラク戦争へ―G.W.ブッシュ外交
終章 これからのアメリカ外交と日本
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ -
Posted by ブクログ
「朝まで生テレビ」などで“アメリカ=悪”で議論をする論客に鋭い指摘をし、最近メディアでよく見かけるアメリカの外交・安全保障が専門の著者が建国以来のアメリカ外交を語ってくれます。著者は歴代大統領をウォルター=ミードにならって「ハミルトニアン」「ジェファソニアン」「ウィルソニアン」「ジャクソニアン」の四つに分類して論じています。政治学が専門の著者ですので我々歴史専門とはまた違った視点で、慣れない反面多くの示唆を与えてくれる内容でした。イラク戦争の失敗からアメリカ外交を批判する著作は数多ありますが、彼らはアメリカ的な「善悪二元論」を自分たちの「善悪二元論」で語る節があります。しかしこの本はアメリカ外